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(所属カテゴリー:日経コミュニケーション---投稿日時:2007年11月11日)
いよいよ、NGN(Next Generation Network)の商用サービスのスタートが始まろ うとしています。NGNは、次世代のネットワークインフラで、IPをベースにし ています。NGNには、インフラにQoS機能や回線レベルの認証などの機能を備え て、ハイビジョン映像の伝送や音声通話などのさまざまなアプリケーションの 利用が可能になります。
今回の日経コミュニケーションの特集記事では、NGNの能力として、
の3点にまとめて紹介しています。
まず、NGNで通信の品質保証を行うことで、テレプレゼンスのインフラとして
十分に利用できるレベルになるようです。テレプレゼンスとは、複数の大型デ
ィスプレイを組み合わせて、あたかも遠隔地の人がその場にいるかのようにコ
ミュニケーションをとることができる高品質のビデオ会議システムです。
Ciscoの「Cisco TelePresence」では、15Mbps以上の帯域を必要とするそうで
す。フルHDの1080pでも問題なくNGN上でTelePresenceのシステムを利用できる
とのこと。
インターネットは、ベストエフォートの転送で、品質保証はとても難しいので
すが、NGNではかなりのレベルの品質保証が可能ということですね。インター
ネットは、通信をする相手によってさまざまなISPを経由しますが、NTTのNGN
インフラはインターネットに比べるとホップ数が少なくシンプルな構成で、転
送の制御を行いやすいわけです。
また、セキュリティとして回線認証機能を挙げています。NGNの網の回線認証 機能を利用すれば、VPNの構築を簡単に行うことができます。網の回線認証で クライアント端末や企業の拠点が接続できるネットワークを制御して、VPNを 構成することができます。
回線認証と品質保証の機能を組み合わせれば、他の企業との間でエクストラネ ットを構築してテレプレゼンスで会議したりもできますね。
そして、3点目の能力が網機能の解放です。NGNの機能を他のベンダーが利用で きるように次のようなインタフェースを定義しています。
NTTがNGNを利用して提供するサービスだけでなく、他のベンダーがNGNを利用 してユーザにさまざまなサービスを提供できるようになるわけですね。
NGNは、キャリアさんやベンダさんで騒いでいますが、一般ユーザにとっては
わざわざ追加でコストをかけてNGNを利用したいというようなキラーアプリケ
ーション/サービスはまだ無いような感じですねぇ。
どれだけの人が安定したハイビジョン画像の伝送を求めるかというと、そんな
に多くないでしょう。テレプレゼンスによる会議もシステム自体がまだまだ高
価なので、しばらくは一部の大企業ぐらいしか利用しないんじゃないかなと思
います。
サードベンダーがNGNを利用して、一般ユーザに「使いたい!」と思わせるよ
うなキラーアプリケーションが提供されるかどうかが、NGNの注目が普及して
いくかどうかのポイントですね。さて、どんなアプリケーションやサービスが
出てくるでしょう???