Configuring Flex Links(1回目)

はじめに

今回からはCatalystスイッチの新しい機能であるFlex Linkについてお勉強し
たいと思います。
Flex Linkは、簡単に言うとルータのBackup Interfaceに良く似ています。ま
た、MAC Address-Table Move Updateという機能についても併せて見ていきま
すが、この機能はFlex Linkでトポロジが変わったときのコンバージェンス時
間を早めるための機能です。

Understanding Flex Links and the MAC Address-Table Move Update

ここではFlex Linkという機能とMAC Address-Table Move Updateという機能に
ついて説明します。

-Flex Links
Flex Linksというのは、Layer 2 interfaceのペアで一方のインタフェースが、
もう一方のインタフェースのバックアップとして動作するインタフェースのこ
とです。この機能はSpanning Tree Protocol (STP)の代替策として使用できま
す。
ユーザはSTPを無効にしたままで、基本的なリンク冗長化を行うことができま
す。Flex Linkは一般的にはSTPを動かしたくないサービスプロバイダや企業の
ネットワークで設定されます。STPが動作していれば、Flex Linkは必要ありま
せん。なぜならSTPは既にリンク冗長の機能を提供しているからです。

Flex Linkは他のLayer2インタフェースをFlex Linkまたはバックアップリンク
として設定することで、あるLayer2インタフェースをアクティブリンクとして
設定できます。Flex Linkは同一のスイッチに設定できます。

1つのリンクがUPしていてトラフィックを転送しているとき、もう一方のリン
クはスタンバイモードになり、片方のリンクがダウンしたときにトラフィック
を転送できるように準備しています。
常にどちらか一方のリンクのみがUPしていてトラフィックを転送します。アク
ティブリンク(通常時に使用されているリンク)がダウンして、スタンバイリ
ンクがトラフィックを転送します。アクティブリンクがUPに戻るとアクティブ
リンクはスタンバイモードになり、トラフィックは転送しません。Flex Link
インタフェースではSTPは無効になります。

以下のリンクにある図を見てください。
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/lan/c3550/12225see/scg/swflink.htm#wp1056674

swtichAのports1と2はアップリンクのswitchBとswitchCに接続されています。
これらのポートはFlex Linkに設定されているため、一方のインタフェースだ
けがトラフィックを転送します。もう一方はスタンバイモードです。
port1がアクティブリンクだった場合、トラフィックはport1とswitchBの間で
流れます。バックアップリンクのport2とswitchCの間のリンクにはトラフィッ
クは流れません。
port1がDownしたらport2はUPとなりトラフィックの転送をswitchCに始めます。
Port1がUPになったら、port1はスタンバイモードとなりトラフィックを転送し
ません。Port2が引き続きトラフィックを転送します。
オプションでトラフィックを優先的に流したいportを指定することでpreemption
を設定できます。例えば、先ほどのFlex Linkの例でport1がport2よりも広帯
域だとした場合、port1がUPに戻ったときに60秒待ってからport1がトラフィッ
クの転送を始めて、port2がスタンバイに戻るということも可能です。これは
preemption modeの設定と、bandwidth、delay関連を設定するコマンドを投入
することで実現できます。
Flex LinkはLayer2インタフェースのみでサポートされていて、Layer3ポート
ではサポートされていません。

-MAC Address-Table Move Update
MAC Address-Table Move Update featureはFlex LinkのアクティブリンクがDown
してスタンバイリンクがUPしてトラフィックが流れはじめるときに両方向の高
速コンバージェンスを提供する機能です。

以下のリンクにある図を見てください。
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/lan/c3550/12225see/scg/swflink.htm#wp1067912

switchAはアクセススイッチで、switchAのport1とport2はアップリンクのswitchB
とswtchCに接続されており、これらのポートはFlex Linkペアです。Port1がト
ラフィックを転送していて、port2はスタンバイモードになっていたとします。
PCからサーバへのトラフィックはswtichAのport1からswitchCのport3を経由し
ます。switchCはPCのMACアドレスをport3で学習します。サーバからPCへのト
ラフィックはswitchCのport3からswitchAのport1を経由します。
MAC Address-Table Move Update featureが無効になっていた場合でport1がDown
した時、port2がトラフィックを転送できる状態に変わります。しかし、switchA
のportが切り替わった直後はまだswitchCはPCのMACアドレスをport3で記憶し
たままです。サーバからPCのトラフィックが流れてきた場合、switchCはport3
にトラフィックを流してしまい、switchAのport1はDownしているのでPCはデー
タを受け取ることができません。
switchCがPCのMACアドレスをtableからremoveするか、PCからのトラフィック
が来てport4でPCのMACアドレスを再学習すればサーバからPCへのトラフィック
はswitchCのport4からswitchAのport2へと流れてPCはデータを受け取れます。

MAC Address-Table Move Updateが設定されていた場合、port1がDownしてport2
がトラフィックを転送できる状態になると、スイッチはMAC address-table move update packet
をport2から流します。
switchCはそのパケットをport4で受け取ると直ちにPCのMACアドレスをport4で
再学習でき、コンバージェンス時間を短縮できます。
MAC address-table move update messageを送信するためにswitchAに設定しま
す。また、アップリンクのswitchB、C、そしてDはmac-address move update message
を受信するための設定をします。
switchCがMAC address-table move update messageをswitchAから受け取ると、
switchCはPCのMACアドレスをport4で学習してMACアドレステーブルを更新しま
す。

次回はFlex LinkとMAC Address-Table Move Updateの設定について見ていきま
す。

By 『Overseas and Beyond』 Koichi

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