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「データを転送する」とはどういうこと?
ネットワークを介してさまざまなデータを転送しています。そのことを表すために、以下のような図をよく見かけることがあるでしょう。
こうしたネットワーク上でデータを転送することがどういうことを意味するのか、詳しく考えてみましょう。
データは物理的な信号に変換される
PC/サーバ/スマートフォンなどで扱っている「データ」にはいろんな種類があります。文章を記しているテキストファイル、動画や音声ファイルなどなど。これらのデータはすべて「0」「1」で表すデジタルデータです。
「0」「1」のデジタルデータをそのままでは、ネットワーク上には流すことはできません。ネットワーク上に流すために、適切な物理信号に変換しています。物理的な信号として、以下のものがあります。
- 電気信号
- 光信号
- 電波
デジタルデータを物理的な信号に変換して伝えていくのですが、物理的な信号を伝えるための媒体が伝送媒体です。伝送媒体の一番わかりやすい例はケーブルです。LANケーブルに電気信号(電流)を流したり、光ファイバケーブルに光信号を流していきます。伝送媒体として有線のケーブルだけではなく、電波も挙げられます。無線LANやスマートフォンの4G通信はデジタルデータを電波に変換して、空気中に送り出します。その際、デジタルデータを変換した電波を搬送波という電波に重ねあわせています。
なお、通信速度は、デジタルデータをどのように物理信号に変換するかという変換方式が大きく影響します。
なお、「0」「1」のデジタルデータと物理的な信号の境界が各機器の備えているネットワークのインタフェースです。
データを送信するときには、送信元のデバイスのネットワークインタフェースからデジタルデータを変換した物理信号を送り出しています。
データの転送とは
ネットワーク上でのデータの転送とは、送信元デバイスのネットワークインタフェースから送り出された物理信号を適切なインタフェースまで伝えていくことです。
送信元から送り出される物理信号と宛先まで届く物理信号の種類は同じである必要はありません。送り出すのが電気信号で、宛先に届くのが光信号のように違っていても問題ありません。
このように適切なインタフェースまで物理信号を送り届けるための役割を持っているのが普段利用しているネットワークです。データを転送する役割を持つ「基盤」という意味を強調してネットワークインフラストラクチャとも呼びます。
ネットワークインフラストラクチャを構築するためには、いろんな技術があり、それらの技術に対応したさまざまなネットワーク機器を用います。たとえば、イーサネットや無線LAN(Wi-Fi)がよく利用されている技術です。そして、イーサネットに対応しているルータやレイヤ2スイッチ/レイヤ3スイッチなどを用いてネットワークインフラストラクチャを構築しています。闇雲にネットワーク機器を組み合わせてもネットワークインフラストラクチャは完成しません。きちんと技術の仕組みを理解して、各機器の役割や特徴を知っておかなければいけません。
ネットワーク上でのデータの転送とは、送信元デバイスのネットワークインタフェースから送り出された物理信号を適切なインタフェースまで伝えていくことです。