平成18年 テクニカルエンジニア(ネットワーク) 午後Ⅱ 問2 ネットワークの再構築 設問1


平成18年 テクニカルエンジニア(ネットワーク) 午後Ⅱ問題


解答

a:ゾーニング  b:iSCSI  c:ファイル共有  d:RAW  e:タグ

解説

SAN(Storage Area Network)についての穴埋めです。
SANとは、大容量のストレージデバイスを高速かつ効率よく利用するための専用のネットワークです。通常のネットワークは、ルータやスイッチなどを利用してネットワークを構築して、TCP/IPを利用して通信を行います。

一方、SANはFC(Fiber Channel)スイッチによってネットワークを構築し、ファイバチャネルというプロトコルでストレージデバイスとサーバ間で通信します。ファイバチャネルプロトコルによって、通常のLANよりも高速で効率的なデータ伝送ができるようになっています。

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図 32 FC-SANの構成

SANとサーバに直接ストレージデバイスを接続するDAS(Direct Attached Storage)を比較すると、SANには次のようなメリットがあります。

  • ストレージの統合によるコストの低下
  • 容量追加が簡単に行えるなど拡張性が高い
  • 仮想化技術により高可用性を実現可能
  • バックアップ作業を効率化できる

なお、上記のようなファイバチャネルを利用したSANをFC-SANと呼びます。

FC-SANを構築するためのFCスイッチやFCスイッチに接続するためのFCボードは高価な製品が多く、FC-SANを構築するコスト負担は大きなものになりがちです。そこで、専用のネットワークではなく、IPネットワークを利用したSANとしてIP-SANがあります。

IP-SANは既存のTCP/IPネットワークでサーバとストレージデバイスを接続します。サーバとストレージデバイス間の通信はiSCSIプロトコルで行います。

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図 33 IP-SANの構成

FC-SANにしろIP-SANにしろ、サーバから見るとまるでローカルに接続されているかのようにストレージデバイスを利用できます。

[a]

SANでは、複数のサーバでストレージデバイスを共有します。あるサーバが誤って他のサーバが必要とするストレージ上のファイルを上書きしてしまうと、システムが正常に動作しなくなってしまうことが考えられます。そのため、共有ストレージに対するアクセス制御が必要です。これを実現するのがゾーニング機能です。

各サーバが利用できるストレージデバイスの定義するための機能をゾーニング機能と呼びます。 

[b]

IP-SANでは、iSCSIプロトコルによってサーバとストレージデバイス間の通信を行います。

[c]

NAS(Network Attached Storage)は、簡単にいえばファイルサーバです。TCP/IPネットワーク上にNASを接続して、NFSやCIFSなどのファイル共有プロトコルによって、ネットワーク上のPCやサーバからストレージデバイスを利用できるようにします。

[d]

DBMSを構築している際、ディスクの入出力(I/O)管理のオーバーヘッドを小さくしてパフォーマンスを向上させるために、RAWデバイスへのアクセスが必要です。RAWは「生の」という意味で、ページキャッシュを経由しないでディスクに対するI/O処理を行います。

[e]

「一つのポートとケーブルで複数のVLANのデータをやり取りする」とあるので、タグVLANです。

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