IPアドレッシングを基本から復習しましょ! その3

ネットワークアドレスとホストアドレスのルール

32ビットのIPアドレスは、ネットワークアドレスとホストアドレスによって構
成されます。アドレスのクラスによって、ネットワークアドレスとホストアド
レスの区切りが決まるということでしたね。

このネットワークアドレスとホストアドレスにはルールがあります。それは、

「すべてのビットが「0」またはすべてのビットが「1」はインタフェースに設
定するIPアドレスとしては使えない」

というルールです。

たとえば、クラスAであれば、先頭は「0」固定で7ビットをがネットワークア
ドレスのビットです。この7ビットが全部「0」あるいは全部「1」は普通のIP
アドレスとしてインタフェースに設定できないということです。これらは、特
殊な用途に予約されています。クラスAでネットワークアドレスのビットが全
部「0」になるのは、デフォルトルートとして予約されています。デフォルト
ルートは全ネットワークアドレスを示す特殊なアドレスです。
そして、クラスAでネットワークアドレスのビットが全部「1」になるのは、そ
のホスト自身を示すループバックアドレスとして予約されています。ループバ
ックアドレスの形は「127.0.0.1」のようになります。

※他にも特殊な用途に予約されているIPアドレスがあります。RFC3330に詳しく
載せられています。
RFC3330 「Special-Use IPv4 Addresses」
http://www.ietf.org/rfc/rfc3330.txt

また、ホストアドレスのビットがすべて「0」は、ネットワークを表現するネ
ットワークアドレスです。そして、ホストアドレスのビットがすべて「1」は、
そのネットワーク上のすべてのホスト宛のブロードキャストアドレスを意味し
ます。

ネットワークアドレスやホストアドレスの数を計算するときに、ビット数を「n」
とすると「2^n-2」としていました。この「-2」はすべてのビットが「0」のと
きとすべてのビットが「1」のときが利用できないことを示しています。

クラスの問題点

クラスによって、大規模・中規模・小規模とネットワークの規模に応じたアド
レッシングを可能にしていますが、とても大雑把だと言えます。
クラスAのネットワークには、1600万台以上のホストを接続できる計算ですが
そんなにも多くのホストを接続するネットワークはあんまり考えられないです
ね。クラスBだと65534台です。これでもかなり多すぎるような感じです。一方、
クラスCは254台とずいぶんと少なくなってしまいます。

クラスでネットワークアドレスとホストアドレスを8ビット単位に区切ったの
は、あんまり深く考えずにわかりやすくするためだったそうです。IPアドレス
の表記が8ビット単位で10進数に変換するから、それに合わせたのでしょう。
ただ、そのため、非常に大雑把なIPアドレスの割り当てになってしまい、無駄
が多くなります。クラスAのネットワーク内では利用されていないIPアドレス
がたくさんある一方、クラスCではIPアドレスが足りない・・・
それに、インターネットが普及するにしたがって、IPアドレスの無駄がより顕
著になり、ついにはIPアドレスの枯渇が心配されるようになっています。

クラスフルアドレッシングとクラスレスアドレッシング

クラスの考え方にしたがって、ネットワークアドレスとホストアドレスの区切
りを8ビット単位にしているアドレッシングを「クラスフルアドレッシング」
といいます。
前述のように、クラスフルアドレッシングは非常に大雑把に考えているので、
アドレスの利用効率が悪いです。その結果、アドレスの枯渇が心配されるよう
になって来ました。

クラスの考え方にとらわれると、アドレスの利用効率が悪くなるわけです。で
は、アドレスの利用効率をよくしようと思えば、クラスの考え方にとらわれな
いようにすればいいです。クラスの考え方にとらわれないアドレッシングを「
クラスレスアドレッシング」といいます。
クラスレスアドレッシングでは、ネットワークアドレスとホストアドレスの区
切りが必ずしも8ビット単位になるわけでありません。ネットワークアドレス
とホストアドレスの区切りを柔軟に考えることで、IPアドレスの利用効率を高
めることができます。


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