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OSPF エリアの種類 その2

(所属カテゴリー:IPルーティング | シスコ---投稿日時:2012年5月25日)

スタブエリア

エリア内を流れる一部のLSAを減らし、各ルータが保持するリンクステートデータベースやルーティングテーブルのサイズを小さくするために考えられているエリアです。スタブエリア内では、非OSPFドメインのネットワークアドレスを表すLSAタイプ5は転送されません。たとえば、次の図のようなネットワーク構成を考えましょう。

ospf_area_type02.png
図 スタブエリアのネットワーク構成例

エリア1が標準エリアであれば、エリア1内のすべてのルータは、LSAタイプ5によって非OSPFドメインのネットワークアドレスを知っています。しかし、エリア1から非OSPFドメインのネットワークにパケットを送信するためには、いずれにせよ必ずABRにパケットを送信することになります。このような状況では、ABRはエリア1にはLSAタイプ5で非OSPFドメインのネットワークアドレスの詳細な情報をアドバタイズする必要がないのです。非OSPFドメインのネットワークアドレスの詳細な情報をアドバタイズする代わりに、ABRがデフォルトルートを生成するようにしたものがスタブエリアです。
スタブエリアのABRは、非OSPFドメインの個別のネットワークアドレスをLSAタイプ5でスタブエリア内にアドバタイズする代わりに、デフォルトルート(0.0.0.0/0)をLSAタイプ3で流し込みます。つまり、非OSPFドメインのネットワークアドレスをデフォルトルートに集約していることになります。
これによって、スタブエリア内の各ルータのリンクステートデータベース、ルーティングテーブルのサイズを小さくすることができます。その結果、ルータのメモリやCPUプロセス使用量を減らすことができます。
スタブエリアでは、バックボーンエリア、標準エリアと同様にタイプ1~タイプ3のLSAが流れます。スタブエリア内で個別の外部ルートのLSAタイプ5が必要ないので、LSAタイプ4も不必要です。

ospf_area_type03.png
図 スタブエリア内のLSA

また、スタブエリア内に個別の外部ルートを表すLSAタイプ5が流れないということは、スタブエリアの制限として内部にASBRを置くことはできません。また、バーチャルリンクのトランジットエリアにすることもできません。

エリアをスタブエリアにするためには、スタブエリア内の全てのルータに対して、次のコマンドで所属するエリアがスタブエリアであるという設定を行います。

(config)#router ospf <process>
(config-router)#area <area-id> stub

スタブエリアの設定を行うと、Helloパケットのオプションフィールド内のEフラグが0になります。Eフラグは外部ルートを受け取ることができるかどうかを表し、Eフラグ「0」は、外部ルートを受け取らないことを意味します。ネイバーになるための条件で、このフラグが一致している必要があります。ですから、必ずスタブエリア内のすべてのルータでスタブエリアの設定を行う必要があり ます。

トータリースタブエリア

トータリースタブエリアは、スタブエリアよりもさらにエリア内を流れるLSA減らし、各ルータが保持するリンクステートデータベースやルーティングテーブルのサイズを小さくするために考えられたエリアです。
「図 スタブエリアの例1」のエリア1のルータを考えると、他のエリアへのトラフィックは必ずABRを経由するはずです。そのため、他のエリアのネットワークを表現したLSAタイプ3は、ABRへと向かうデフォルトルートに置き換えることができるはずです。
トータリースタブエリアにすると、ABRはLSAタイプ4・LSAタイプ5に加えて、ほかのエリアの個別のネットワークアドレスを表したLSAタイプ3もブロックし、その代わりにデフォルトルート(0.0.0.0/0)をLSAタイプ3でアドバタイズします。
エリアをトータリースタブエリアにすることによって、さらにルータのメモリ、CPUプロセスの使用量を削減することができるようになります。
スタブエリアと同様に、トータリースタブエリア内部にASBRを置くことはできません。また、バーチャルリンクのトランジットエリアにすることも同様にできません。

ospf_area_type04.png
図 トータリースタブエリア内のLSA

トータリースタブエリアの設定は、内部ルータとABRで異なります。トータリースタブエリア内のすべての内部ルータには、スタブエリアと同じ設定を行います。

(config)#router ospf <process>
(config-router)#area <area-id> stub

そしてABRには、該当のエリアがトータリースタブエリアであるという設定を行います。CiscoルータをトータリースタブエリアのABRにするため設定は、次のようにarea stubコマンドにno-summaryオプションをつけます。

(config)#router ospf <process>
(config-router)#area <area-id> stub no-summary

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