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人類はなぜいまのようになったのか?

(所属カテゴリー:---投稿日時:2008年10月11日)

「銃・病原菌・鉄」という本を今、読んでいます。ものすごく興味深い。

 私たち人類はどのようにして今のように発展してきたのか?

よく知られているように、大航海時代にヨーロッパの白人種の人々が大西洋をわたりアメリカ先住民族を次々と征服していきました。以降、主にヨーロッパの人々が世界の覇権を握り、私たちの歴史は紡がれてきています。

でも、なぜ逆のことは起こらなかったのか?

アステカ帝国やインカ帝国などのアメリカ先住民族は、数千万人もの人口を抱える一大帝国を築いていたそうです。なぜ、彼らは逆に大西洋を渡ってヨーロッパへたどり着き、征服するようなことがなかったのか。その直接の要因が本のタイトルの「銃・病原菌・鉄」だそうです。

ヨーロッパの白人種の人々や鉄製の武器や銃火器を使うことができて、先住民族の人々を圧倒しました。そして、それ以上に天然痘などの病原菌が先住民族の人々に壊滅的なダメージをあたえたことが直接の要因です。
そして、直接の要因につながる根本的な要因についても解き明かしています。
ヨーロッパの白人種の人々がアメリカ先住民族よりも生物学的に優れていたわけではなく、それぞれの文明がおかれた環境にあったのだ・・・と。環境によって、どのようにして食料生産が広がり、文字や技術が伝播してきたのかが詳細に語られています。文明の発展は、決して人種の優劣などではなく、おかれた環境に適応した結果にすぎないと。ユーラシア大陸は、農耕や家畜化といった食料生産しやすい環境です。なおかつ横長で同緯度地域が多いので、気候が安定しています。その結果、人々の交流がしやすいといった「めぐまれた」環境です。ユーラシア大陸というめぐまれた環境におかれた人々が有利に発展してきただけ。

読んでいてなにより感心したのが著者の視点の広さです。白人種の視点でだけではなく、アメリカ先住民族の視点や時には病原菌の視点(!)からもさまざまな検証を行って、論を進めていくのは感心でした。

まだ下巻が半分ほど残っているんですが、読み進めていくのが楽しみです。知的興奮でわくわくしたい方はぜひ読んでみてください。

※出版元の草思社が破綻してしまったせいか、新品で購入するのは難しそうです。読みたい方は、図書館などでかりるか、古本屋でゲットしてみてください。

銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎
Jared Diamond 倉骨 彰

銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎
文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (下) 文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (上) セックスはなぜ楽しいか (サイエンス・マスターズ) Collapse: How Societies Choose to Fail or Succeed なぜ美人ばかりが得をするのか
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