Cisco CCNA DDR(Dial on Demand Routing:ダイアルオンデマンドルーティング)って何?
| DDRの目的 ISDNを利用した通信は通常、接続した時間によって課金される従量課金制です。ですから、ずっとつなぎっぱなしというのは現実的ではありません。そんなことをすると、月末の請求書がとてつもない金額になってしまいます。 そこでDDRを利用することによって、実際にデータを送信したいときだけ、ISDN回線を接続してデータを送信し終わったら回線を切断します。ただし、ルーティングプロトコルなどの制御用のデータを送信するために1回1回、回線を接続すれば、結局は通信料金がかさんでしまいます。たとえば、RIPでは30秒に1回、ルーティングテーブルをブロードキャストするので、RIPのパケットを流してしまうと、ずっと回線をつないでしまうことになります。 つまり、 「必要なデータだけ」 を 「必要なときだけ」 ISDN回線に接続して送信することがDDRの目的です。 そして、「必要なデータ」のことをインタレスティングトラフィックやインタレスティングパケットと呼んでいます。 |
| DDRの動作 次に、DDRの動作について説明します。ルータにあるIPパケットがやってきてルーティングを行います。 ルーティングした結果、出力インタフェースが決まり、そのインタフェースにDDRの設定がされている場合、そのパケットがインタレスティングトラフィックであるかどうかを判断します。 インタレスティングトラフィックであれば、設定されている接続先のダイアル情報から、ルータは電話をかけてISDN回線を接続してパケットを送信します。もしも、インタレスティングトラフィックでない場合は、2つのパターンがあります。回線が接続されていないときは、ダイアルすることなくパケットを廃棄します。しかし、すでに回線が接続されている状態であれば、インタレスティングトラフィックでなくても転送することができます。 また、ISDNの接続はアイドルタイマーというタイマーによって管理します。アイドルタイマーがタイムアウトすると回線を切断します。インタレスティングトラフィックがISDN回線を通るたびに、アイドルタイマーはリセットされるのでインタレスティングトラフィックがある限りは、回線は接続されたままです。しかし、インタレスティングトラフィックでないパケットがISDN回線を通っても、アイドルタイマーのリセットは行われません。なお、アイドルタイマーのデフォルト値は120秒です。 以下の図でDDRの動作をフローチャートにまとめています。 ![]() 以上の動作を考えると、DDRではなにを設定すべきかがはっきりします。 DDRでは、次の情報を設定する必要があります。 ・ISDNネットワークの向こう側にあるネットワークへの経路 ルーティングプロトコルを使うと、定期的にパケットを送信する必要があります。すると、ISDN回線がずっと接続されたままになってしまいます。ですから、通常はスタティックに経路を決定します。 ・インタレスティングトラフィックの定義 ダイアラーリストと呼ばれるリストによってインタレスティングトラフィックを定義します。ダイアラーリストとアクセスリストを関連付けることによって、詳細な定義を行うことができます。 ・接続先のダイアル情報 接続する先の電話番号を定義します。インタレスティングトラフィックであり、回線が接続されていないときには、ここに定義された電話番号にダイアルします。 |
| ISDN、DDRの設定 では、次の図のネットワークを例にとって実際にISDN、DDRの設定を見ていきましょう。 ![]() この例では、以下のような条件に従って設定を行うものとします。 ・ISDNスイッチタイプは「NTT」 ・ICMPパケットをインタレスティングトラフィックとする ・アイドルタイマーを60秒とする この条件に基づいてrouter_Aを設定した例を見てみましょう。 まず、2行目はISDNで必ず設定しなければいけないものです。接続するISDN交換機のタイプによってswitch-typeを設定します。この設定は契約するサービスプロバイダによって教えてもらうことができます。日本では、「NTT」となります。 10行目では、router_Bのネットワークへ到達するためにスタティックルートを定義しています。このあて先へのパケットはISDNのインタフェース(BRI0/0)にルーティングされます。 インタレスティングトラフィックについての設定は、8、12、14行目で行います。12行目のdialer-listコマンドでインタレスティングトラフィックを定義します。dialer-listコマンドの中で14行目のアクセスリストに関連付けて、ICMPパケットだけをインタレスティングトラフィックにしています。もし、RIPなどのルーティングプロトコルを利用しているときは、ダイアラーリストの設定を気をつけてください。ルーティングプロトコルのパケットでISDNの接続がされないように、インタレスティングトラフィックを定義しなければいけません。 そして、定義したインタレスティングトラフィックを8行目のdialer-groupコマンドによってISDNインタフェースと関連付けをしている設定です。同じ色の丸で囲んでいる数字は一致していなくてはいけません。 7行目でISDN回線を接続する接続相手のダイアル情報を設定しています。dialer mapコマンドを利用して、ネクストホップIPアドレスと電話をかける電話番号の対応付けを行っています。 6行目のdialer idle-timeoutコマンドでアイドルタイマーの値を60秒に変更しています。 図には示していませんがもちろん、対向のrouter_Bでも設定が必要になってきます。 このような設定で、ISDN回線を必要なときにだけ接続してパケットをルーティングするDDRを行うことができます。 ※CCNAには、このぐらいのことが理解できていればたぶん対応できるでしょう。CCNA試験の対策としてオススメなのは以下の書籍です↓
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