IPアドレッシングを基本から復習しましょ! その6

サブネッティングの定義

クラスレスアドレッシングのうち、まずはサブネッティングから解説します。
サブネッティングの定義は、下記の通りです。

「1つのメジャーネットワークを複数のサブネットに分割すること」

ここでいう「メジャーネットワーク」とは、クラス単位で考えているネットワ
ークアドレスです。つまり、サブネッティングとはクラスAやクラスB、クラス
Cのネットワークアドレスを複数に分割することです。

それと、「サブネット」という言葉について、けっこう混乱しがちです。サブ
ネットの意味は、次の2通りで使われることが多いです。

1.分割したネットワークを表す
2.ルータで区切られるネットワークを表す

2.の意味のように、「サブネット」という言葉で、分割されている、されてい
ないに関わらず単純にひとつのネットワークを表すこともあります。この2つ
の意味に明確な使い分けはありませんので、前後の文脈からどちらの意味で使
っているのかを判断します。

サブネッティングの方法

では、どうやってサブネッティング、つまり1つのメジャーネットワークを複
数のサブネットに分割するのでしょう?

サブネットに分割するためには、分割したサブネットを識別できるようにしな
ければいけません。サブネットを識別するために、ホストアドレスのビットの
一部を使います。この部分をサブネット部と言います。

メジャーネットワークの元々のネットワークアドレスとサブネット部のビット
で、分割されてできたサブネットを表す新しいネットワークアドレスとします。
サブネットを識別するために利用するホストアドレスは、ビットの上位から使
います。そのため、サブネッティングするということは、ネットワークアドレ
スとホストアドレスの区切りを右にずらすことになります。

サブネット部として、nビット使うとします。つまり、サブネットマスクを右
にnビットずらすとします。
すると、1つのメジャーネットワークは、

2^n

のサブネットに分割することができます。

ここで、「2^-2じゃないの?」って思う方もいらっしゃるでしょう。以前は、
サブネット部のビットすべて「0」とすべて「1」を除外していたのですが、現
在はサブネット部のビットすべて「0」とすべて「1」も使っています。サブネ
ット部のビットすべて「0」のサブネットのことを特にゼロサブネットと言い
ます。Ciscoルータでは、ip subnet-zeroという設定がゼロサブネットの利用
を許可するためのコマンドで、デフォルトでこのコマンドが入っています。

FLSM(Fixed Length Subnet Mask)とVLSM(Variable Length Subnet Mask)

また、サブネッティングには、2つの種類があります。その2つの種類は、次の
通りです。

  • FLSM(Fixed Length Subnet Mask)
  • VLSM(Variable Length Subnet Mask)

この2つの違いは、分割した各サブネットのサブネットマスクをどう考えるか
という点にあります。

FLSMは、分割した各サブネットのサブネットマスクをすべて同じにしなければ
いけないという制約があるサブネッティングの手法です。一方、VLSMは分割し
た各サブネットごとに柔軟にサブネットマスクを変えることができるサブネッ
ティングの手法です。

FLSMとVLSMにはそれぞれメリットとデメリットがあります。どちらか一方だけ
というわけではなく、メリットとデメリットを考えて両方をうまく利用してサ
ブネッティングを行います。


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