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(所属カテゴリー:マルチキャスト---投稿日時:2007年6月30日)
PIMの動作モードにSparse-Denseモードがあります。SparseモードとDenseモー
ドのハイブリッドの動作モードです。
PIM-SMではRPがとても重要な役割を果たします。RPがディストリビューション
ツリーの中心となり、マルチキャストパケットをルーティングする中心です。
マルチキャストグループに対するRPのアドレスがわからないとSparseモードで
はマルチキャストのルーティングを行うことができなくなってしまいます。
そこで、Sparse-Denseモードの設定を行うと、RPを認識しているマルチキャス
トグループのパケットはSparseモードによってルーティングします。RPを認識
していないマルチキャストグループのパケットであれば、Denseモードでルー
ティングします。
次の図は、Sparse-Denseモードの動作の例です。SRV1は239.1.1.1と239.2.2.2 のマルチキャストパケットを送信しています。ファーストホップルータである R1はSparse-Denseモードの設定がされています。239.1.1.1のRPのアドレスは 認識していますが、239.2.2.2のRPのアドレスを認識していません。
PIM-SMにおけるRPの設定方法は次の2通りあります。
スタティックにRPを設定するには、マルチキャストルータすべてで利用するマ
ルチキャストグループに対して同じRPアドレスを設定しなければいけません。
そのため、スタティックでのRP設定は、大規模な環境ではRPアドレスの一貫性
を保つことが難しくなります。設定が間違えていたり漏れていたりなどRPアド
レスの一貫性が保てないと、正しくマルチキャストパケットをルーティングで
きなくなる可能性があります。
大規模な環境でもRPアドレスの設定の一貫性を容易に保つために、ダイナミッ
クなRPアドレスの設定があります。ダイナミックなRPアドレスの設定として、
の2通りあります。Auto RPはCisco独自のプロトコルで、BSRは標準化されてい ます。2つのプロトコルの動作の仕組みはよく似ています。
RPにしたいルータをRP候補として設定します。RP候補のルータは、自身が特定 のマルチキャストグループのRPになることをアドバタイズします。この情報を Auto RPではMA(Mapping Agent)と呼ばれるルータが集めます。BSRではBSRルー タが集めます。MAやBSRで集めたRPの情報をマルチキャストルータ全体にアド バタイズするという仕組みです。
Auto RPとBSRの違いは、複数のRP候補が存在する場合のRPの選出や情報のアド
バタイズ方法が異なります。
複数のRP候補が存在する場合、Auto RPではMAが最適なRPを決定して、その情
報をマルチキャストルータにアドバタイズします。一方、BSRでは複数のRP候
補の情報をそのままマルチキャストルータにアドバタイズし、各マルチキャス
トルータで最適なRPを決定します。RPの決定方法は同じアルゴリズムによるの
で、すべてのルータで同じRPが選ばれます。
また、情報のアドバタイズには次のようなアドレスを利用します。
Auto RPはRPの情報をアドバタイズするために224.0.1.39、224.0.1.40という マルチキャストアドレスを利用しています。RPの情報がなくても224.0.1.39、 224.0.1.40のルーティングを行うために、Sparse-Denseモードの利用が前提で す。BSRはユニキャストおよびリンクローカルマルチキャストアドレスを利用 するのでSparseモードで動作します。
Auto RPの設定は次のコマンドでRP候補、MAとして動作するルータを決めればよいです。
BSRの設定は、次のコマンドでRP候補、BSRとして動作するルータを決めます。