DynamipsでCCIEラボ試験の勉強を快適に行うためのオススメPC

CCIE Routing & Switchingラボ試験の機器

CCIEラボ試験で利用する機器は、次の通りです。

  • Trouble Shooting
    ルータ30台程度
  • Configuration
    ルータ:5台 + 3台(バックボーン)
    スイッチ:4台

※ Trouble Shootingは、実機ではなくエミュレータでネットワーク構成を作っているようです。

Trouble Shootingでは、ルータ30台全部に関わるような条件はありません。Trouble Shootingの問題は、それぞれせいぜいルータ3~4台程度が関連しているぐらいです。そのため、30台ものルータでネットワークを構成して、検証を行う必要はありません。

Configurationは、すべての機器を利用して条件に基づいてネットワークを作り上げていきます。そのため上記に挙げた機器以上の台数をエミュレートできるようにしておく必要があります。なお、Dynamipsでは、Catalystスイッチをエミュレートできません。ルータにNM-16ESWを載せることで、Catalystスイッチの代用とすることができます。CatalystスイッチのようにVLANを定義したりSVIやルーテッドポートを設定して、ルーティングを行うことが可能です。ただし、Catalystスイッチでの設定と若干異なります。また、Catalystスイッチの機能すべてを利用することはできません。たとえば、RSTPなどはルータにNM-16ESWを搭載している構成では設定できません。

CCIEラボ試験の勉強のためにエミュレートする機器のオススメ

Dynamipsでは、Cisco1700/2600/3600/3700/7200シリーズなどさまざまなモデルをエミュレートすることができます。エミュレートする場合のPCでのCPU負荷や利用できるモジュールを考慮すると、C3600シリーズが最も使いやすいと考えています。C3600シリーズであれば、IOSもある程度揃えやすいですしエミュレートしている場合のPCのCPU負荷もそんなに高くありません。つまり、CCIE Routing & Switchingラボ試験の勉強をDynamipsで行うためには、現在のところ

  • C3600(NM-1FE-TX*2、NM-4T) × 8
    ルータおよびバックボーンルータ用
  • C3600(NM-16ESW) × 4
    スイッチ用

の合計12台のルータをエミュレートできるようにすればよいです。

必要なPCスペック

これだけの台数のルータをエミュレートするためには、だいたい下記のようなスペックのPCであれば問題ありません。

  • CPU:Core 2 Duo 2GHz以上
  • メモリ:2Gバイト以上

ここ1~2年で新しくPCを購入されていれば、これぐらいのスペックは十分に満足しているでしょう。OSはWindows XP/Vista/7なんでもOKです。64ビットOSでも問題ありません。この程度のスペックでパフォーマンスをきちんと調整すれば、Dynamipsを使って快適にCCIE Routing & Switching ラボ試験の勉強ができます。

Dynamipsパフォーマンス調整 その1
//www.n-study.com/network/2010/07/dynamips_1_1.html

Dynamipsパフォーマンス調整 その2
//www.n-study.com/network/2010/07/dynamips_2_1.html

 

GeneのPCスペック

参考にGeneが普段利用しているPCスペックをご紹介します。

デスクトップ PC-サイコムのBTO

  • CPU:Core 2 Extreme Q6850 3GHz
  • メモリ:4Gバイト(32ビットOSのため3Gバイトちょっとのみ認識)
  • OS:Windows Vista Ultimate 32ビット

このPCをメインにして、CCIE Routing & Switchingラボ模擬試験 Vol.1やメルマガのコンテンツなどを作成しています。

 

sycom.png

このスペックで下記のルータ20台の構成がCPU利用率50%未満でさくさく動作します。

CCIE_TS_part1.png

 

