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日経NETWORK 2004.4 『特集2 プロバイダの実体 P66~79』 by Gene

(所属カテゴリー:日経NETWORK---投稿日時:2004年3月20日)

インターネットに接続するためには、インターネットの接続サービスを提供するインターネットサービスプロバイダ(Internet Service Providor:ISP)と契約する必要があります。

※この記事の中では、一般的な言葉として「プロバイダ」といっていますが、個人的にはプロバイダ、プロバイダと記事の中で連発されるのは違和感があります。ぼくは「ISP」で統一します。

でも、

「ISPが提供するインターネット接続サービスって具体的にどんなことをしているの?」
「そもそもインターネットって何なの?」

という疑問について、ほとんどの人がうまく答えられないんじゃないかなと思います。インターネットが非常に普及して、ビジネスやプライベートで大いに利用しているのに、ISPやインターネットそのものについてよく知らない方が大部分というのが現状じゃないでしょうか。
ぼくもまだ20世紀だったころ、インターネットをばんばん使っていましたが、その仕組みはさっぱりと知りませんでした。気にしたこともなかったというのもありますが・・・

でも、せっかくだからインターネットって何なのか、ISPってどんなものなのかということを知りたい人も多いでしょう。今回のネットワーク技術雑誌レビューで取り上げた日経NETWORKの記事がこのニーズにこたえてくれる内容です。

対話形式で、架空の大手ISP「NKネットワークス」のネットワーク構成を中心に、ISPのネットワーク構成、ISPのサービスなどを解説しています。架空といっても、BIGLOBE、OCN、DION、Hi-hoなどの現実の大手ISPをモデルにしているので、面白いです。

この記事を読めば、ISPのネットワーク構成とインターネットがどのように構成されているのかが一通りわかるでしょう。ISPのネットワーク構成、インターネットの構成をある程度わかっていると、BGP(Border Gateway Protocols)の勉強に入りやすくなります。
BGPって、最初はとっつきにくいんですが(少なくともぼくはとっつきやすくはありませんでした)、

「BGPって結局は、ISP間でどうやってルートを教えるかってこと」

と考えるようになると、理解が早くなった覚えがあります。
ルートの教え方として、いろんなパスアトリビュートをくっつけているんだなという感じで考えていくと、BGPがそんなに難しくなくなりました。

POP(Point of Presence)、NOC(Network Operation Center)、IX(Internet eXchange)といった言葉の意味もわかります。日経コミュニケーションを読んでいると、これらの言葉のフルスペルは注記で書かれていますが、詳しい意味が書かれていないことが多いです。日経コミュニケーションを読んでいて、POP、NOC、IXなどの言葉の意味がよくわからなかった経験がある人は、ぜひ読んでください。

個人的にとても興味深く読ませてもらったのが、IXの変遷ですね。いまから10年前に日本で最初にできたIXであるNSPIXP-1は、なんと10Mbpsのリピータハブで構成されていたそうです。今から考えると信じられないですね。それから、1997年にFDDIスイッチを導入したのがNSPIXP-2。
インターネットの爆発的な普及に伴って、インターネット上のトラフィックはどんどん増加し、いまでは10Gイーサのスイッチになっているそうです。10Gイーサの次はどうするんだろうか・・・と他人事ながら心配になってきましたが。(ISPで働いていらっしゃる方、がんばってください)

ページ数は、12ページなんであまり詳細な話まではありませんが、ざっとした概観は十分つかめます。いまは、新入社員の方が入ってくるころなので、新入社員の方に

「インターネットってどんな風になっているか知ってる?」
「ISPって何をしているか知ってる?」

と質問してみて、たぶん、知らない人がほとんどでしょうから、優しく教えてあげれば、きっと、いい先輩と思ってもらるでしょう!!

ISPについてもう少し詳細なことを知りたいという方は、次の本がオススメです。

ネットワークはなぜつながるのか ― 知っておきたいTCP/IP、LAN、ADSLの基礎知識

手元のパソコンからWebサイトにアクセスするまでの道のりを順番に追っていくことができます。もちろん、その途中にはISPが存在するので、ISPの構成についても解説されています。 今回の記事をもうちょっと詳細にした内容が書かれています。レイアウトがみにくいという意見が多く見られますが、内容はかなりいいと思います。

また、BGPをきちんと勉強したい方は、次の本がいいでしょう。

インターネットルーティングアーキテクチャ ― BGPリソースの詳解 第2版

かなり高度な内容が含まれています。この1冊をきちんと理解できるようになれば、インターネットのより詳細な構造を把握することができるようになります。

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