Dynagen設定ファイルの記述

Dynagen設定ファイルの主な設定の記述

ここでは、Dynagen設定ファイル(.netファイル)の記述について解説します。先にも触れたように、.netファイルにはエミュレートするネットワーク構成の情報を記述します。起動手順で編集したsimple1_c3640.netを例にして、Dynagen設定ファイルについて解説します。

 
dynamips23.png
図 simple1_c3640.net

# Simple lab

#で始まる行はコメントです。Dynagenの処理上ではコメントは無視されます。日本語でコメントを記述しても問題ありません。

[localhost]

Dynamips Serverが動作しているホストの指定です。DynamipsとDynagenを同じホストで動作させている場合は、「localhost」です。それぞれ別のホストで動作させる場合は、Dynamips Serverを動作させているホストのIPアドレスを指定します。

以降、[[ ]]は[localhost]のDynamips Serverにおける設定情報であることを表しています。

[[3640]]

エミュレートするルータのモデルを指定します。指定可能なモデルは、次のようになっています。

7200 / 2691 / 3725 / 3745 / 3660 / 3640 / 3620 / 2610 / 2611 / 2620 / 2621 / 2610XM / 2611XM / 2620XM / 2621XM / 2650XM / 2651XM / 1710 / 1720 / 1721 / 1750 / 1751 / 1760

image =

利用するIOSを保存しているパスを記述します。

ram =

エミュレートするルータが使用するメモリ容量を指定します。IOSに必要なメモリ容量を指定してください。

[[ ROUTER R1]]

エミュレートする機器の種類と名称を定義します。
機器の種類の指定は、次のように行います。

  • ROUTER:Ciscoルータ
  • ETHSW:イーサネットスイッチ
  • FRSW:フレームリレースイッチ

機器名称は、Dynagen上で管理するためのものです。ルータのホスト名とは直接関係していません。この記述は、CiscoルータをエミュレートしてR1としてDynagen上で管理することを表しています。

model =

定義したルータのモデルを指定します。指定可能なモデルは、先ほどあげたものと同じく、次のようになっています。

7200 / 2691 / 3725 / 3745 / 3660 / 3640 / 3620 / 2610 / 2611 / 2620 / 2621 / 2610XM / 2611XM / 2620XM / 2621XM / 2650XM / 2651XM / 1710 / 1720 / 1721 / 1750 / 1751 / 1760

slot1 = NM-4T

ルータのスロットに搭載するモジュールを指定します。この例の記述は、スロット1にNM-4Tを搭載することを表しています。指定可能なモジュールは「エミュレート可能なモデル/モジュール」の項の表1エミュレート可能なハードウェアにまとめている通りです。

S1/0 = R2 S1/0

ルータのインタフェースがどのように接続されているかを表しています。この例では、R1のSerial1/0がR2のSerial1/0に接続されていることになります。R2の定義は、この後の部分です。

dynamips24.png 
図 R1とR2の接続

[[router R2]]以降

エミュレートするもう1台のルータR2を定義しています。R1のところと同様にモデルやスロットに搭載するモジュールを指定しています。なお、コメント文にあるようにR2の部分ではインタフェースの接続は書く必要がありません。ルータのインタフェース同士を接続するときには、片方だけの記述でOKです。

dynamips25.png
図 simple1_c3640.netの意味