平成12年秋初級シスアド午前ネットワーク関連問題その2


初級システムアドミニストレータ午前平成12年秋問50

 図のような LAN に接続されたクライアント A の TCP/IP のサブネットマスクを,誤って 255.255.0.0 と設定してしまった。このとき,クライアント A で発生する事象に関する記述のうち,適切なものはどれか。ここで,ほかの機器のサブネットマスクは正しく 255.255.255.0 と設定してある。

   ┌─────┐    │プリント │    │ サーバ │    └──┬──┘       │                 LAN 2 ■━━━━━■━━━━━━━━■━━━━━━━━━━━■                │               ─┴─              /ルータ\              \   /               ─┬─                │        LAN 1 ■━━━━━■━━━━━━━━■━━━━━━━■━━━■       │                │   ┏━━━┷━━━┓┌───┐   ┌───┴──┐   ┃クライアント A┠┤モデム│   │データベース│   ┗━━━━━━━┛└───┘   │ サーバ  │                    └──────┘

[IPアドレス]
 クライアント A:10.1.1.10
 データベースサーバ:10.1.1.1
 プリントサーバ:10.1.2.1
 ルーター:10.1.1.254 ( LAN 1 側),10.1.2.254 ( LAN 2 側)

 ア LAN 1 に接続されているデータベースサーバにアクセスできなくなる。
 イ シリアルポートに接続されているモデムを使用したパソコン通信ができな
  くなる。
 ウ ネットワーク関連の設定が無効になるので,すべてのサーバやほかのクラ
  イアントと通信できなくなる。
 エ ルータを経由してLAN 2 に接続されているプリントサーバに出力できなく
  なる。


正解:エ

解説:
サブネットマスクの設定ミスによってどういうことが起こるのか?ということを考える問題です。トラブルが発生した場合に、トラブルの状況をよく知っていると、解決も早くできますね。

かなり前にメルマガで紹介していますが、サブネットマスクの意味と通信相手が同じネットワークにいるときと違うネットワークにいるときの送信元コンピュータの振る舞いについて、理解していれば簡単に解くことができます。詳しくはメルマガバックナンバーやホームページを見てください。

クライアントAのサブネットマスクを誤って、255.255.0.0と設定してしまった場合、通信相手が同じネットワークにいるか違うネットワークにいるかの判断ができなくなってしまう可能性が出てきます。

本来だと、プリントサーバ(10.1.2.1)とクライアントA(10.1.1.10)は違うネットワークにいます。間にルータが存在していることからも違うネットワークであるということがわかりますね。
すると、クライアントAからプリントサーバへ通信するときには直接通信できないので、クライアントAに設定しているデフォルトゲートウェイ(ルータ)に送信し、ルータがルーティングしてプリントサーバへ中継していくことになります。これが正常時の動きです。

しかし、クライアントAのサブネットマスクが間違っていると、プリントサーバが同じネットワークにいると勘違いしてしまいます。プリントサーバに対して、ARPリクエストを送信するのですがいつまでたっても返事が返ってこない、結局プリントサーバと通信ができないという状況になってしまいます。サブネットマスクひとつ間違えるだけでも、通信ができなくなってしまうことがあるので、注意が必要です。

というわけで、「エ」が正解です。
「ア」では、たとえクライアントAのサブネットマスクが間違っていても、同じネットワークにいるデータベースサーバにはアクセスできます。
モデムは、TCP/IPの設定には無関係なので「イ」も間違いです。
「ウ」のように、ネットワーク関連の設定が無効になってしまうというケースは、たとえば重複したIP
アドレスを設定してしまったときなどです。


初級システムアドミニストレータ午前平成12年秋問51

 NTP(Network Time Protocol)の用途に関する記述として,適切なものはどれか。

 ア インターネットを経由して,最新のプログラムファイルをダウンロードす
  る。
 イ クライアントサーバシステムでの業務アプリケーションプログラムの応答
  時間を正確に測定する。
 ウ タイムサーバを利用して,ネットワーク上の各パソコンの時刻を合わせる。
 エ ファイルサーバに格納されている共用ファイルの作成日を調査する。


正解:ウ

解説:
NTP(Network Time Protocol)は、「ウ」の選択肢にあるとおりです。パソコンに内蔵されている時計はそんなに精度はよくないです。1ヶ月もほっておけば、平気で何分かずれてしまうぐらいです。

時計がずれたままだと、たとえばメールの送信日時などが狂ってしまい、時間でのフィルタリングの順序が正しくなくなってしまうかもしれません。また、グループ内でファイル共有をしているとき、時計の狂ったパソコンでファイルを更新したら最新のファイルのはずなのに、タイムスタンプが古くなってしまってバージョン管理で混乱してしまうかもしれません。
セキュリティ面でも、ネットワーク内のコンピュータの時計があっていないと困ったことになります。せっかくログを取っていても、狂ったタイムスタンプであればログをトレースしていくのに非常に手間がかかってしまって、万が一の不正侵入の痕跡を見逃してしまう可能性が出てきます。

たかが時計なのですが、ネットワーク上のすべてのコンピュータで時計がきちんと合っているということは非常に重要なんです。でも、まさか毎日、みんなで時報を聞きながらいっせいに時間を合わせるなんてことやってられません。そこで、NTPの登場です。ネットワーク上にタイムサーバを設置して、このタイムサーバから定期的に時刻同期を行い、ネットワーク上のコンピュータの時計を合わせることができます。フリーソフトで「桜時計」というソフトがあるのですが、これはNTPを使っています。

