無線LAN 集中管理型無線LANソリューション その3

Lightweightアクセスポイントの起動プロセス

Lightweightアクセスポイントを有線LANに接続して、WLCとの間にL3 LWAPPト
ンネルを確立するまでのプロセスを見ていきましょう。前述のように、LWAPP
トンネルを確立するためには、

  • Lightweightアクセスポイント自身のIPアドレス
  • WLCのIPアドレス

の情報が必要です。

Lightweightアクセスポイント自身のIPアドレスは、スタティックにIPアドレ
スを設定することもできますが基本的にDHCPサーバから取得します。IPアドレ
スを取得したあとLWAPPのプロセスが開始されます。
IPアドレスの取得も含めたLightweightアクセスポイントをLANに接続してから
のプロセスは、次のようになります。

1.DHCPサーバからIPアドレスを取得

図 18 DHCPサーバからIPアドレスを取得

2.LWAPP Discovery RequestをWLCに送信してWLCを検索
WLCのIPアドレスは次のようにして取得します

  • ローカルサブネットにLWAPP DiscoveryをブロードキャストしてWLCを検索
  • OTAP(Over the Air Provisioning)によって、すでにWLCにJoinしている
    LightweightアクセスポイントからWLCのIPアドレスを学習してWLCを検索
  • NVRAM上に保存されている以前JoinしたWLCのIPアドレスでWLCを検索
  • DHCP Option 43で通知されたWLCのIPアドレスでWLCを検索
  • DNSでCISCO-LWAPP-CONTROLLERのホスト名に対する名前解決を行いWLCのIP
    アドレスを取得して検索

もし、WLCを検索できなかった場合、Lightweightアクセスポイントは自動的
に再起動します。

3.WLCはLightweightアクセスポイントからのLWAPP Discoveryに対して
LWAPP Discover Responseを送信
LWAPP Discovery Responseには、次の情報が含まれています

  • WLCのシステム名
  • WLCのタイプ
  • コントローラのAPキャパシティと現在の負荷
  • マスターコントローラフラグ
  • AP ManagerインタフェースのIPアドレス

図 19 LWAPP Discovery

4.Lightweightアクセスポイントは、JoinするWLCを選択してLWAPP Join Request
を送信
WLCの選択は次の順番の優先度で行います。

  • Lightweightアクセスポイントには、JoinすべきPrimary/Secondary/Tertiary
    のWLCを登録することができます。アクセスポイントにJoinするWLCの設定
    が行われている場合は、そのWLCを選択します。
  • マスターコントローラフラグを見てマスターコントローラであるWLCを選
    択します。
  • 最も余剰のキャパシティが大きいWLCを選択します。

5.WLCはLWAPP Join ResponseをLightweightアクセスポイントに送信
LightweightアクセスポイントからLWAPP Join RequestにはX.509デジタル証
明書が含まれています。そのデジタル証明書が有効なものであれば、
LWAPP Join Responseを返します。

6.LightweightアクセスポイントはLWAPP Join Responseを受信してWLCのデジ
タル証明書を確認して、LWAPPのプロセスが完了。LWAPPトンネルが確立される

図 20 LWAPP Join

7.LWAPPトンネルを介してIOS、設定情報をダウンロードしてLightweightアク
セスポイントの起動が完了

図 21 Lightweightアクセスポイントの起動完了

※複数のWLCでモビリティグループを構成することができます。モビリティグ
ループ内で1つのマスターコントローラを選出します。