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VRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)の概要

(所属カテゴリー:IPルーティング---投稿日時:2008年8月31日)

デフォルトゲートウェイを冗長化しても・・・

クライアントPCが他のサブネットを通信したいとき、デフォルトゲートウェイ (ルータ)あてにパケットを送信します。デフォルトゲートウェイとして設定す るIPアドレスは、クライアントPCと同じサブネット上のルータのIPアドレスで す。そして、デフォルトゲートウェイの設定は、DHCPによる自動設定であって も手動設定でも、1つのIPアドレスを設定します。

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図 デフォルトゲートウェイの設定

デフォルトゲートウェイのIPアドレスを基本的に1つしか設定しないことから、 デフォルトゲートウェイとなるルータを冗長化しても、ルータ障害時に意図し たとおりに他のサブネットとの通信を継続できません。クライアントPCでデフ ォルトゲートウェイとしているルータがダウンしても、自動的にデフォルトゲ ートウェイの設定は切り替わらないからです。

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図 デフォルトゲートウェイ冗長化の問題点

デフォルトゲートウェイがダウンしたら、クライアントPCのデフォルトゲート ウェイのIPアドレスを他のルータのIPアドレスに変更すればいいわけですが、 非常に手間がかかります。これでは、デフォルトゲートウェイを冗長化した意 味があまりありません。
そこで、クライアントPCに対するデフォルトゲートウェイの冗長化を行うとき には、VRRPを利用します。VRRPによってクライアントPC側でデフォルトゲート ウェイのIPアドレスを変更することなく、透過的にデフォルトゲートウェイの 切り替えを行うことができます。

VRRPを使いましょう!

冗長化したい複数のルータでVRRPを動作させると、VRRPのメッセージ(VRRP Advertisement) を交換し仮想ルータを構成します。仮想ルータは仮想IPアドレス、仮想MACア ドレスを持っています。そしてVRRPを設定しているルータはマスタ/バックア ップという役割が割り当てられます。マスタルータは、仮想ルータあてのパケ ットを処理するルータです。バックアップルータはマスタルータがダウンした ときに、マスタルータの役割を引き継ぐルータです。マスタルータは1台のみ でバックアップルータは複数存在することがあります。どのルータをマスタル ータにするかは設定によって決めることができます。

※仮想IPアドレスおよび仮想MACアドレスはVRRPの設定によって決めることが できます。マスタルータの実IPアドレスを仮想IPアドレスとして使用するこ ともできます。仮想MACアドレスは、00-00-5E-00-01-[ID]というフォーマットです。
※VRRP Advertisementはマルチキャストアドレス 224.0.0.18 で送信されます。
※複数の仮想ルータを設定し、負荷分散を行うことも可能です。
※同様の機能を実現するCisco独自のHSRP(Hot Standby Router Protocol)もあ ります。

VRRPの動作の仕組み

マスタルータが仮想ルータあてのパケットを処理するということをもう少し具 体的に考えます。マスタルータとなったルータは、インタフェースに設定され ているIPアドレスと仮想ルータのIPアドレスの両方を持っていると考えてくだ さい。MACアドレスも同様に、実MACアドレスと仮想MACアドレスの両方を持っ ています。したがって、あて先が仮想MACアドレスや仮想IPアドレスであるパ ケットはマスタルータが処理することになります。
そして、クライアントPCでのデフォルトゲートウェイのIPアドレスは、VRRPの 仮想IPアドレスを設定します。クライアントPCが他のサブネットと通信すると きは、パケットをデフォルトゲートウェイである仮想ルータにパケットを送信 します。そのパケットは、マスタルータへ転送されて、マスタルータがルーテ ィングを行います。

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図 VRRPの仕組み その1

VRRPを動作しているルータはお互いにVRRP Advertisementを定期的に送信しま す。VRRP Advertisementによって、マスタルータの選出や仮想IPアドレスの共 有、そしてお互いのルータが正常に動作しているかどうかを確認しています。 マスタルータがダウンして、マスタルータからのVRRP Advertisementが届かな くなると、バックアップルータがマスタルータの役割を引き継いで新しいマス タルータとなります。

マスタルータが引き継がれても、クライアントPC側では他のサブネットに通信 するときは、それまでと同じように仮想ルータあてにパケットを送信します。 すると、そのパケットは自動的に新しいマスタルータへ転送されて、他のサブ ネットとの通信を継続することができます。

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図 VRRPの仕組み その2

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