ピアツーピアVPN



オーバーレイVPNとピアツーピアVPNの違い


オーバーレイVPNでは、サービスプロバイダは共通インフラストラクチャ上で、ユーザのデータを右から左に転送するだけで、ルーティングはユーザ自身が考えなくてはいけませんでした。でも、それはちょっと面倒になることがあるんですね。


※オーバーレイVPNについてはこちらをご覧ください↓
http://www.n-study.com/network/vpn02.htm


そこで、ユーザがルーティングの設定を自分たち自身で考えるのではなくて、
共通インフラストラクチャ上でデータを最適な経路で転送できるように、サービスプロバイダがユーザのルーティングに参加するのが、

「ピアツーピアVPN」

の特徴です。

ユーザは、共通インフラストラクチャを介して他の拠点と通信をするときに、難しいことを考えなくてもいいです。とにかく、
サービスプロバイダのルータにデータを転送してしまえば、あとは勝手に最適な経路でデータをルーティングしてくれるのです。





ピアツーピアVPNでのデータの転送

ピアツーピアVPNのバックボーンは、ルータなどのIPを認識するデバイスで構成されています。ユーザの拠点のルータは、サービスプロバイダのルータに接続される形になります。

サービスプロバイダのルータは、ユーザの拠点の中のサブネットのルート情報をすべてルーティングテーブルに持っています。もし、複数のユーザを収容しているのであれば、ユーザごとに個別のルーティングテーブルを作成します。
ユーザの各拠点のルート情報は、サービスプロバイダのバックボーンを通じて配布されます。その結果、ピアツーピアVPNを構成するルータは、各ユーザのルート情報をすべて把握していることになります。

たとえば、次の図のようにA社、B社という2社のユーザがあるサービスプロバイダのピアツーピアVPNのサービスを利用して東京本社と大阪支社を接続している例を考えます。
サービスプロバイダのルータであるPE1、PE2はA社、B社それぞれ専用のルーティングテーブルを構築し、ユーザのルート情報をすべて把握しています。
東京のPE1のA社用のルーティングテーブルを見てみると、192.168.1.0/24というルートはネクストホップがA1であり、192.168.2.0/24というルートはネクストホップがPE2で登録されています。B社用のルーティングテーブルにもB社のルート情報がすべて登録されています。PE2でも同様にユーザのすべての拠点のルート情報が登録されています。

あと、図には記していませんが記していませんが、PE1やPE2のサービスプロバイダのルータは、バックボーンのルートを登録したルーティングテーブルもあります。つまり、サービスプロバイダのルータは、

ユーザごとのルーティングテーブル+バックボーンのルーティングテーブル

の複数のルーティングテーブルを持つことになります。



(図 ピアツーピアVPNのルート情報)


オーバーレイVPNでは、ユーザの拠点のルータが自らの拠点のルート情報を保持し、ルーティングの判断を行っていました。でも、ピアツーピアVPNは、サービスプロバイダのルータがユーザのルート情報を保持しているので、ルーティングの判断はとても簡単です。
ユーザのルータの拠点以外のあて先に対しては、サービスプロバイダのルータに送ってしまえばいいだけなんです。

たとえば、A社の東京本社から大阪支社の192.168.2.0/24へのデータは、あて先が東京本社のルートじゃないので、A1ルータはPE1へデータをルーティングします。そして、PE1がA社用のルーティングテーブルを見てPE2へ転送します。PE2でもA社用のルーティングテーブルを見てA2へ転送するという具合です。



(図 ピアツーピアVPNのルーティング)


A1やA2などのユーザの拠点のルータには、自分の拠点以外のデータをサービスプロバイダのルータに転送するためのデフォルトルートだけあればルーティングの設定ができてしまうことになります。

オーバーレイVPNに比べて、ユーザのルーティングの設定がとても楽になることがよくわかりますね。

こうした
ピアツーピアVPNの代表的な例が実は、

「IP-VPN」


なのです。

つまり、IP-VPNを利用するとユーザにとってはルーティングの設定をとても楽にすることができます。

次回、IP-VPNについて解説したいと思います。お楽しみに!!








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