平成13年春初級シスアド午前ネットワーク関連問題


初級システムアドミニストレータ午前平成13年春問7

 データ通信で使われる ISDN 用ターミナルアダプタ (TA) の基本的な機能として,適切なものはどれか。

 ア ISDN 回線を終端する。
 イ グローバル IP アドレスと,プライベート IP アドレスとの変換を行う。
 ウ 非 ISDN 端末のインタフェースと ISDN ユーザ・網インタフェースとの変
  換を行う。
 エ モデムの一種であり,アナログ信号のディジタル化と,その逆のディジタ
  ル信号のアナログ化を行う。

正解:ウ

ISDNはちょっと前までインターネットにアクセスするための回線としてもてはやされていましたね。当時のウリとしては、デジタル回線なので高品質で高速な通信(といっても64kbps)ができます!ってな感じでしょうか。でも、ADSLがかなり値段が安くなってきてADSLとISDNの価格が逆転してきているので、存在感が薄くなってきていますね・・・かくいう、ぼくのインターネット接続環境はフレッツISDNなんですが・・・電話回線の加入権を持っていないので、ADSLにできないんですよねぇ。早く無線LANでのインターネットアクセスが普及しないかなぁって心待ちにしています。

なんていうどうでもいい話は置いておいて、ISDNに接続するためにはTAとDSUが必要です。TAは非ISDNインターフェースをISDNインタフェースに変換する役割を持っています。また、DSUはISDN回線を終端するための回線終端装置です。ISDNに接続するには、次の図のようにします。





NT1やTE2というのはISDNの用語なんですが、それぞれの境界に名前がつけられています。これらの境界の名前やNT1、TE2といった用語はCCNAを受けようかなって人はきちんと意味と位置関係を把握しておいてくださいね。初級シスアドでは、そこまで問う問題は出題されないはずです。

以上の説明から、TAの機能としては「ウ」が正解です。
他の選択肢も見てみます。「ア」はDSUの説明ですね。「イ」はNATについての説明です。「エ」は普通のモデムについての説明です。



初級システムアドミニストレータ午前平成13年春問8

 LAN に接続されている複数のパソコンを,1 回線の ISDN 回線を使って,同時にインターネットに接続したい。これを実現するために不可欠な装置はどれか。

 ア ダイヤルアップルータ
 イ ネットワークインタフェースカード
 ウ ブリッジ
 エ モデム



正解:ア

うちの環境がまさに問題にあるような環境です。いま3台でLANを組んでいて、フレッツISDNでインターネットに接続しています。このときダイアルアップルータを利用しています。ダイアルアップルータには10BASE-Tのハブ機能がついていて、この10BASE-Tのポートに各コンピュータをUTPのストレートケーブルで接続しています。

また、うちのダイアルアップルータはDHCPサーバ機能を持っているので、接続しているパソコンはDHCPクライアントにしています。DHCPで配布するアドレスは、クラスCプライベートアドレスにしています。で、ダイアルアップルータに接続先のプロバイダ(So-net)のDNSサーバのIPアドレスやアクセスポイントの電話番号、ユーザ名、パスワードの設定をしています。

パソコンからインターネットへのアクセスがあるとデフォルトゲートウェイであるダイアルアップルータに送られていきます。そして、ルータでインターネットへのアクセスと判断すると自動的にプロバイダに対して電話をかけて、PPPを使って接続を確立します。このときにダイアルアップルータのWAN側のインタフェースにプロバイダから割り当てられたグローバルIPアドレスが設定されます。このグローバルIPアドレスでNATを使ってインターネットにアクセスすることができるようになっています。最近のダイアルアップルータは単純なアドレス変換だけでなく、ポート番号も変換できるIPマスカレード機能を持っているので複数のパソコンからのインターネットアクセスも可能です。
で、もし一定時間アクセスがないと自動的にインターネットの接続を切ることになっています。

