IPアドレッシングを基本から復習しましょ！ その1
目次
IPアドレスとは
IPアドレスとは、TCP/IPネットワーク上で特定のホストを識別するための情報
です。正確に言うと、特定のインタフェースの識別ですね。ルータなど、複数
のインタフェースを持っているホストはインタフェースごとにIPアドレスが設
定されています。
現在、ほとんどのネットワークではIPv4を利用しています。IPv4では、IPアド
レスは32ビットです。次世代のIPであるIPv6では、IPアドレスは128ビットで
す。以降では、特に断りがない限り、「IPアドレス」はIPv4の32ビットのアド
レスをさしているものと考えてください。
IPアドレスの書き方
IPアドレスは32ビットです。つまり、2進数の「0」「1」が32個並んだものに
なります。コンピュータ上ではそれでもいいです(というか、そのほうがいい)。
でも、私たち人間にとっては、32ビットもの2進数はわかりにくいものです。
そこで、一般的にIPアドレスの表記は8ビットずつ10進数に変換して、「.(ドット)」
で区切る方法をとります。これを「ドットつき10進表記」といいます。
「192.168.1.1」
という形の表記をよく見かけますね。8ビットずつなので、0～255の10進数を
「.」で区切って4つ並べればいいです。
IPアドレスの構成
TCP/IPネットワークは、いくつものネットワークが相互に接続して成り立って
います。(ここで言う「ネットワーク」とは、ルータやレイヤ3スイッチで区切
られる範囲を示しています)
そのため、TCP/IPネットワーク上の特定のインタフェースを識別するためには、
まず、どのネットワーク上に存在するインタフェースであるかの情報が必要で
す。これを「ネットワークアドレス」といいます。そして、ネットワーク上の
たくさんのインタフェースのうち、ひとつのインタフェースを識別するための
情報が必要です。これは「ホストアドレス」と呼ばれます。
つまり、
「IPアドレス=ネットワークアドレス+ホストアドレス」
という構成になっているわけです。
IPアドレスでややこしいのは、ネットワークアドレスとホストアドレスの区切
りが一定じゃないことです。あるアドレスのネットワークアドレスは16ビット
でホストアドレスが16ビット、別のアドレスのネットワークアドレスは8ビッ
トでホストアドレスが24ビットなんてことがあります。
この点、昔よく使われていたIPXはわかりやすいです。IPXアドレスでは必ずネ
ットワークアドレスは32ビットでホストアドレスは48ビットでした。また、IPv6
アドレスもネットワークアドレスとホストアドレスの区切りは固定です。IPv6
アドレスはネットワークアドレスを「プレフィクス」、ホストアドレスを「イ
ンタフェースID」といいます。プレフィクス、インタフェースIDともに64ビッ
トです。
アドレスクラス
さて、IPアドレスはネットワークアドレスとホストアドレスから構成されると
いうことですが、ネットワークの規模とホストアドレスの関連について考えま
す。
ネットワークの規模が大きいということは、そのネットワーク上にたくさんの
ホスト(インタフェース)が含まれていることになります。つまり、利用可能な
ホストアドレスの数が多いということがネットワークの規模が大きいことにな
ります。逆に、利用可能なホストアドレスの数が少ないとネットワークの規模
は小さいということですね。
ホストアドレスの数の多い・少ないはホストアドレスとして32ビットのうち、
何ビット使っているかによって変わります。ホストアドレスのビット数をnビ
ットとすると(2^n-2)個のホストアドレスがあります。(「-2」することについ
てはあらためて解説します)
ホストアドレスとして利用するビット数の多い・少ないは、結局、ネットワー
クアドレスとホストアドレスの区切りがどの部分にあるかによります。
そこで、ネットワークの規模に応じたIPアドレスとして、クラスが定義されて
います。クラスによって、IPアドレスの32ビットのうち、ネットワークアドレ
スとホストアドレスの区切りが決まります。ホストアドレスのビット数が多い
クラスは大規模ネットワーク、少ないクラスは小規模ネットワークとなります。
また、クラスを識別するためにクラスごとにIPアドレスの先頭部分のビットパ
ターンを決めています。
IPアドレスを見れば、どのクラスのIPアドレスであるかがわかります。クラス
がわかれば、どこまでがネットワークアドレスでホストアドレスがいくつであ
るかがわかるようになっています。
クラスの詳細は、次回以降で解説します。
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