Cisco IOS Login Enhancements(後半)

はじめに

今回はCisco IOS Login Enhancements機能を設定するときのお話です。
実際の仕事にも使えそうな機能だと思いますので、実機をもっているかたは設
定して、実際にTelnetでアクセスするなどしてどんなログが出力されるのか見
てみると良いと思います。

Default設定

Login Enhancements機能はDefaultでは無効になっています。

Configuring Cisco IOS Login Enhancements

以下に設定のステップを示します。

Step1
Router# conf t

まず、Global Configuration Modeに移ります。

Step2
Router(config)# login block-for seconds attemps tries within seconds

quiet modeの設定をします。引数は以下のようになります。
seconds・・・Login要求を全く受け付けない時間を設定します。単位は秒です。
1~65535まで指定できます。
tries・・・Loginが何回失敗したらquiet modeにするかを指定します。1~65535
回まで指定できます。
seconds・・・ここで指定した秒の間、triesの数だけLoginが失敗するとquiet mode
に移行します。1~65535秒まで指定できます。

このコマンドは、他のloginコマンドよりも必ず先に実行されている必要があ
ります。このコマンドを有効にすると、デフォルトで1秒のDelayが有効になり
ます。

Step3
Router(config)# login quiet-mode access-class acl

Loginに何度失敗してもquiet modeにならないホストをACLで指定できます。こ
の設定はoptionalです。

Step4
Router(config)# login delay seconds

Loginに失敗してから、次のPromptが出るまでのDelayを設定できます。この設
定はoptionalです。指定できるのは1~10秒までです。

Step5
Router(config)# login on-failure log [every login]

Login認証に失敗したらSyslogに出力します。every引数は、Syslogに出力する
間隔を指定します。指定しない場合は1となります。この設定はoptionalです。

Step6
Router(config)# login on-success log [every login]

Login認証が成功したらSyslogに出力します。every引数は、Syslogに出力する
間隔を指定します。指定しない場合は1となります。この設定はoptionalです。

Step7
Router(config)# end

以上で設定は終了です。

Configuration Example

設定例を以下に示します。ここでは、Login試行が3分以内に3回連続で失敗し
た場合、Login要求を30秒間受け付けないようにしています。また、Login認証
が失敗して次のPromptが表示されるまで2秒のDelayを設けています。

Router(config)# login block-for 30 attempt 3 within 130
Router(config)# login on-failure delay 2

quiet modeになったときには以下のSyslog Messageが表示されます。以下の出
力内容は、上のコンフィグとは関係ありません。

00:04:07:%SEC_LOGIN-1-QUIET_MODE_ON:Still timeleft for watching failures
is 158 seconds, [user:sfd] [Source:10.4.2.11] [localport:23]
[Reason:Invalid login], [ACL:22] at 16:17:23 UTC Wed Feb 26 2003

このログが頻繁に見られるような場合、何者かが不正アクセスを試みている可
能性があります。ログには送信元のアドレスが表示されるので、それを利用し
てアクセス元を追跡できるかもしれません。

不正アクセスを試みる場合、送信元アドレスはSpoofingされないことがほとん
どだと思います。
#単純にDoSが目的ならSpoofingされることも考えられます。

Advanced Configuring Exercise

さて、基本的な設定は比較的単純ですので、いきなり応用問題をやってみまし
ょう。

要件は以下のとおりです。
-5分以内に5回連続でLogin認証に失敗したら60秒間Login要求を受け付けない
ようにしてください。
-Login試行が失敗・成功したらSyslogに記録できるようにしてください。
-SyslogにTimestampが正しく記録できるようにしてください。
-Loginが失敗する場合は毎回、成功する場合は3回に1度の割合で記録してください。
-1.1.1.1と2.2.2.2のアドレスを持つホストは何度失敗してもすぐにLogin試
行ができるようにしてください。

では、解答です。

-5分以内に5回連続でLogin認証に失敗したら60秒間Login要求を受け付けない
ようにしてください。

まずこの要件に対するConfigは以下のようになります。

Router(config)# login block-for 60 attempt 5 within 300

この問題では秒や分といった異なった単位が含まれています。ミスしないよう
に気をつけましょう。

-Login試行が失敗・成功したらSyslogに記録できるようにしてください。

この問題をぱっと見たときに、特に設定が必要ないと思われた方もいるかもし
れませんが、以下の設定が必要です。

Router(config)# logging buffered
Syslogをローカルバッファに記録します。

-SyslogにTimestampが正しく記録できるようにしてください。

Timestampと言えば以下の設定ですね。

Router(config)# service timestamps log datetime localtime

この設定に限定されるものではないので、msec単位にしたりtimezoneを表示し
たりするようなオプションをつけていてもOKです。

-Loginが失敗する場合は毎回、成功する場合は3回に1度の割合で記録してください。

Router(config)# login on-failure log
Router(config)# login on-success log every 3

-1.1.1.1と2.2.2.2のアドレスを持つホストは何度失敗してもすぐにLogin試
行ができるようにしてください。

Router(config)# ip access-list standard Excluded_HOSt
Router(config-std-nacl)# permit host 1.1.1.1
Router(config-std-nacl)# permit host 2.2.2.2
Router(config)# login quiet-mode access-class Excluded_HOST

設定は以上となります。

Further Reading

DocumentへのLinkです。いつもマニュアルへのLinkとなってしまいますが、そ
れ以外にCCOで載ってないんですよね(笑)

Cisco IOS 12.4 Configuration Guide

さて、次回は、Cisco2600シリーズで裏技使って12.3T動かしている方必見の
Featureについてのお話です。

次回のコンテンツは、

-はじめに
-Feature Overvie

-Benefits

-Configuration Archive

-Configuration Replacement

-Configuration Rollback
-Restrictions

です。お楽しみに。

By 『Overseas and Beyond』 Koichi
http://overseasandbeyond.blogspot.com/

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