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日経コミュニケーション 2005.6.1『IP電話を狙うスパム「SPIT」出現、芽を摘むのは今だ』 by Gene

(2005年06月09日)

迷惑メールだけじゃなくて、もっと迷惑な事例が少しずつでてきているそうです。それが、今回の記事の「SPIT」です。

SPITはSpam over Internet Telephonyの略で、インターネット電話を使った迷惑電話です。ここでいう、インターネット電話とは一般ユーザが利用するインターネット上で電話音声を送信するものと、企業で利用する企業内のIPネットワークに電話音声を送信するものをひっくるめています。IP電話っていってしまってもいいでしょう。スパムメールは、だれかれかまわずに出会い系やらアダルトサイト、ギャンブルサイトの広告を送りつけるものですが、それをIP電話によって無差別に広告メッセージを送るものがSPITです。

普通の固定電話でも迷惑電話ってあったと思うんですが、無差別にダイアルするとなると、固定電話は従量課金制なので、コストがかかってしまいます。また機械的にダイアルするための機器もあるそうですが、非常に高価なようです。
ところが、IPネットワーク(インターネットも含めて)を介するIP電話は、コストが非常に安いです。ISPが提供している一般家庭向けのIP電話は、同じISPのユーザあてであれば、基本的に通話料は無料です。また、IPベースなので、機械的にダイアルするためのソフトなんかも固定電話に比べると作りやすいと思います。

実際に、2004年ぐらいから数は少ないもののSPITに対する苦情が何件かISPには寄せられているそうです。ぼくは、幸いにもいまのところSPITを受けた経験はないんですが、もし、仮にSPITがかかってきたら、その迷惑さの度合いは迷惑メールの比じゃないですね。
迷惑メールだったら消せばいいし、Thunderbirdなんかのメールソフトでもスパムフィルがデフォルトで備わっていて、簡単にフィルタできるようになっています。
でも、SPITはリアルタイムの音声メッセージなので、内容を解析してフィルタするっていうのはかなり難しいです。そして、実際に電話に出てみないと、普通の電話なのか、それともSPITなのかの判別がつきません。「電話が鳴って、仕事を中断して電話に出たら、SPITだった・・・」なんてことになったら、時間のロスは計り知れません。それに、もし家庭で使っているIP電話にSPITがかかってきたら、子供が出てしまう可能性もあります。
もしも、迷惑メールほど大規模に無差別にSPITがかかってきたら、すごく大きな悪影響が出てきそうです。

じゃ、SPITはどうやって防げばいいんでしょう?ユーザがあれこれ対策するのは難しいです。IP電話を提供するISPが主に対策を行っていくことになります。対策として考えられているのは、「制度面の対策」と「技術面の対策」です。

制度面の対策は、SPITの発信元を特定して、強制的にサービスを解約してしまうというものです。幸いにもIP電話は発信元の特定がそれほど難しくありません。IP電話をかけるには、いったんサーバを経由しなければいけないので、発信元は調べればすぐにわかります。SPITを実行する、つまり無差別な迷惑電話をかけるユーザは、短時間で大量の電話をかけるようになるはずです。そうした短時間で大量の電話をかけるユーザのサービス契約を強制的に解約すればいいわけですね。
最近、大手ISPではサービス規約を変更して、短時間に大量の電話をかけたり、機械的に自動で電話をかけるユーザの契約を解除できるようにしています。

もうひとつの技術面の対策は、電話を受けるユーザを制限してしまうことです。このために、ブラックリスト方式とホワイトリスト方式があります。
ブラックリスト方式は、電話を受けたくない電話番号をブラックリストとして登録し、ブラックリストにある番号からの電話は、ISP側でとめてしまうというものです。SPITの発信元の電話番号をブラックリストに登録すれば、SPITを受けなくてすむようになります。でも、当然のことながら、ブラックリストにないSPITは防げないですね。
ホワイトリスト方式は、電話を受けるユーザの電話番号をホワイトリストとして、ホワイトリストにない番号からの電話をISP側でとめてしまいます。つまり、知らない番号からの電話はすべてとめてしまうわけですね。ホワイトリスト方式であれば、未知のSPITの電話番号からの電話を止められます。でも、SPIT以外の電話も登録されていない番号からだったらとまってしまいます。

こうした制度面と技術面の対策がいまのところ考えられています。単なる迷惑メールの比じゃないほど、SPITは迷惑だし不快になってしまいます。ISPでしっかりと対策してもらって、SPITはいくらやっても、ぜんぜん割りに合わないんだって思わせて、ホントに、今のうちの芽を摘み取って欲しいですね。

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