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(所属カテゴリー:ネットワーク機器---投稿日時:2001年2月25日)
ブリッジはコリジョンドメインを分割しますが、ブロードキャストドメインは分割できませんでした。ブロードキャストドメインを分割することができるネットワーク機器が「ルータ」です。
ブロードキャストのフレームに対するブリッジとルータの動作の違いを図に示します。
ブロードキャストのフレームは、あて先MACアドレスにブロードキャストアドレス、つまり「FF-FF-FF-FF-FF-FF」と入っています。
ブリッジはこのブロードキャストの場合は入ってきたポート以外のすべてのポートに転送します。このことをフラッディングと呼んでいましたね。それに対して、ルータではこのフレームを他のポートに転送しません。転送しないことによってブロードキャストドメインの分割を行っているわけですね。
ブロードキャストドメインを分割することのメリットは、ネットワークのパフォーマンスをあげることにあります。ブリッジで起こってしまうようなブロードキャストストームは論外ですが、それ以外にもブロードキャストはネットワーク上のすべてのコンピュータに負担をかけてしまうという欠点がありましたよね?ブロードキャストドメインを分割することによって、ブロードキャストが届く範囲を制御してネットワークのパフォーマンスをあげることになります。
さて、ブロードキャストドメインという言葉の意味ですが、以前も何度か出きました。そのまま考えればいいわけですが、「ブロードキャストが届く範囲」です。まだわかりにくいですね・・・もっと言い換えれば、「直接通信できる範囲」がブロードキャストドメインです。
ブロードキャストが届くということは、ARPの要求が届くということになります。ARP要求によって、通信相手のMACアドレスがわかりそれをあて先のMACアドレスとして、LANフレーム(たとえばイーサネットフレーム)を作成することができるわけですね。
しかし、ルータが間に入るとブロードキャストが届かないのでARP要求が届きません。つまりこの場合は、通信相手のMACアドレスがわからないので、LANフレームを作ることができなくなってしまいます。
どうするか?というと、間に入ったルータが「ルーティング」を行ってあて先までデータを送ってくれるわけですね。会社のパソコンのネットワークを設定するときに、「デフォルトゲートウェイ」を行ったことがあると思います。このデフォルトゲートウェイこそルータです。(名前ややこしいですよね。なんか、慣習的にこのように呼ばれているらしいですけど・・・)
そして、ルーティングという機能が「ルータはOSI第3層のネットワーク層で動作する」ということに、とてもとても深い関係を持っているんです!
なお、ブロードキャストドメインはルータだけでなくスイッチによっても分割することができます。スイッチによって仮想的にブロードキャストドメインをわけるということで「仮想LAN(Virtual LAN:VLAN)」と呼ばれます。VLANについては、スイッチの説明のときに触れますね。