IPマルチキャスト マルチキャストアドレス

(所属カテゴリー:マルチキャスト---投稿日時:2007年3月25日)

レイヤ3のマルチキャストアドレス

アドレスは階層ごとにきちんと考えていくことが大事です。まず、マルチキャ ストで利用するレイヤ3のアドレスを見ていきましょう。

レイヤ3のマルチキャストアドレスは、クラスDのIPアドレスです。クラスDの IPアドレスはIPマルチキャストアドレスと呼ぶこともあります。クラスDのIP アドレスは32ビットのビット列の先頭4ビットが「1110」で始まります。残り 28ビットでマルチキャストグループを識別するという構成です。

ドット付き10進標記で考えると、マルチキャストアドレスは次のとおりです。

「224.0.0.0~239.255.255.255」

たくさんのマルチキャストアドレスがありますが、マルチキャストを利用して データを送信する範囲(スコープ)によって、次の分類があります。

  • リンクローカル
  • グローバルスコープ
  • ローカル(プライベート)スコープ

リンクローカルマルチキャストアドレス

リンクローカルマルチキャストアドレスとは、同じサブネット上でルーティン グプロトコルなどの制御情報を送信するために利用するアドレスです。リンク ローカルマルチキャストアドレスが指定されているマルチキャストパケットの TTLは1です。そのため、たとえマルチキャストルーティングが有効なルータで もルーティングしません。
リンクローカルマルチキャストアドレスの範囲は、次のとおりです。

  • 224.0.0.0~224.0.0.255

リンクローカルマルチキャストアドレスは予約されています。主な予約済みの リンクローカルマルチキャストアドレスは次のとおりです。

  • 224.0.0.1 サブネット上の全マルチキャスト対応ホスト
  • 224.0.0.2 サブネット上の全ルータ
  • 224.0.0.5 全OSPFルータ
  • 224.0.0.6 全OSPF DR/BDR
  • 224.0.0.9 全RIPv2ルータ
  • 224.0.0.10 全EIGRPルータ
  • 224.0.0.18 全VRRPルータ

グローバルスコープ、プライベートスコープ

リンクローカルマルチキャスト以外のアドレスは、さまざまなアプリケーショ ンが利用するマルチキャストグループアドレスです。その中で、グローバルス コープのマルチキャストアドレスは次のとおりです。

  • 224.1.0.0~238.255.255.255

グローバルスコープのマルチキャストアドレスは、インターネット上で利用で きるアプリケーションなどさまざまなアプリケーションのために定義されてい ます。残りのマルチキャストアドレスがプライベートスコープです。

  • 239.0.0.0~239.255.255.255

プライベートスコープは、組織内のネットワーク(プライベートネットワーク) での利用を想定しているマルチキャストグループアドレスです。

レイヤ2のマルチキャストアドレス

イーサネットのアドレス情報としてMACアドレスがあります。MACアドレスにも マルチキャストのアドレスがあります。
マルチキャストのMACアドレスはI/G(Individual/Group)ビットが「1」である アドレスです。I/Gビットは、MACアドレスの先頭1バイト目の最下位ビットで す。

マルチキャストのMACアドレスも非常にたくさんあります。その中でIPマルチ キャストアドレスに対応付けられているMACアドレスが定義されています。
IPマルチキャストアドレスに対応付けられるMACアドレスは、先頭から25ビッ トが「0000 0001 0000 0000 0101 1110 0」というビットです。残り23ビット はIPマルチキャストアドレスの下位23ビットという構成です。定義されている 25ビットのうち24ビット分を16進数で考えると「01-00-5E」となります。
下記の図は、IPマルチキャストアドレスとMACアドレスの対応関係を示したも のです。

具体的にIPマルチキャストアドレスとそれに対応するMACアドレスの例を考えます。

(1) 239.1.1.1
→01-00-5E-01-01-01
(2) 224.1.2.3
→01-00-5E-01-02-03
(3) 239.129.1.1
→01-00-5E-01-01-01
(4) 225.1.2.3
→01-00-5E-01-02-03

(1)の239.1.1.1に対するMACアドレスと(3)の239.129.1.1に対するMACアドレス が同じものになりました。同様に(2)と(4)のIPマルチキャストアドレスに対す るMACアドレスも同じです。

このようにIPマルチキャストアドレスとMACアドレスは1対1に対応付けられる わけではないので、注意してください。IPマルチキャストアドレスは28ビット でグループを識別することができるのに対して、MACアドレスでは23ビット分 のみです。失われた5ビット分のIPマルチキャストアドレスが1つのMACアドレ スに対応付けられます。5ビット失われているので、IPマルチキャストとMACア ドレスは32対1の対応です。

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