平成16年度テクニカルエンジニア(ネットワーク)午後Ⅰ 問4設問3解答と解説

目次

解答

(1)①応答時間
②コネクション数 (またはCPU使用率など)

(2)webサーバへのアクセスを制限し、混雑状況を通知するサーバへアクセスを振り分ける(40字)

(3)新規のWebサーバを追加してLBに接続し、順次トラフィック振り分け先に加える(38字)

解説

(1)
LB がWebサーバの負荷状況を監視する方法はさまざまなものがあるため、ここでは代表的なものの中から2つを回答すればよいでしょう。またトラフィックの振り分け方式は機器によっても監視可能な項目が異なります。機器のカタログ等で仕様を確認することも参考になります。

サーバ負荷監視項目の例

  • 応答時間 : 最も早く応答したサーバに接続を割り当てる
  • コネクション数:コネクション数が最も少ないサーバに接続を割り当てる
  • CPU使用率:CPU負荷が一番軽いサーバに接続を割り当てる

負荷分散装置(ロードバランサ)については@ITの次の記事が参考になります。

【連載:ロードバランサの本質】
http://www.atmarkit.co.jp/fnetwork/rensai/lb01/lb01.html

(2)
Webサーバの稼働状況が処理能力の限界に近づいた場合、根本的な解決としてはサーバの増強をすることでしょう。しかしここでのN氏は、LBを使用することで販売取引のピークを一時的にしのぐ方法について言及しています。もし仮にサーバが自分の処理能力を超えるアクセスを受け付け続けてしまうと、レスポンスが低下し、最悪サーバダウンにつながってしまうこともあります。また本文に

一時的にWebサーバが処理能力の限界に達し、販売システムの応答が極端に遅くなった。販売システムの応答の悪化について、顧客に通知しなかったので、予約状況の照会が増え、販売システムの応答はさらに遅くなった。

とあるように、輻輳が輻輳を呼ぶ状態になってしまうことも考えられます。これではサービスそのものが停止になってしまい、ユーザへの影響は計り知れません。そこでピーク時の一時的な回避策として、コネクション数やCPU使用率等のサーバ負荷状況に合わせて、接続を制限する方法があります。サーバが処理しきれない接続については、「サーバが混雑しているので、しばらくたってからアクセスしてください」という旨のメッセージを表示するサーバに接続するようにLBでアクセスを振り分けてやればよいわけです。

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(3)
「リプレース」とは設備の置き換えを意味します。「Webサーバをリプレースせず、販売システムの処理を段階的に向上させる方法」とは、既存のWebサーバをそのまま残したままで、新規のサーバを追加していくことであると考えられます。この方法であれば、LBの設定を変更するだけで、処理するWebサーバの台数を増やしていくことができます。また処理能力の高いサーバを順次追加していき、安定稼動を確認したうえで古いサーバをはずしていくといった運用も可能です。サービスを停止せずにサーバ構成を変更できるというのもLBのメリットですね。

これを40字以内でまとめると

新規のWebサーバを追加してLBに接続し、順次トラフィック振り分け先に加える(38字)

となります。

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