Cisco CCNA フレームリレーの設定

フレームリレーの設定でやること

シスコルータでフレームリレーの設定を行ってみましょう。シスコルータでのフレームリレーの基本的な設定はとても簡単です。
シリアルインタフェースをフレームリレーのカプセル化にするということと、通信する対向のルータのIPアドレスとDLCI番号を対応付けるだけです。IPアドレスとDLCIの対応付けは、LANにおいてIPアドレスとMACアドレスの対応付けを行うことと同じようにとらえてください。
なお、デフォルトで有効になっているInverse ARPを利用すれば、IPアドレスとDLCI番号の対応付けは設定する必要はありません。ただし、フレームリレーのトポロジがパーシャルメッシュやハブ&スポークのときは、Inverse ARPだけではうまくいかないことがあります。その場合は、スタティックにIPアドレスとDLCIの対応付けを設定します。

フレームリレーの設定例

では、次の図のルータAでの実際の設定例を見ていきましょう。この設定例では、IPアドレスとDLCIの対応付けをInverse ARPではなくスタティックに設定します。



※図はクリックすると拡大します。

まず、グローバルコンフィギュレーションモードからSerial0/0のインタフェースコンフィギュレーションモードに入り、IPアドレスの設定を行います。デフォルトの状態ではインタフェースはシャットダウンされています。もしシャットダウン状態なら、no shutdownコマンドも入力します。

(config)#interface serial 0/0
(config-if)#ip address 192.168.1.1 255.255.255.0
(config-if)#no shutdown


次に、このインタフェースは「フレームリレーのインタフェースです」と宣言するためのコマンドを入力します。
(config-if)#encapsulation frame-relay

このコマンドのあとに「cisco」もしくは「ietf」と続けることができます。これはフレームリレーのカプセル化タイプの指定です。デフォルトは「cisco」です。シスコのフレームリレーカプセル化と他のベンダのカプセル化は微妙に異なります。対向のルータがシスコルータであればデフォルトのまま、シスコルータでなければ「ietf」を指定します。Inverse ARPが有効になっているのならば、フレームリレーの基本設定はこれだけでOKです。

Inverse ARPによる対応付けではなく、スタティックな対応付けを行うためには次のコマンドを利用します。

(config-if)#frame-relay map ip 192.168.1.2 100 broadcast
(config-if)#frame-relay map ip 192.168.1.3 200 broadcast
最後の「broadcast」というキーワードは、フレームリレー上でブロードキャストパケットを送信できるようにするためのものです。送信先IPアドレスがブロードキャストやマルチキャストであるパケットをフレームリレーに転送するときは、broadcastキーワードがつけられているDLCI番号を使うことができます。つまり、この例では、送信先IPアドレスが255.255.255.255のブロードキャストパケットは、2つに複製されてDLCI100とDLCI200のフレームリレーヘッダがつけられ、フレームリレーネットワークに送信されていきます。
ルーティングプロトコルは、通常、マルチキャストやブロードキャストを使います。そのため、フレームリレー上でルーティングプロトコルを動作させるときには「broadcast」を忘れないようにしてください。

設定したフレームリレーのDLCIとIPアドレスの対応付けは、次のコマンドで確認することができます。

#show frame-relay map
Serial0/0 (up): ip 192.168.1.2 dlci 100(0x64,0x1840), static,
broadcast,, status defined, active
Serial0/0 (up): ip 192.168.1.3 dlci 200(0xC8,0x3080), static,
broadcast,, status defined, active

他にはPVCの状態を確認するためのshow frame-relay pvcなどのコマンドもあります。

フレームリレーの基本設定は以上です。あっけないほど簡単だと思われるかもしれません。もちろんもっといろんな設定があります。CIRの設定など、フレームリレー網の混雑に合わせて送信する速度を調整するフレームリレートラフィックシェイピングといったような機能もあります。基本は簡単ですが、フレームリレーの設定は奥が深いので、興味がある方はぜひ勉強してみてください。

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