平成13年ソフトウェア開発午後ネットワーク関連問題
通信ネットワークに関する次の記述を読んで、設問1〜3に答えよ。 S社のネットワークは、LAN1〜3の三つの支線と主系及び二つの幹線から成っている。 支線は通信速度が10Mビット/秒で、パソコン、サーバ、プリンタなど(以下、総称してPCという)が接続されている。幹線は通信速度が100Mビット/秒で、ルータを介して各支線と接続されている。従系幹線は予備であり、通常は主系幹線を使用する(図参照)。 ![]() ルータ同士は経路情報を交換し合っており、それぞれのルータは他のルータから通知される経路情報を常にモニタしている。あるルータからの通知が一定時間以上途切れると、そのルータは故障したものと見なす。 ルータ同士が交換し合う経路情報には、ネットワーク上の距離を数値で表したホップ数が含まれている。ホップ数とは、ある支線から最初にそのルータを経由してほかの支線に到達するまでの間に通過しなければならない最少のルータ数である。この際の通信経路は、一度通った支線又は幹線を再度通ることがないように選ばれる。 ある支線のPCがほかの支線のPCと通信する場合、PCは最少のホップ数で通信できるルータを選択する。そのため、ルータはそのルータに接続している支線のPCに経路情報を通知する。すべてのルータが正常な場合、主系のルータ(1A、2A、3A)だけが経路情報をPCに通知し、従系のルータ(1B、2B、3B)は通知しない。しかし、ほかのルータの故障を検出すると、従系のルータも経路情報を通知し始める。 ルータがPCに通知する経路情報は、”目的の支線名:ホップ数”で表す。例えば、すべてのルータが正常な場合、ルータ1AがLAN1のPCに通知する経路情報は、LAN2:2,LAN3:2になる。 なお、各支線相互間(各支線内も含む)で転送される平均データ量は表1の とおりである。 ![]() [設問1] 次の表は各支線の平均データ量である。(ア)〜(ウ)に入れる適切な数値を答えよ。 ![]() 正解:(ア)2.5Mビット/秒 (イ)4.3Mビット/秒 (ウ)3.0Mビット/秒 解説: これはなんてことない問題ですね。各LANが出すトラフィックと他のLANから入ってくるトラフィックを足していけばいいです。つまり、表1をそれぞれ縦方向と横方向に見ていけば簡単に正解に辿り着くことができるはずです。 つまり、表のそれぞれ赤いところを足していくことになります。 LAN1 ![]() LAN2 ![]() LAN3 ![]() [設問2] 経路情報に関する次の記述中の(エ)〜(キ)に入れる適切な数値を答えよ。 ルータ1Aが故障すると、一定期間後、従系のルータも各支線のPCに経路情報を通知し始める。 このとき、ルータ2AがLAN2のPCに通知する経路情報は、LAN1:(エ)、LAN3:(オ)である。同様に、ルータ2BがLAN2のPCに通知する経路情報は、LAN1:(カ)、LAN3:(キ)である。 正解:(エ)3 (オ)2 (カ)2 (キ)2 解説: 実際に1Aを通らずに行く経路を考えてみれば簡単にわかる問題ですね。ただ、1点注意しなければいけない点は、問題文中に書かれているホップ数の定義です。 問題文にはこうあります。 ”ホップ数とは、ある支線から最初にそのルータを経由してほかの支線に到達するまでの間に通過しなければならない最少のルータ数である” 通知するルータ自身もホップ数に含まれているんですね。ですから、ルータを起点に考えるよりも支線上のPCを起点に考えるといいでしょう。 ルータ1Aが故障のときの経路は次の図のようになります。 ![]() ルータ1Aが故障した場合、LAN2上のPCからルータ2Aを経由するルートは次のように考えられます。 PC(LAN2)〜LAN1 LAN2→ルータ2A→LAN2→ルータ2B→従系幹線→ルータ1B→LAN1 このとき、ホップ数は3です。 PC(LAN2)〜LAN3 LAN2→ルータ2A→主系幹線→ルータ3A→LAN3 ホップ数は2です。 同じように、LAN2上のPCからルータ2Bを経由するルートは、 PC(LAN2)〜LAN1 LAN2→ルータ2B→従系幹線→ルータ1B→LAN1 ホップ数は2です。 PC(LAN2)〜LAN3 LAN2→ルータ2B→従系幹線→ルータ3B→LAN3 ホップ数は2です。 余談ですが、主系のルータがダウンしたら従系のルータが自動的に経路情報を流すなんてルーティングプロトコルあるんでしょうかねぇ・・・?ぼくはそんなルーティングプロトコル聞いたことないです・・・なんとなくRIPっぽいのですが、RIPでそんな制御はできないですよねぇ・・・ [設問3] ルータ1Aと他の一つのルータが故障し、一部の支線でレスポンスが悪化したことがある。次の記述は、このとき発生したレスポンス悪化に関する考察の一部である。 レスポンス悪化に関する次の記述中の(ク)、(ケ)に入れる適切なルータ名と、(コ)に入れる適切な支線の番号を答えよ。 なお、このネットワークは、データ量が支線で5Mビット/秒以上、幹線で40Mビット/秒以上になると、急激にレスポンスが悪化する。 ルータ1Aが故障して、一定期間経過すると、従系のルータも経路情報を支線のPCに送り始め、その結果、従系幹線が利用できるようになる。したがって、ルータ2A、3Aなどの主系のルータが故障しても、従系を利用できるので通信上の問題は発生しない。 ある支線から目的とする別の支線へ通信を行う場合、ルータ1台だけの故障であれば、”送信側支線−幹線−目的とする支線”という経路で通信することができる。しかし、ある支線の主系ルータとほかの支線の従系ルータが故障すると、一部の支線間では”送信側支線−幹線−う回する支線−幹線−目的とする支線”という経路で通信することになる。 ルータ1A以外に従系のルータにも故障が発生し、その結果、う回路に使用された支線に大量のデータが流れたからレスポンスが悪化したと考えられる。 ルータ(ク)が故障した場合、LAN1からLAN2、LAN2からLAN1に向けのデータはすべてLAN3をう回する。同様にルータ(ケ)が故障した場合、LAN1からLAN3、LAN3からLAN1向けのデータはすべてLAN2をう回する。このことから、LAN(コ)のデータ量が5Mビット/秒を超え、レスポンスが悪化したものと考えられる。 正解:(ク)2B (ケ)3B (コ)2 解説: まず、(ク)では、LAN3をう回するといっているのでルータ2Bが故障しているときですね。 ![]() 同じように(ケ)でLAN2をう回するといっているのでルータ3Bが故障しているときとわかります。 ![]() 最後に、どっちのケースでレスポンスが悪化したかということですね。ま、もともとLAN2のトラフィックが多いので、LAN2をう回する場合、つまりルータ3Bが故障したときだと想像はつくのですが、きちんとトラフィック量を計算してみましょう。 ルータ2Bが故障したときは、LAN1とLAN2間のトラフィックがLAN3をう回することからLAN3に1.0Mビット/秒(LAN1からLAN2向け)、0.1Mビット/秒(LAN2からLAN1向け)が余分に流れることになります。結局、LAN3のトラフィックは4.1Mビット/秒になるわけですね。 ルータ3Bが故障したときには、LAN2に0.6Mビット/秒(LAN1からLAN3向け)と0.5Mビット/秒(LAN3からLAN1向け)のトラフィックが余計に流れます。ですから、LAN2のトータルのトラフィックが5.4Mビット/秒になり、レスポンスが悪化したと考えられます。 |
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