スイッチ(スパニングツリー)

概要

ブロードキャストストームなど、スイッチで冗長リンクを構成した 場合の問題点を解決するためにスパニングツリーがあるということ でした。スパニングツリーは以前、ブリッジでも解説しましたが、 あるポートをブロックすることによってループをなくしています。 どのポートをブロックしていくのかということを決めるプロセスを 今回解説していきます。 スパニングツリーは次のようなプロセスで、ブロックするポートを 決定します。

  • ルートブリッジの選択
  • 代表ポート、ルートポートの選択
  • ポートのブロック

このことを見ていくために、前回と同じスイッチ2台で冗長リンクを 構成しているネットワークを考えます。

ルートブリッジ

スイッチにはブリッジのときと同じく、ブリッジIDというものを持っ ています。(スイッチだけどブリッジIDって呼んでいるんです、なぜ か・・・あんまり細かいことは気にしないようにしましょう) ブリッジIDの復習ですが、これは2バイトのプライオリティ値とMAC アドレスからなりたっています。 このブリッジIDをスイッチはお互いにBPDU(Bridge Protocol Data Unit) を使って教えあいます。説明のために、スイッチAのブリッジIDを1、 スイッチBのブリッジIDを2としています。ちなみに、各スイッチは 2秒ごとにBPDUを出しています。

BPDUでお互いにブリッジIDを教えあって、ブリッジIDが一番小さいものが ルートブリッジになります。この例では、スイッチAの方がブリッジ IDが小さいのでスイッチAがルートブリッジになるわけです。このル ートブリッジを中心として、データの転送が行われていくことにな ります。

ポートの決定

で、次に代表ポート(DP:Designated Port)とルートポート(RP:Root Port) を決めていきます。 代表ポートというのは、各セグメントからルートブリッジまでの一 番近道になるポートです。ルートポートは、各ブリッジからルート ブリッジに一番近道になるポートのことです。代表ポート、ルート ポートはともにブロックされることはありません。

まず代表ポートを考えると、セグメント1、2ともにルートブリッジ に接続されているポートが代表ポートになります。ルートブリッジ に接続されているポートが一番ルートブリッジに近いのは当たり前 ですね。
スイッチBのルートポートを決めるには、どのポートが一番ルートブ リッジに近いかということを考えます。どっちが近いかというのは、 通信速度で決めていきますが、この場合通信速度は同じです。通信 速度が同じ場合、通常ポート番号が小さいものが優先されます。と いうことで、スイッチBのポート1がルートポートに決まります。そ して残ったあと1つのポートがブロック状態になります。この様子が 下の図です。

このようにルートブリッジ、代表ポート、ルートポート、ブロック ポートを決めていって、ルートブリッジを中心にデータを転送して いくことによってループがないネットワーク構成になります。

注意点

ただし、注意しないといけないのはネットワークが変化するとまた 1からスパニングツリーの計算が始まってしまうということです。スパニングツリーによって、ルートブリッジが決まり最終的にブロックするポートを特定するまでに約50秒かかります。その間データの 転送は行うことができません。

ネットワークの変化、たとえば、新 しくスイッチを追加したり、スイッチにつながっているケーブルを 抜いたり挿したりするとそのたびに50秒間スパニングツリーの計算 が必要になります。

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