無線LANでの家庭内LANの構築

ノートパソコンにはたいてい無線LANの機能が備わっているので、家庭内LANで
無線LANを利用している方も多いでしょう。無線LANは便利なのですが、ちょっ
と注意した方がよいです。注意するべきこととして、

  • セキュリティ
  • 通信環境
  • 利用可能な帯域幅

などがあります。

前回、セキュリティについて扱いました。今回は、無線LANの通信環境につい
て見ていきましょう。

無線LANの通信環境

無線LANは伝送媒体として電波を利用しています。「0」「1」のビットを電波
で表現できるように変換(符号化)して、それを搬送波という電波に載せて送出
します。電波は空気中を伝わっていきますが、その際、ノイズ(電波干渉)、電
波の遮蔽物、距離によって影響を受けることになります。
ノイズや電波の遮蔽物があれば正しく無線LANで正しく通信ができなくなって
しまうことがあります。また、無線LANアクセスポイントと無線LANクライアン
トの距離が長ければ、通信速度が下がってしまいます。

無線LANできちんと通信をするためのポイントは、

  • ノイズ(電波干渉)
  • 電波の遮蔽物
  • 距離

です。

企業向けの無線LANを構築するときは、設計時に実際に構築する現場にいき、
かなりの時間をかけて、これらを考慮した無線LANアクセスポイントの台数や
配置を検討します。このような作業を「サイトサーベイ」と言ったりします。
家庭内で無線LANを構築するときは、そんなに厳密にサイトサーベイを意識し
なくてもいいと思いますが、上記の3つのポイントを押さえておいてください。

<ノイズ(電波干渉)について>
無線LANで利用する電波は、IEEE802.11b/gなら2.4GHz帯、IEEE802.11aなら5GHz
帯です。「帯」といっているのは、2.4GHzもしくは5GHzを中心としたある幅の
周波数を利用しています。利用する周波数をチャネルとして定義して、無線LAN
アクセスポイントとクライアントで共通のチャネルの周波数で通信を行います。
もし、複数のアクセスポイントを近くに設置して同じチャネルを利用してしま
うと、電波の干渉によって無線LANの通信を正しく行えなくなってしまうこと
があります。
家庭向けの製品は、空いているチャネルを検出して自動設定するので、あんま
り気にしなくても大丈夫といえば大丈夫なのですが、知っておいた方がいいで
す。
また、家庭内で無線LANを利用しているときのノイズ源として、電子レンジが
あります。電子レンジを利用すると、IEEE802.11b/gの周波数帯と同じ2.4GHz
帯の電波(電磁波)が発生するので無線LANの通信に影響します。電子レンジの
そばに無線LANの通信をしないように気をつけましょう。

<電波の遮蔽物について>
家庭内で一番考えられる電波の遮蔽物は、「壁」や「天井・床」です。無線LAN
の電波は壁や天井・床も透過して伝わっていきますが、材質や厚さなどによっ
てどの程度伝わっていくかが異なります。
壁や天井・床越えで無線LANの通信ができないことはありませんが、伝送速度
が低下するなどの影響があります。
安定した無線LANの通信を行うためには、アクセスポイントを分けて、壁や天
井・床越えで通信しないようにした方がいいです。

複数のアクセスポイントを設置する場合、クライアントが接続するアクセスポ
イントをシームレスに切り替えられるようにローミングの設定をしましょう。
ローミングについては、またあらためて解説しますが、複数のアクセスポイン
トで共通のSSIDを設定し、クライアント側でそのSSIDを指定して無線LANに接
続するようにします。

<距離について>
無線LANの通信はアクセスポイントとクライアントの距離が離れれば離れるほ
ど、速度が低下します。その速度は連続的に低下するのではなく、54Mbpsの次
は48Mbps、36Mbps・・・といった具合に不連続に速度が低下します。どれぐら
い離れたら、速度が低下するかは電波の出力強度などでも変わってきます。で
きるだけ、最大の伝送速度で通信できるように無線LANアクセスポイントとク
ライアントの距離はあまり離れすぎないようにした方がいいです。その意味で
も、やはり壁や天井・床越えはなるべく避けた方がいいです。

以上、無線LANの通信環境を踏まえて、家庭内の無線LANの構成のポイントは、

  • 電子レンジには気をつけよう!
  • 壁や天井・床越えしないようにアクセスポイントを分散させよう!
  • 伝送速度が最大になるようにアクセスポイントとクライアントの距離に注意しよう!
  • アクセスポイントを分散した場合は、ローミングでアクセスポイント
    の切り替えをシームレスに!

です。


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