フレームリレーその1 概要

ネットワークの規模が大きくなってくると・・・

企業のネットワークが成長して、全国にたくさんの拠点ができるようになってくると、当然、その拠点同士も接続しなくてはいけなくなります。たくさんの拠点を専用線で接続するとすると、次のような問題が起こってきます。

・必要となる回線数の増加
・コストの増大

この2つの問題点がどのようなものかを順に見ていきましょう。

回線数の増加

もしも、拠点間をお互いに直接通信できるようにメッシュ型に接続すると、そのために必要となる回線は、膨れ上がります。たとえば、5つの拠点があれば、メッシュ型に接続するためには10本の専用線が必要となります。拠点が6つに増えると15本の専用線、10拠点であれば45本という具合に、拠点数に応じて必要となる回線の数が跳ね上がってきます。

一般に拠点がN個あるとすると、数学の簡単な組み合わせを考えれば、

N(N-1)/2

本の回線が必要です。Nの2乗のオーダーで回線数が増えていきます。

回線が増えると、接続するために設置しなければいけないルータも変更しないといけないかもしれません。そのようなネットワーク構成は、拡張性があるとは到底いえません。

コストの増大

必要な回線の増加は、もちろんコストの増加にもつながってきます。回線の数が増えれば増えるほど、その分多くのコストがかかります。また、コストは回線の数だけではありません。専用線の料金体系は、

・拠点間の距離
・契約する帯域幅

によって決まってきます。ですから、全国各地の拠点を接続しようとすると、拠点間の距離が非常に大きくなってしまって、莫大なコストになってしまいます。

ですから、必然的に専用線でネットワークを構築するときは、メッシュ型の構成というのは、あまり現実的ではないことがあります。専用線の数とコストを押さえるために、たとえば、東日本の拠点は東京に接続して、西日本の拠点は大阪に接続して、大阪と東京を接続するといった感じで、階層型のハブアンドスポークトポロジにします。



ですが、すぐに想像がつくように東京と大阪の専用線に障害が発生すると、もう東日本の拠点と西日本の拠点はお互いに通信できなくなってしまいます。このようなネットワークは、ある拠点の障害が及ぼす影響が非常に広い範囲にわたってしまうことになります。

また、中心となる東京や大阪といった拠点では負荷が集中してしまいます。新しく拠点を追加するときには、中心となる拠点の回線速度やネットワーク機器の処理性能を考えなくてはいけなくなってしまいます。このようなネットワークもやはり、拡張性があるネットワークとはいいがたいです。

フレームリレーを利用すると

フレームリレーを利用すると、全国各地の拠点を接続し、効率のよい拡張性の高いネットワークを構築することができます。

2002年現在、企業のネットワークの多くはフレームリレーによって接続されています。もっとも、今後はフレームリレーではなくてIP-VPNや広域イーサネットが主流になっていくようですが、まだまだ当分はフレームリレーがなくなることはないでしょう。テクニカルエンジニア(ネットワーク)でもよく出題されています。

次回以降、フレームリレーについてもう少し詳しく紹介していきます。

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