マルチキャストルーティングの仕組み その4

(所属カテゴリー:マルチキャスト---投稿日時:2007年4月 7日)

Ciscoルータでのディストリビューションツリーの表記

Ciscoルータでディストリビューションツリーがどのように表されるかを見ま しょう。前述のようにディストリビューションツリーには次の2つの種類があ ります。

  • 送信元ツリー
  • 共有ツリー

上記のツリーごとにCiscoルータでのディストリビューションツリーのエント リの表記がことなります。送信元ツリーは(S,G)という形で表記されます。そ して、共有ツリーは(*,G)という形で表記されます。
送信元ツリーの「S」はSource、つまりマルチキャストソースのIPアドレスで す。共有ツリーではこの部分が「*」になっています。複数のマルチキャスト ソースで共通のツリーが共有ツリーだからです。そして、「G」はGroup、つま りマルチキャストグループアドレスを示しています。具体的な送信元ツリーは、 たとえば、(192.168.1.1,239.1.1.1)などのようになります。共有ツリーは (*,239.1.1.1)という具合です。

※(*,G)は、共有ツリーとしての意味以外に(S,G)のツリーのテンプレートとし ての意味もあります。

(*,G)、(S,G)で表すディストリビューションツリーには共通した情報が含まれ ています。それは、次の2つです。

  • IIF(Incoming Interface)
  • OIL(Outgoing Interface List)

IIFは、その名前のとおり、マルチキャストパケットの入力インタフェースで す。IIFに記述されているインタフェースがRPFインタフェースです。IIFのイ ンタフェース以外で受信したマルチキャストパケットは、RPFチェックで失敗 し破棄されます。また、IIFの方向のマルチキャストルーティングプロトコル のルータがRPFネイバーの部分に入ります。
OILも名前のとおり、マルチキャストパケットを出力するインタフェースのリ ストです。マルチキャストパケットを出力するインタフェースということは、 ルータがOILの先にマルチキャストレシーバが存在している(かもしれない)と 認識していることになります。RPFチェックに成功したマルチキャストパケッ トをOILのインタフェースに出力します。なお、原則としてIIFのインタフェー スがOILに含まれることはありません。つまり、マルチキャストパケットのル ーティングでは、原則としてマルチキャストパケットを受信したインタフェー スから出力することはありません。(例外はあります)

ディストリビューションツリーの以上のような情報をもう少しわかりやすく考 えましょう。送信元ツリーは、

  • 特定のマルチキャストソースから送信されたマルチキャストパケット(S,G)を
  • どのインタフェースで受信(IIF)して
  • どのインタフェースに出力(OIF)すべきか

ということを表しています。

そして共有ツリーは、

  • マルチキャストソースのIPアドレスは特に意識せずマルチキャストパケット(*,G)を
  • どのインタフェースで受信(IIF)して
  • どのインタフェースに出力(OIL)すべきか

ということを表しています。
Ciscoルータでディストリビューションツリーを確認するためには、show ip m routeコマンドを使います。下記はshow ip mrouteコマンドの例です。

ユニキャストルーティングテーブルを確認するshow ip routeとよく似た show ip mrouteコマンドで確認します。そのため、ディストリビューションツ リーはマルチキャストルーティングテーブルと呼ぶこともよくあります。

ディストリビューションツリーは、前述のように

  • IGMP
  • マルチキャストルーティングプロトコル
  • マルチキャストソースからのデータ送信

によって、作成されています。

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