日経NETWORK 2003.4 『アドバンスドクラブ 10Gビット・イーサネット P114~119』

4月号からの新連載として「アドバンスドクラブ」がはじまりました。名前の通り難しいです。最先端の技術について解説していくそうですが、冒頭でうたっているほど「やさしい」解説でもないと思います。偉そうに書いているぼく自身もこの内容をぜんぶ理解できる自信はまったくありません・・・

けど、最先端の技術についての概要を理解する目的で、読んでみるにはいい連載になりそうです。

第1回目は、「いよいよここまで来たか」と思わされる10Gビットイーサネットについてです。
この記事では、10Gビットイーサネットの開発の背景とその用途、簡単な物理層の仕様についてまとめられています。物理層の仕様については、すごく難しいので、10Gビットイーサネットの概要について知りたい人は記事の前半部分だけを読めば十分でしょう。

簡単に10G以前のイーサネットと10Gビットイーサネットについてまとめてみます。

イーサネットと言えば「LAN」の代名詞です。昔は、LANの規格はイーサネットだけでなく、トークンリングやFDDI、100VG-AnyLANなんてのもありましたね。(そんな昔は、ネットワークのことしらなかったけど・・・)
その中で、イーサネットがいまのような支配的な地位を確立するようになったのには、

・仕組みが単純
・実装が容易
・コストが安い

などが挙げられると思います。イーサネットは、その他の規格を押し退けて、10Mbpsから100Mbps。そして、100Mbpsから1Gbpsへ、さらに今回紹介されているように10Gbpsへと進化しています。
でも、1Gbpsまでのイーサネットと10Gbpsのイーサネットは大きく違っています。

1Gbpsまでのイーサネットは、あくまでも「LAN」で利用しています。LANですから、比較的狭い範囲ですね。長くても数kmの範囲です。それに対して、10Gビットイーサネットは、いまのところは数十kmにもおよぶ「WAN」での利用を想定しています。「LAN」の代名詞であるイーサネットが「WAN」に使われるようになります。
また、ファストイーサネットやギガビットイーサネットではほとんど名目だけになってしまっていましたが、CSMA/CDというアクセス制御方式を利用しているのがイーサネットの特徴でした。でも、10GビットイーサネットではCSMA/CDは完全に規格から取り除かれています。

他のイーサネットと共通なのは、フレームフォーマットだけとなっています。

ちなみに、イーサネットの歴史はこんな感じです。

1970年代 イーサネットの発明 by ロバート・メトカフ
1983年 10BASE5
1984年 10BASE2
1990年 10BASE-T
1995年 100BASE-TX ファストイーサネット
1999年 1000BASE-T ギガビットイーサネット
2002年 10GBASE-X 10ギガビットイーサネット

最初の正式な規格が行われて、10Mが100Mになるまで12年かかっています。そして、100Mが1Gになるまで4年、1Gが10Gになるまで3年とどんどん間隔が短くなっていっています。

興味深いのは、「次があるのか?」「次はいつ?」ってことですが、2006年ぐらいに100Gの規格ができるとかできないとか・・・いったいどこまで高速になっていくのでしょう???

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