モバイルPC-SONY VAIO Type Z VGN-Z93GS

  • CPU:Core 2 Duo T9900 3GHz
  • メモリ:8Gバイト
  • OS:Windows 7 Professional 64ビット

ディスプレイサイズ13.1インチで解像度1600*900にしています。出先で原稿を執筆したり、セミナーで実機デモを行うときに利用しています。

vaio.png 

VAIOだと、さすがにさきほどのルータ20台のネットワーク構成はさくさくとはいきません。CPU使用率ほぼ100%ですが、なんとか動作します。ルータ12~13台ぐらいだったら余裕です。

オススメのPC

DynampisでCCIE Routing & Switchingラボ試験を勉強するために必要なスペックは、いまでは普通にPCを買えば十分なはずです。デスクトップPCなら10万円もしないぐらいの構成で、十分すぎるほどの検証ができます。モバイルPCなら15~20万円ぐらいでCCIEラボ試験の勉強をするには十分な構成です。

これから新しくCCIEラボ試験の勉強をはじめる方で、Dynamipsを利用する上でPCを選ぶ基準を簡単にご紹介します。

デスクトップPC

DynamipsでCiscoルータをエミュレートする上で一番重要なものがCPU性能です。CPU性能が高ければ高いほど、より多くの台数のルータをエミュレートできます。今のPCは、デュアルコアCPUは当たり前です。デュアルコアCPUでもよいのですが、余裕があればクワッドコアCPUを搭載しているPCの方がよいでしょう。CPU性能に余裕があれば、Dynamipsで検証しながら、他の作業も快適に行うことができます。エミュレートするルータとしてC3600をオススメしていますが、将来的にC3600だと対応できなくなるかもしれません。そうなると、C3700シリーズなどより高性能なCPUが必要になるので、余裕を持ってクワッドコアにしておいた方がよいでしょう。現在の代表的なクワッドコアCPUとして、Intel Core i7シリーズのCPUがあります。

また、Dynamips以外で利用するアプリケーションに問題がなければ、64ビットOSを選択する方がよいでしょう。32ビットOSだとメモリをたくさん積んでも意味がありません。Dynamipsでのエミュレートにはメモリ容量はあまり関係ありませんが、メモリ容量が大きいに超したことはありません。そして、できればマルチディスプレイにした方がよいです。ルータの設定をしながら、Webで調べ物をするときにマルチディスプレイ環境だととても便利です。マルチディスプレイにするためには、グラフィックボードを追加する必要があります。デスクトップPCの選択基準をまとめると、次のようになります。

  • CPUはクワッドコア
  • OSは64ビットOS
  • メモリはなるべくたくさん
  • マルチディスプレイのためのグラフィックカード

デルHPなどのBTOでこうした条件を考えてPCの構成を検討してみるとよいでしょう。あと、サイコムはサポートがいいです。たぶん、次もサイコムでPCを組んでもらう予定です。

デル
デル株式会社

HP

サイコム

 

モバイルPC

モバイルPCでDynamipsを使ってCCIEラボ試験の勉強をするときには、ディスプレイの解像度が重要です。何台ものルータのコンソールを開くので、高解像度のディスプレイを使わないと効率が悪くなります。解像度が高いディスプレイにするためには、ある程度サイズが大きくなってしまうので、携帯性との兼ね合いですができるだけ解像度を重視してください。

CPU性能も重要ですが、デスクトップPCほどの高性能は難しいので割り切ってください。ルータ12~13台ぐらいが動作するCore 2 Duo 2GHzぐらいが一つの目安です。メモリとOSについては、デスクトップPCと同様です。モバイルPCの選択基準をまとめると次のようになります。

  • なるべく高解像度のディスプレイ
  • Core 2 Duo 2GHzがCPU性能の目安
  • 64ビットOSでメモリはなるべくたくさん

個人的には今使っているSONY VAIO Type Zシリーズ がオススメです。高解像度でCPU性能も高くすることができつつ、携帯性も常時持ち歩くのに問題ないぐらいです。

SONY VAIO Zシリーズ
Sony Style(ソニースタイル)