10BASE-T、100BASE-TXのカスケード接続

10BASE-Tのカスケード

10BASE-Tでは、通信相手との間で経由することができるハブの台数は4台までです。

図で、コンピュータAからコンピュータEへの通信を考えます。このときは、

コンピュータA→HUB1→HUB2→HUB3→HUB4→コンピュータE

というようにデータが伝わっていきます。間には4台のハブを経由しているので、この場合は制限ぎりぎりですが通信を行うことができます。

しかし、コンピュータAからコンピュータDへの通信では、

コンピュータA→HUB1→HUB2→HUB3→HUB4→HUB5→コンピュータD

のように間に5台のハブを経由してしまいます。4台までという制限を越えているのでこの場合はただしく通信できなくなってしまうことがあります。絶対にできないというわけではないのですが、必ず通信できるという保証がなくなります。ネットワークを設計する上では、規格を超えた設計は避けるべきです。

100BASE-TXのカスケード

100BASE-TXでは、10BASE-Tよりも制限が厳しくなっていて通信相手との間で経由できるハブの数は2台までです。

図で、コンピュータAからコンピュータCへの通信では、

コンピュータA→HUB1→HUB2→コンピュータC

のように間に経由しているハブは2台なので通信を行うことができます。

しかし、コンピュータAからコンピュータDでは、

コンピュータA→HUB1→HUB2→HUB3→コンピュータD

というように間に3台のハブを経由しています。このとき、必ず通信できるという保証がなくなってしまいます。

なぜカスケード接続に制限があるのか?

こういった経由するハブの台数の制限がなぜあるのか?ということですが、これは正確に衝突を検出するためにあります。

ハブの機能については、またあらためて説明しますが入ってきた信号を増幅して他のポートに送信するという役割りがあります。その際に、ある程度時間がかかってしまいます。(このことを遅延といいます)

たとえば、10BASE-Tのときの図でコンピュータAがデータを流しました。コンピュータAは流し終わったんですが、ハブをたくさん経由すると遅延が蓄積してしまいます。このときに、コンピュータDがキャリアセンスを行うと、まだHUB5にまでデータが伝わっていなくて、データを送信しても大丈夫と思ってしまうようになります。そして、Dがデータを送信してしまうと、Aからのデータと途中で衝突を起こしてしまうということが考えられます。Aではもう送信し終わったつもりなのに、実は衝突を起こしてデータが正常に送れていないということになってしまいます。こういったことが起こらないように、経由できるハブの台数が決められています。

しかし、スイッチ(スイッチングハブ)を使う場合はこのような台数の制限はありません。詳しいことは、またあらためてネットワーク機器の話のときに・・・

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