IPアドレッシングを基本から復習しましょ! その13

ルート集約

前回までで、ネットワークを複数に分割するサブネッティングを一通り解説し
ました。今回から、ルート集約を扱っていきます。

ルート集約とは、

「複数のネットワークをひとつのネットワークアドレスにまとめる」

ことを意味します。
「ルートサマリー」や「ルートアグリゲーション」、「スーパーネッティング」
という場合もあります。

ルート集約を行うことで、

  • ルータのルーティングテーブルのサイズを小さくする
  • ルータの負荷を軽減する
  • 個別のネットワークの障害の影響を限定する

などのメリットがあります。
大規模なネットワークで安定してルーティングできるようにするためには、ル
ート集約は非常に重要です。

ネットワークアドレスをまとめてしまってもルーティングできるの?

ルーティングの原則についてしっかりと勉強している方は、ルート集約でネッ
トワークアドレスをまとめてしまってもルーティングできるの???と疑問に
思うかもしれません。

ここで、ルーティングの原則について振り返ります。
ルータがIPパケットをルーティングするためには、あらかじめルーティングテ
ーブル上にルート情報を登録しておかなければいけません。たとえば、次の図
のルータR1で192.168.1.0/24へルーティングするためには、ルーティングテー
ブルに192.168.1.0/24のルート情報が登録されていないといけないわけですね。

ルート集約をするということは、

192.168.1.0/24
192.168.2.0/24
192.168.3.0/24
192.168.4.0/24

といった複数のネットワークのネットワークアドレスを、

192.168.0.0/16

のように1つにまとめることです。
そうすると、ルーティングテーブルには192.168.1.0/24の代わりに
192.168.0.0/16のルート情報が登録されることになります。じゃ、
192.168.1.0/24のルート情報がないのに192.168.1.0/24あてのパケットをルー
ティングできるの???というのが先ほどの疑問です。

この答えは、「できます」。

感覚的に、192.168.1.0/24というルート情報は集約した192.168.0.0/16に含ま
れるので大丈夫だろうと予想できますね。でも、明確に説明できますか???
明確に説明するためには、ルーティングテーブルの検索方法である「ロンゲス
トマッチ(Longest Match)」について知っておく必要があります。


※このコンテンツは、2006/6/19にリリースしたCCNAテキストの一部です。CCNAテキストは、ボリューム900ページ以上!徹底的に詳細な解説でCCNA合格だけでなく、ネットワーク技術の大幅なスキル
アップに最適です!!