「イ」のネットワークインタフェースカードも必要です。が、すでにLANに接続されているパソコンとあるのでネットワークインタフェースカードはすでにあるものとして考えていいでしょう。
「ウ」のブリッジはいまどきナンセンスですね(笑)。ブリッジはいまどき使うことはないし、だいたいデータリンク層で動作するのでTCP/IPを使うインターネットへのアクセスに使えるわけがないです。
「エ」のモデムはISDN回線を使うとのことから不必要です。ISDN回線に接続するにはTAとDSUが必要ですが、通常、ダイアルアップルータにTAとDSUの機能が備わっています。



初級システムアドミニストレータ午前平成13年春問9

 TCP/IP の環境で使用されるプロトコルのうち,ネットワーク管理プロトコル
はどれか。

 ア CMIP
 イ OSPF
 ウ SMTP
 エ SNMP

------------------------------------------------------------------------
正解:エ

ネットワークを管理するためのプロトコルの中にSNMP(Simple Network Management Protocol)というものがあります。SNMPはマネージャとエージェントという要素があります。マネージャは一般的にはSNMP管理ソフトウェアをインストールしているコンピュータです。エージェントはSNMPに対応しているルータやスイッチ、ハブといったようなネットワーク機器のことです。

エージェントはMIB(Management Information Base)というデータベースを持っています。このMIBにさまざまなネットワークの情報を蓄積したり、ネットワーク機器の設定を格納したりしています。
マネージャはエージェントのMIBにアクセスして、ネットワーク情報を入手したりネットワーク機器の設定変更をすることができます。また、MIBの情報にあるしきい値を設定して、それを超えるとマネージャに通知をするトラップ機能も持っています。

「ア」のCMIP(Common Management Information Protocol)はOSIのプロトコルらしいです。詳しくはわかりません・・・
「イ」のOSPF(Open Shortest Path Fast)はルーティングプロトコルです。リンクステート型プロトコルで大規模なネットワークでルーティングを行うためによく使われます。今後PREMIUMでリンクステート型の特徴などを解説していく予定です。
「ウ」のSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)はついこないだ電子メールのときにメルマガで取り上げましたね。メール送信に利用されているプロトコルです。



初級システムアドミニストレータ午前平成13年春問15

 10BASE-T (IEEE802.3) の LAN に関する記述のうち,適切なものはどれか。

 ア アクセス方式は CSMA/CD である。
 イ 伝送速度は特に決められていない。
 ウ 同軸ケーブルで端末を連結する。
 エ 配線形態はバス型である。



正解:ア

イーサネットに関する問題ですね。イーサネットと一口にいってもいろんな種類があります。この問題の10BASE-Tは一般にかなり普及しているイーサネットです。あと最近では100Mbpsの100BASE-TXもよく使われています。普通に売っているネットワークインタフェースカードはほとんど10BASE-T/100BASE-TX両方に対応しているものになっています。さらに、今後は1000Mbpsのギガビットイーサネットも普及してくると思います。

こんな感じでイーサネットというのはたくさん種類があります。たくさんのイーサネットの中で共通しているのは、次の2点です。

・媒体アクセス制御はCSMA/CD
・フレームフォーマット

イーサネットと名のつくものは必ずこの2つの共通点を持っています。(ギガビットイーサネットはもはや実質的にはCSMA/CDを使っていないのですが、見かけ上CSMA/CDです。)

では、たくさんのイーサネットの中で異なってくる部分は何かというと、使っているケーブルや電気信号、光信号への変換方法、ネットワークの配線形態(トポロジ)などです。OSI参照モデルで考えると物理層レベルでそれぞれ異なってくるというわけです。
10BASE-Tや100BASE-TXはUTPケーブルを利用し、スター型のトポロジです。もっと正確にケーブルを分類すると、10BASE-Tはカテゴリ3以上のUTPケーブルです。そして、100BASE-TXはカテゴリ5以上のUTPケーブルを利用します。

「イ」は明らかに違いますね。最初の数字が伝送速度を示しています。10なら1OMbpsです。同軸ケーブルを使うのは、10BASE5や10BASE2ですから「ウ」も間違いです。またバス型のトポロジも10BASE5や10BASE2なので「エ」も間違いです。




