IPルーティング 再び その6

パソコンでのルーティン

ここまではルータでのルーティングを扱ってきましたが、実は普通のパソコン
でもルーティングを行っています。ただ、とてもシンプルで、パソコンでのル
ーティングは基本的にあて先IPアドレスが自分と同じネットワークであるか、
違うネットワークであるかだけを判断しています。

パソコンでルーティングを行うためには、やはりルーティングテーブルが必要
です。ルータだけではなく、パソコンにもルーティングテーブルがあります。
Windows OSのパソコンであれば、コマンドプロンプトから「route print」も
しくは「netstat -r」のコマンドを入力すれば、パソコンのルーティングテー
ブルを確認できます。

パソコンのルーティングテーブルの情報は、主にデフォルトゲートウェイと自
身が所属するネットワークのネットワークアドレスです。デフォルトゲートウ
ェイは、同じネットワーク上のルータのIPアドレスですが、これはデフォルト
ルートに相当します。パソコンのルーティングテーブル上では、デフォルトゲ
ートウェイの情報は、ネットワークアドレス、サブネットマスクともに「0.0.0.0」
すなわち「0.0.0.0/0」であることがわかります。

パソコンがルーティングしようとするときもルーティングの条件は同じです。
ルーティングテーブルに登録されていないネットワークへはパケットをルーテ
ィングできません。だからといって、パソコンにたくさんのルート情報を登録
するのは大変です。そこで、パソコンにとってのリモートネットワークをすべ
てデフォルトルートに集約して、とりあえずルータに転送します。あとは、ル
ータにおまかせで、ルータが目的のネットワークまでルーティングしてくれる
だろうという考え方です。


図 7 パソコンでのルーティング

必要ならばパソコンのルーティングテーブルにもスタティックルーティングや
ダイナミックルーティングで個別のルート情報を登録することも可能です。