NETWORK MAGAZINE 2005.8 『ブレードサーバ選択のポイント』 by BOSE

ブレードサーバとは、ブレードと呼ばれるボードを、筐体に差し込んで搭載する形態のサーバです。各ブレードにはそれぞれCPU、メモリ、ネットワークモジュール等が搭載されており、ブレード1枚1枚が1台のサーバになるというイメージです。メリットはいろいろとありますが、タワー型やラックマウント型と比べて、収容効率が大幅にアップするのがもっとも特徴的ですね。

以下、記事の内容をまとめてみました。

■ブレードサーバのメリット

　・省スペース化
　・配線の簡略化
　・高可用性

ブレードを差し込む筐体は「エンクロージャ」と呼ばれ、19インチラックに搭載が可能なものです。例えば、IBMのBladeCenterという機器では、7Uで14枚ものブレードが搭載可能です。

また、配線はエンクロージャ内に集約しているため、ブレードを差し込むだけで配線は完了という簡単さです。配線の簡素化は高可用性にもつながり、故障時はブレードを差し替えるのみでよく、配線の抜き差し作業は発生しません。

■ブレードサーバの弱点

　・処理性能
　・価格

一般に、集積度が上がると、機器が出す発熱を排熱するのが困難になります。そのため当初のブレードサーバは、処理能力を犠牲にしてでも発熱の少ないCPUを組み込んだり、省スペース化のため、低速な2.5インチのHDDが搭載されたりと、高集積化のために速度を犠牲にする一面があったようです。

また、集積度を上げるために、通常のサーバと比べて割高な部品を使う必要がありました。ノートPCがタワー型PCより高いのと同じ理由です。しかしこういた問題を改善した機器が登場し始め、ブレードサーバが急速に市場に定着しているということです。

記事では、ブレードサーバに注力している4社(IBM、DELL、HP、NEC)の製品の違いを簡単に説明しています。

■各社のエンクロージャの違い

ブレードを収容するエンクロージャは、各社の設計思想が最も現れている部分です。例えば、ネットワークに接続するためのEthernetスイッチやSANスイッチなどの収容方法も各社異なります。IBMやDELL、NECはスイッチ専用スペースがエンクロージャに存在するのに対し、HPはブレードの代わりに搭載することが可能です。電源ユニットにおいても同様の収容方法の違いがあります。

また、IBMの「BladeCenter」は、エンクロージャの仕様が公開されているため収容できる機器をサードベンダが提供できるようになっているのが特徴的です。

注意しなくてはいけないのは、こういったエンクロージャの仕様が、機器のラインアップによって異なるという点です。新製品を導入しようと思ったら、エンクロージャもまた新規に購入しなくちゃならないのでは、無駄が多いですよね。拡張性を踏まえて、慎重に導入する必要があるでしょう。

■ブレードの違い

ブレードサーバは高集積化のために排熱が重要であり、その設計ポリシーが各社で異なっているようです。
例えば、ファンをブレードそのものにもたせるか、エンクロージャ全体として大きなファンを用意するかなどです。ブレードそのものにファンがあった方が排熱の効率はよさそうですが、ファンの冗長化が難しそうな気がします。

ファンやHDDの故障時の交換方法にも各社差がでています。ブレードを一旦取り出してから交換するのもあれば、ホットスワップでHDDだけ交換できるものもあります。

また、そもそもブレードはディスクレスにして、ディスクは効率的にSANに統合してしまおうという機能も各社提供しています。ディスクはSANに集約し、かつブレード間でのN+1冗長をとることも可能になるらしく、コストを無視して考えれば、この構成は信頼性や効率化の面でとてもメリットがありそうです。

一言でブレードサーバといっても、選定のポイントはいろいろとあるもんですね。やたら流れるCMを見て「ブレードサーバって何？」と思っていた僕ですが、今なら、その質問にも答えられそうです。

ネットワークの雑誌で、こういったサーバ関連の基礎的な記事を取り上げてもらうのは、知識が偏りがちな僕にとってありがたいです。

by　BOSE
自己投資のための読書　

※BOSEさん、ありがとうございます。ぼくもこの記事気になっていました。最近、TVCMでよく「ブレード」って聞きますよね。普通の人がどれだけ「ブレード」といわれてピンと来るかわかりませんが、そんなときに、このBOSEさんのレビューを紹介するとぴったりだと思いました。(Gene)

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