日経コミュニケーション 2006.9.15 『戦略 ネットワーク研究 外為どっとコム』 by Gene

企業ネットワークの戦略的な構築事例を紹介する日経コミュニケーションの連
載です。メインは、NTTデータです。1万5000台ものIP内線網を構築している事
例です。NTTデータの事例もとても興味深く読みましたが、外為どっとコムの
バックアップシステムの事例が個人的にとても興味を持ちました。

外為どっとコムは、外国為替証拠金取引(FX)の取引会社です。ぼくは、去年の
秋にFXというものを知って、外為どっとコムをはじめ3社で為替取引をしてい
ます。FXでは、昨年秋から年末にかけての円安の流れでかなりプラスになりま
した。
でも、年が明けてから調子に乗ってしまい、円高に振れたときにプラスを大部
分吐き出す始末・・・今年前半の長い円高局面を経て、最近、また円安になっ
てきつつあります。それに伴って、FXの取引のプラスもまた復活してきました。
こういう状況で利用しているFXの会社の事例が載っていたので、すごく興味深
かったです。

※ネットワーク技術とは関係ないですが、FXはかなり割りのいい金融商品です。
銀行の外貨預金をするなら、FXのほうがはるかに柔軟だし、手数料も安いし、
金利も多く受け取れます。ゼロ金利が解除されたといっても、日本の金利はま
だまだゼロコンマいくつのレベル・・・レバレッジのコントロールさえきちん
としておけば、安定して金利を受け取ることができます。

外為どっとコムは、金融取引を扱っているのでシステムの可用性は重要です。
そのため、2005年6月にディザスタリカバリの導入を決定しています。東京の
データセンターにあるシステムのデータベースを沖縄のデータセンターのデー
タベースにバックアップするという構成です。
バックアップは、15分おきにCIFS(Common Internet File System)でログを送信
して沖縄のデータベースに反映させているそうです。
バックアップするデータは、100Mバイト~5Gバイトとかなり大きなサイズ。回
線速度は100Mbpsなんですが、遅延の影響が大きいそうで、実行速度は2M~3Mbps
程度。15分のバックアップ間隔では、前のバックアップファイルを送り終わら
ないうちに次のファイルを送る時間がやってきてしまうなんてことがあったそ
うです。

こういうときに、スループットを改善するのが「WAN高速化装置」ですね。日
経コミュニケーションでも特に今年に入ってから何度も紹介されています。
2005年12月にWAN高速化装置として「WANJet」を導入しました。WANJetを導入
すると、スループットは約5倍になり、バックアップ処理を円滑に行うことが
できるようになりました。
ただ、WAN高速化装置を導入すれば、WAN経由の通信が何でも高速になるかとい
うと、そうでもないんですよね。為替レートの情報をWAN経由で沖縄のWebサー
バから東京のデータベースサーバに参照しに行くと、かえって時間がかかって
しまうことに。為替レートの情報は小さいサイズのデータです。小さいサイズ
では、かえっえオーバーヘッドが大きくなり遅くなることすら出てくるんです
ね。WAN高速化装置が有効に機能するのは、データサイズが大きいファイルの
ときであることがわかります。

WAN高速化装置の導入事例として、外為どっとコムの事例は参考になることが
けっこうありそうです。

【外為どっとコム】
http://www.accesstrade.net/at/c.html?rk=01000gqy0000e7
【データセンター】
http://www.n-study.com/network/2006/09/post_102.html
【WANJet】
http://www.f5networks.co.jp/product/wanjet/index.html

日経コミュニケーションの詳細、購読申し込みはこちら↓

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA