日経コミュニケーション 2005.5.1 『メリハリ・ネットがやって来た P64~74』 by Gene

企業のネットワーク、特にWANの構築手法が変わってきているという、以前の記事、『企業ネット,”メリハリ・ネットワーク”時代に突入 P.146~P.149』 の続編のような内容です。

まず、冒頭にメリハリ・ネットワークの定義が書かれています。日経コミュニケーションには、ページのすみに、いつも用語解説が載っています。個人的に、このメリハリ・ネットワークの用語解説にある「メリハリ」という言葉の意味に受けました。以下、用語解説の引用です。

メリハリ=ゆるめることと張ること。「減り張り」または「乙張り」と書く。元々は音の高低や抑揚をつけることを表す言葉だったが、転じて物事の強弱などをはっきりさせるという意味にも使われるようになった。この特集では、コスト・パフォーマンスの高い通信サービスや機器/ソフトを使ったネットワークを「メリ」、高コスト・高信頼性のサービスを使ったネットワークを「ハリ」として、両者の組み合わせをメリハリ・ネットと称している。

※「メリハリ」という言葉の語源も知ることができて、なんだか得した気分になりました。

「メリ」のネットワークをもう少し詳しく考えると、

  • 割安VPNサービス
    ブロードバンド回線とキャリアの閉域IP網を利用するVPNサービス。NTTコムの「Group-VPN」など
  • 仮想広域イーサネット構築機器
    IP網上に仮想的に広域イーサネットを構築できるハードウェア機器。「Flebo」や「UnifiedGateシリーズ」など
  • 仮想広域イーサネット構築ソフト
    IP網上に仮想的に広域イーサネットを構築できるソフトウェア。「SoftEther」や「TinyVPN」など

「Group-VPN」 http://www.ntt-vpn.com/groupvpn/
「Flebo」 http://www.fujikura.co.jp/networking/fnx0610.html
「UnifiedGateシリーズ」 http://www.mrl.co.jp/sbg-sec/unifiedgate/
「SoftEther」 http://www.softether.com/jp/
「TinyVPN」 http://www.shimousa.com/tv/

を利用した低コストのネットワークです。多くは、ADSLやFTTHなどのベストエフォート型のブロードバンドアクセス回線を利用します。

一方、「ハリ」のネットワークは、

  • 広域イーサネット
  • IP-VPN

などのキャリアが提供する高品質なWANサービスを利用するネットワークです。アクセス回線は、専用線(デジタル、ATM、イーサネット)などの高コストですが、高い信頼性を確保することができます。

では、なぜ、いま「メリ」と「ハリ」のネットワークを組み合わせてメリハリネットワークが必要なのでしょう?

全国に存在する拠点をすべて、広域イーサネットやIP-VPNで接続すると高い信頼性を確保できますが、果たして、すべての拠点にそれだけの信頼性が必要でしょうか?信頼性よりも、回線速度が大きくてコストが安いほうがいいという拠点ももちろんあるはずです。
このような拠点の規模に応じて、複数のサービスを組み合わせるのが、メリハリネットワークのひとつの形です。
また、企業のネットワークには、大切な業務データを含む基幹系のデータと、メールやWebサイトの閲覧などの情報系のデータが流れます。情報系はそんなに高い信頼性が必要ですか?高い信頼性よりも高速な方がいいケースがあります。そして、バックアップ用のネットワークもそんなに高い信頼性はいりませ
んよね。現用系とバックアップ系でネットワークを使い分けるほうが効率的な通信ができるでしょう。
このようにネットワークの用途に応じて、複数のサービスを組み合わせるのも、メリハリネットワークの形といえます。

つまり、拠点の規模やネットワークの用途に応じて、柔軟にサービスを組み合わせていけば、効果的な回線増強やコスト削減が可能になります。これが、現在、メリハリネットワークが求められれている理由でしょう。

今回紹介している記事では、上記のようなメリハリネットワークの必要性、メリットを説明した上で、「割安VPNサービス」「仮想広域イーサネット構築機器」「仮想広域イーサネット構築ソフト」を導入して、メリハリネットワークを構築している構築事例を紹介しています。

~導入事例で紹介されている企業名~
「割安VPNサービス」
-不二家、キリンビール、名古屋銀行

「仮想広域イーサネット構築機器」
-A銀行、大林組

「仮想広域イーサネット構築ソフト」
-ガイア、イノック製造

こうした企業がどうして、メリハリネットワークを構築するにいたったのか、どんなサービス、機器、ソフトを利用しているのかを紹介しています。

ただ、今回の記事では、メリハリネットワークの「イイコト」しか書いていません。できれば、もうちょっと踏み込んで、メリハリネットワークを導入することによる、デメリットも書いているともっとよかったかなぁと思います。
メリハリネットワークでは、複数のサービスを組み合わせるので、どうしても設計、構築が難しくなるでしょう。特にルーティングについてきちんと考えないといけなくなるはずです。ルーティングを効率よく行うために、アドレッシングからの再設計が必要になるケースも考えられるでしょう。
構築が難しくなると、ネットワークを稼動させたときの運用管理も難しくなります。複数のサービスを組み合わせているので、障害発生時の問い合わせ先の一元化ができていなければ、障害復旧までに余計な時間がかかってしまうことも出てくるでしょう。

今後も日経コミュニケーションでは、メリハリネットワークの記事が出てくると思います。そのときには、メリットだけではなく、デメリットもきちんと書いてくれることを期待します。

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