「ア」はあえていうと、FTP(File Transfer Protocol)の用途ですね。「イ」はICMP(Internet Contorol Message Protocol)で応答時間の計測を行うことができます。「エ」の用途に利用するプロトコルは特に思い浮かびませんが、NTPではないことは確かです。


初級システムアドミニストレータ午前平成12年秋問52

 ISDN 回線に,既存の電話機,ファックス装置,パソコンを接続するときに必
要となる機器はどれか。

 ア AD 変換器
 イ TA
 ウ ハブ
 エ モデム


正解:イ

解説:
知識問題です。ISDNに接続するためには何が必要なのか?ということを知っていれば簡単に解答できる問題です。
ISDNに接続するには、TA(Terminal Adapter)とDSU(Digital Service Unit)が必要です。TAはISDNの信号に変換する機能を持っています。TAには、パソコンだけでなく、一般の電話機やファックスを接続するためのポートも用意されています。そして、DSUはISDN網に接続するために必要な機器です。DSUについての詳しいことは、いつかWANについて説明していくときに一緒に説明していきますね。選択肢を見ると、「イ」が正解だとわかります。

「ア」のAD変換機とは、アナログからデジタルに変換するための装置です。モデムと似ていますね。「ウ」のハブはLANでたくさんのコンピュータを接続するための機器です。「エ」はコンピュータを電話回線に接続するための装置です。コンピュータのデジタル信号を電話回線に流すためにアナログ信号に変換させる機能を持っています。


初級システムアドミニストレータ午前平成12年秋問58

 電子メールを開いたら,本文中に“<”と“/>”で囲まれた文字列が交じっていた。この原因に関する記述のうち,適切なものはどれか。

 ア HTML 形式で記述されたメールを HTML 形式に未対応のメールソフトで受
  信した。
 イ Subject(主題)を日本語で記述した。
 ウ 暗号化されたメールを復元できない。
 エ 添付ファイルのデコードができない。


正解:ア

解説:
これはいわゆるHTMLメールというやつですね。もともとメールにはテキスト形式しかなかったのですが、表現力を高めるためにHTML形式で文字のフォントを変えたり、色をつけたり、背景を取り込んだりすることができます。
ただし、受信するメールソフトがHTML形式に対応していないと、HTMLのタグがそのまま表示されてしまいます。つまり、正解は「ア」となります。

いま、一般的に利用されているメールソフトはほとんど全部といっていいほど、HTML形式に対応しています。しかも、デフォルト設定になっていたりします。メーリングリストなどでは、口をすっぱくしてHTMLメールはやめようと言っているのですが、個人的にはいいんじゃないかなって思っています。もしかすると、メーリングリストに参加して何気なく、あるいはそんなこと知らなくて、HTMLメールを流してしまってメーリングリストの古参の人たちから、「HTMLメールはやめましょう」みたいな注意を受けたことがある人がいるかもしれませんね。

HTMLメールが避けられる理由として、だいたい次のようなことです。

1.HTMLメールに対応していないメールソフトがある
2.メールのサイズが大きく
3.サイズが大きくなるので、ダウンロードするのに時間がかかり接続料金が高くなる

でも、1.についてはいまはほとんど問題になるレベルじゃないでしょう。2.についても、最近のパソコンの大容量ハードディスクであればHTMLメールで少しくらいサイズが大きくなったからといって目くじら立てるほどのことでもないでしょう。3.もまだまだ普及途上とはいえ、インターネットの高速常時接続環境が整いつつあるので、あまり接続料金も気にする必要はないんじゃないかなって思っています。今後はこれらのデメリットよりも、より表現力のあるメールをかけるというメリットを享受していく方がいいんじゃないかなぁと個人的には思っています。
ま、メーリングリストでは決まりがある場合はちゃんと従いましょうね!


初級システムアドミニストレータ午前平成12年秋問61

 携帯電話を使って,次の条件でインターネットからファイルをダウンロードす
るときにかかる電話料金は何円か。ここで,ファイルの指定や回線の接続,切断
に要するアイドルタイムは無視する。また,携帯電話会杜が提供するインターネ
ット接続サービスは,携帯電話料金だけで利用できるものとする。

[条件]
 携帯電話料金            30 秒ごとに 30 円
 通信速度              9,600ビット/秒
 実効通信速度            通信速度の 80%
 ダウンロードするファイルの大きさ  1M バイト
 1 バイトの伝送単位         8 ビット

 ア 150
 イ 840
 ウ 1,050
 エ 31,260


正解:ウ

解説:
ファイル転送にかかる時間を計算する問題です。この手の問題はとてもよく出題されますので、やり方をしっかりと見につけると点取り問題にできます。「転送するファイルの大きさ」と「転送速度」をはっきりと把握すれば、あとは単純な割り算をするだけです。

「転送するファイルの大きさ」
1M[バイト]=1×10^6[バイト]=1×10^6×8[ビット]

「転送速度」
9600[bps]×0.8実効速度)=7680[bps]

このファイルをダウンロードするために必要な時間は、

1×10^6×8÷7680=1041.66666[秒]

です。で、30秒ごとの課金単位なので

1041.666÷30=35(小数点以下切り上げ)

となり、通信料金は

35×30=1050円

です。ですから、正解は「ウ」です。








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