初級システムアドミニストレータ午前平成13年春問17

 インターネットを用いて音声データを転送する技術であり,インターネット電
話などを実現するものはどれか。

 ア IP-VPN
 イ PBX
 ウ VoFR
 エ VoIP



正解:エ

VoIP(Voice over IP)は最近注目されている技術です。over 〜 という名称をよく見かけるのですが、これは〜に載せて運ぶという意味です。Voice over IPならIPに音声を載せて運ぶということになります。

企業の音声通信はデータ通信とは別のネットワークを使って構築されてきていました。ただ、別々のネットワークを使って音声通信とデータ通信をするのは余計なコストもかかるし、管理も大変になります。そこでデータ通信のネットワークに音声も相乗りさせて、コストを削減し管理負荷も減らしたいというニーズが出てきます。現在のデータ通信のネットワークはほとんどIPネットワークですから、IPネットワークに載せて音声(Voice)を運ぶので「Voice over IP」です。

世界規模のIPネットワークがインターネットですね。インターネットを利用して音声通信を行うとコストをかなり下げることができます。しかし、インターネットを使うと通信のコントロールがなかなかできないので音声品質はあまりよくないです。ちょっと問題文を読むとひっかかるのですが、VoIPというのはインターネットだけを使うというわけではないです。音声品質を考えると、キャリアが持っているIPネットワークでVoIPを行う形態が一般的です。で、このキャリアが持っているIPネットワークを利用するサービスが普及しつつある、IP-VPNです。
この問題はどれが正解だろうってけっこう考え込んじゃいましたが、出題者が意図しているのはやっぱりVoIPだと思います。

「イ」のPBX(Private Branch eXchange)は内線電話網の交換機のことを指しています。「ウ」はフレームリレー網で音声通信を行うために使います。VoFRだとフレームリレーに限られてしまうので、この問題の解答としては正しくないです。




初級システムアドミニストレータ午前平成13年春問18

 ISDN の基本インタフェースに関する記述のうち,適切なものはどれか。

 ア 64k ビット/秒の情報(B)チャネル二つと,16k ビット/秒の信号(D)チャネル一つで構成される。
 イ 情報(B)チャネルで利用できるサービスは,パケット交換サービスだけである。
 ウ 信号(D)チャネルは制御用のチャネルであり,データ伝送には利用できない。
 エ バス配線構成にすることによって,利用者宅内で複数台の機器を接続できるが,電話機とパソコンのように異種の機器を混在させることはできない。



正解:ア

上の問題でも出てきましたが、ISDNについて。実はISDNのサービスには2種類あります。ひとつがこの問題で問われている基本インタフェース(Basic Rate Interface:BRI)です。そして、もうひとつは一次群速度インタフェース(Primary Rate Interface:PRI)です。

ISDNはデータ転送用のBチャネルと主に制御信号用に利用するDチャネルという2種類の論理的なチャネルがあり、これらを何本か重ねて1本の回線を通じて通信します。BRIとPRIでは何本重ねるかということが違ってきます。
BRIは2本のBチャネルと1本のDチャネルを重ねます。よく2B+Dといわれます。PRIは23本のBチャネルと1本のDチャネルを重ねます。23B+Dといわれます。(ただし、アメリカ・日本とヨーロッパでは違います。23B+Dはアメリカ・日本の場合です)
結局BRIは最大128Kbps、PRIは最大約1.5Mbpsで通信することができます。一般家庭で利用されるISDNはBRIです。(うちもそうです)PRIは企業などで通信速度が早いものが必要だというケースで利用されます。

Bチャネルで提供できるサービスは回線交換型もありますので、「イ」は間違いです。Dチャネルは主に制御信号をやり取りするのですが、データを流せないこともないので「ウ」も間違いです。けっこう細かい内容の選択肢なのでちょっと難しいですね・・・ISDNの宣伝文句で「電話しながらインターネットできる!」っていうのがありましたね。確かSMAPの中居くんがCMに出ていたと思うんですが。ということは、電話機とパソコンのような異種の機器も混在してもいいんです。つまり「エ」は間違いです。








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