平成17年度テクニカルエンジニア(ネットワーク)午後Ⅰ 問Ⅳ設問1解答と解説

目次

解答

【ア】 シングル
【イ】 コア
【ウ】 C
【エ】 ホップ数
【オ】 traceroute

解説

まず、【ア】【イ】を考える上での光ファイバの基本的な構造から解説します。光ファイバは、「コア」と「クラッド」という2つの部分から成り立っています。「コア」と「クラッド」は石英というガラス繊維でできています。最近では、プラスチックを使うこともありますが、一般的なのは石英です。実際に光が通るところが「コア」で、「コア」と「クラッド」は、光の屈折率が異なり、光が「コア」と「クラッド」の境界で全反射して進行していきます。コアを通る光の発信源として、レーザ光やLEDを利用します。

TENW-H17-PM1-18.jpg

図 光ファイバの構造

光ファイバケーブルは、コアとクラッドの直径比によって、主に以下の2つに分類できます。

  • マルチモード光ファイバ
  • シングルモード光ファイバ

マルチモード光ファイバは、コア/クラッドの直径比が62.5μm/125μmです。
(※コアの直径がもう少し小さいものもあるが、おおよそクラッドの半分)コアの直径が大きいので、光の位相がいくつか分散して長距離の場合、光信号の到達時間にバラつきが出てしまいます。これをモーダル分散といいます。そのため、あまり長距離には向いておらず、数百m~数km程度の距離で利用されることが多くなっています。
シングルモード光ファイバは、コア/クラッドの直径比が10μm/125μmです。(※これもコアの直径が多少異なることがあります)コアの直径が非常に小さいため、コアに入ってくる光の位相が単一になります。そのため、マルチモード光ファイバのように光信号の到達のバラつきが起こりにくいので、数十km~100km程度までの長距離をサポートすることが可能です。

以上を踏まえて【ア】【イ】を考えます。【ア】はマルチモードかシングルモードのどちらかが入ります。どちらかを判断するために直前の

高速かつ長距離の伝送に適した

という部分と、【イ】の部分を含めた

【イ】と呼ばれる中心部の直径が10μm以下と細く、光が伝わる経路(モード)が一つなので、高速かつ長距離の伝送が可能である。

を見ればわかります。コアの直径が10μmで高速・長距離に適していることからシングルモード光ファイバです。

【ウ】はちょっとわかりにくいですね。【ウ】の直前と直後の次の部分から判断するしかないです。まずは問題文の次の部分を見ます。

ISP-AとISP-Bの割り当てを受けているアドレス空間は、プレフィックス長で表すと、それぞれ17ビットと18ビットである

17ビットとか18ビットという中途半端なプレフィックス長であるということは、サブネッティングしているか集約しているかのどちらです。つまり、クラスレスなアドレッシングを行っていることになります。そこで、問題文の次の所を見ると、

連続する複数個のネットワークアドレスが使用されている。

とあるので、いくつかのネットワークアドレスがあってそれを集約した結果、17ビットや18ビットのネットワークアドレスになっていることがわかります。17ビットまたは18ビットよりも大きいプレフィックス長なので、クラスは当然クラスCになります。そのため、【ウ】には「C」が入ります。

【エ】はRIPのメトリックについてです。RIPは単純にあて先のネットワークまでに経由するルータの数、つまりホップ数に基づいてルートを選択します。【エ】には「ホップ数」が当てはまります。

【オ】はパケットの通信経路を確認するためのコマンドなので「traceroute」であることがわかります。

【参考URL】

written by Gene


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