IPアドレッシングを基本から復習しましょ! その14

ルート集約してもルーティングには問題ない???

ルート集約して、複数のネットワークアドレスをひとつにまとめると、ルーテ
ィングテーブルにはまとめた集約ルートのみが登録されます。そうすると、実
際のネットワークのネットワークアドレスがルーティングテーブルに載ってい
ない状態になります。

それで果たしてルーティング可能なのか?

感覚的には「可能だ」とわかるでしょう。それを明確に説明するのがロンゲス
トマッチ(Longest Match)のルールです。

ロンゲストマッチ(Longest Match)

ロンゲストマッチとは、ルータがIPパケットをルーティングするときにルーテ
ィングテーブル上の一致するルート情報を検索するルールです。

ルーティングテーブルのルート情報として

  • ネットワークアドレス
  • サブネットマスク
  • メトリック
  • ネクストホップアドレス
  • 出力インタフェース

などが含まれています。

受信したIPパケットのルーティングを行うためのルート情報として、IPアドレ
スの送信先IPアドレスと各ルート情報のサブネットマスクの長さまでのビット
が一致するかをチェックします。サブネットマスクの長さまでのビットが一致
すれば、そのルート情報をパケットのルーティングに利用することができます。
もし、一致する複数のルート情報があれば、一致しているビット数が最も多い
ルート情報が採用されます。

このようなルーティングテーブルのルート情報の検索のルールがロンゲストマ
ッチです。

ロンゲストマッチの例

次のネットワーク構成でロンゲストマッチの例を考えます。

この例では、ルート集約を行っていません。ルータR1のルーティングテーブル
には、192.168.1.0/24、192.168.2.0/24、192.168.3.0/24、192.168.4.0/24の
4つのルート情報が載せられています。
R1に送信先IPアドレスが192.168.1.1のパケットが到着すると、ルート情報の
サブネットマスクのビット数までのチェックを行います。すると、192.168.1.0/24
のルート情報に一致するので、この情報に従ってパケットをルーティングし
ます。なお、他のルート情報にはマッチしません。

次にルート集約が行われて、192.168.1.0/24、192.168.2.0/24、192.168.3.0/24、
192.168.4.0/24のネットワークアドレスが192.168.0.0/16に集約されたとしま
す。
R1に送信先IPアドレスが192.168.1.1のパケットが到着すると、同じようにル
ート情報のサブネットマスクのビット数までチェックします。192.168.0.0と
16ビット目まで一致しているので、このルート情報でパケットをルーティング
することができます。

もし、集約ルートと集約前のルートが混在している場合は、集約前のルートの
方がIPパケットの送信先IPアドレスとより一致するビット数が多くなります。
そのため、集約前のルート情報を利用してパケットをルーティングします。


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