Ciscoルータでのフレームリレー設定

(所属カテゴリー:WAN | シスコ---投稿日時:2006年2月20日)

設定の概要

Ciscoルータでのフレームリレーの設定は非常にシンプルです。基本的なフレ ームリレーの設定は、

・カプセル化
・フレームリレーマップ

の2つです。追加の設定として他に、

・LMIタイプ
・サブインタフェース
・Frame Relay Traffic Shaping(FRTS)

などの設定もあります。

基本的な設定の流れは、カプセル化の設定をして、フレームリレーマップの設 定を行います。ただし、必須の設定は、カプセル化のみです。フレームリレー マップもデフォルトでInverse ARPが有効なので、特別な設定は必要ないケー スがほとんどです。もし、Inverse ARPでIPアドレスとDLCIをマッピングでき ないときは、手動でのフレームリレーマップの設定を行います。LMIタイプな どその他の設定についても、オプションで必要に応じて行います。

以降では、

・カプセル化
・フレームリレーマップ
・LMIタイプ

の設定について、具体的なコマンドを紹介します。

※FRTS(Frame Relay Traffic Shaping:フレームリレートラフィックシェイピ ング)は、CCNP BCRANで扱う内容です。

カプセル化

フレームリレーのカプセル化を有効にするには、インタフェースコンフィグレ ーションモードで次のコマンドを使います。

(config-if)#encapsulation frame-relay [ietf]

このコマンドにより、ルータはFRADとしてカプセル化を設定したインタフェー スからパケットを出力するときに、フレームリレーのフォーマットにしたがっ てパケットを送信したり受信したりすることができます。

カプセル化タイプには、「Cisco」と「IETF」の2つの種類がありデフォルトは 「Cisco」です。この2つのカプセル化タイプには互換性がありません。フレー ムリレー網に接続するリモート側のルータもCiscoルータであればデフォルト の「Cisco」でかまいません。しかし、リモート側のルータがCisco以外のルー タのときには「IETF」のカプセル化を行う必要があります。「IETF」のカプセ ル化を行うには、encapsulation frame-relayのあとにietfのオプションをつ けます。フレームリレーのカプセル化の設定は、show interfacesコマンドで 確認できます。

フレームリレーマップ

デフォルトでInverse ARPが有効です。Inverse ARPによってPVCの対向側のIP アドレスとローカルのDLCIをダイナミックにマッピングすることができます。
もし、Inverse ARPを無効にしたいときは、インタフェースコンフィグレーシ ョンモードで次のコマンドを入力します。

(config-if)#no frame-relay inverse-arp

※オプションでInverse ARPを無効にするDLCIやレイヤ3プロトコルを指定する こともできます。

Inverse ARPを再度有効にする場合は、

(config-if)#frame-relay inverse-arp

のコマンドを入力します。
Inverse ARPで注意しなければいけないことは、あらかじめPVCが確立していな いとIPアドレスとDLCIのマッピングを行えないということです。たとえば、下 の図のようなハブ&スポークトポロジで、ルータBとルータC間などのスポーク ルータ間ではPVCが確立していません。この場合、Inverse ARPではお互いのIP アドレスとローカルDLCIのマッピングを行うことは不可能です。IPアドレスと DLCIのマッピングができなければ、フレームリレーヘッダを作ることができな いので、スポーク間の通信を行うことができなくなります。

Inverse ARPでIPアドレスとDLCIのマッピングを行うことができない場合の解 決方法として、スタティックのマッピングを設定します。スタティックにIPア ドレスとDLCIのマッピングを行うには、インタフェースコンフィグレーション モードで次のコマンドを入力します。

(config-if)#frame-relay map ip {ip-address} {dlci} [broadcast] [ietf]

※レイヤ3プロトコルとしてIPv4だけを考えています。実際には、IPv6やIPXな ど他のレイヤ3プロトコルのマッピングも設定可能です。

オプションのbroadcastは擬似ブロードキャスト機能の設定です。broadcastオ プションを設定している場合、マップのDLCIに送信先IPアドレスがブロードキ ャスト/マルチキャストアドレスのパケットを送信できるようになります。な お、frame-relay mapコマンドでスタティックにIPアドレスとDLCIのマッピン グを設定した場合、そのDLCIに対するInverse ARPは自動的に無効になってし まいます。そのため、ハブ&スポークトポロジでは下記の図にあるように、 frame-relay mapコマンドで通信したいすべてのIPアドレスに対して、スタテ ィックにDLCIとIPアドレスのマッピングを設定することが一般的です。

また、ポイントツーポイントサブインタフェースでは、次のコマンドでDLCIの マッピングを行います。

(config-sub-if)#frame-relay interface-dlci {dlci}

※ポイントツーポイントサブインタフェースだけのコマンドではありません。 マルチポイントサブインタフェースや通常のメジャーインタフェースでも FRTSの適用等で上記のコマンドを利用します。

ポイントツーポイントサブインタフェースは、1対1の接続なのでレイヤ3アド レスを特に指定する必要がありません。そこで、frame-relay interface-dlci コマンドで、「このインタフェースからは必ずこのDLCIでフレームリレーのヘ ッダを付加して出力する」という設定を行います。

Inverse ARPでダイナミックにマッピングしたIPアドレスとDLCI、frame-relay map コマンドでスタティックに設定したIPアドレスとDLCI、frame-relay interface-dlci コマンドでポイントツーポイントサブインタフェースに対応するDLCIを決めた 情報はすべて、show frame-relay mapで確認できます。

LMIタイプ

Ciscoルータでは、IOS11.2以降のリリースでLMIタイプを自動的に検出するの で、通常はLMIタイプを設定するコマンドは必要ありません。もし、手動でLMI タイプを設定する場合は、インタフェースコンフィグレーションモードで次の コマンドを入力します。

(config-if)#frame-relay lmi-type {ansi | cisco | q933a}

なお、下記のようにLMIタイプごとに利用するDLCIが決まっています。

・Cisco(DLCI=1023)-デフォルト
・ANSI(DLCI=0)
・Q933a(DLCI=0)

LMIタイプを確認するには、show interfacesコマンドを使います。

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