Ciscoルータでのディストリビューションツリーの表記
Ciscoルータでディストリビューションツリーがどのように表されるかを見ま しょう。前述のようにディストリビューションツリーには次の2つの種類があ ります。
- 送信元ツリー
- 共有ツリー
上記のツリーごとにCiscoルータでのディストリビューションツリーのエント
リの表記がことなります。送信元ツリーは(S,G)という形で表記されます。そ
して、共有ツリーは(*,G)という形で表記されます。
送信元ツリーの「S」はSource、つまりマルチキャストソースのIPアドレスで
す。共有ツリーではこの部分が「*」になっています。複数のマルチキャスト
ソースで共通のツリーが共有ツリーだからです。そして、「G」はGroup、つま
りマルチキャストグループアドレスを示しています。具体的な送信元ツリーは、
たとえば、(192.168.1.1,239.1.1.1)などのようになります。共有ツリーは
(*,239.1.1.1)という具合です。
※(*,G)は、共有ツリーとしての意味以外に(S,G)のツリーのテンプレートとし ての意味もあります。
(*,G)、(S,G)で表すディストリビューションツリーには共通した情報が含まれ ています。それは、次の2つです。
- IIF(Incoming Interface)
- OIL(Outgoing Interface List)
IIFは、その名前のとおり、マルチキャストパケットの入力インタフェースで
す。IIFに記述されているインタフェースがRPFインタフェースです。IIFのイ
ンタフェース以外で受信したマルチキャストパケットは、RPFチェックで失敗
し破棄されます。また、IIFの方向のマルチキャストルーティングプロトコル
のルータがRPFネイバーの部分に入ります。
OILも名前のとおり、マルチキャストパケットを出力するインタフェースのリ
ストです。マルチキャストパケットを出力するインタフェースということは、
ルータがOILの先にマルチキャストレシーバが存在している(かもしれない)と
認識していることになります。RPFチェックに成功したマルチキャストパケッ
トをOILのインタフェースに出力します。なお、原則としてIIFのインタフェー
スがOILに含まれることはありません。つまり、マルチキャストパケットのル
ーティングでは、原則としてマルチキャストパケットを受信したインタフェー
スから出力することはありません。(例外はあります)
ディストリビューションツリーの以上のような情報をもう少しわかりやすく考 えましょう。送信元ツリーは、
- 特定のマルチキャストソースから送信されたマルチキャストパケット(S,G)を
- どのインタフェースで受信(IIF)して
- どのインタフェースに出力(OIF)すべきか
ということを表しています。
そして共有ツリーは、
- マルチキャストソースのIPアドレスは特に意識せずマルチキャストパケット(*,G)を
- どのインタフェースで受信(IIF)して
- どのインタフェースに出力(OIL)すべきか
ということを表しています。
Ciscoルータでディストリビューションツリーを確認するためには、show ip m
routeコマンドを使います。下記はshow ip mrouteコマンドの例です。
ユニキャストルーティングテーブルを確認するshow ip routeとよく似た show ip mrouteコマンドで確認します。そのため、ディストリビューションツ リーはマルチキャストルーティングテーブルと呼ぶこともよくあります。
ディストリビューションツリーは、前述のように
- IGMP
- マルチキャストルーティングプロトコル
- マルチキャストソースからのデータ送信
によって、作成されています。







