日経NETWORK 2004.12 『変貌し続けるDNSが生み出すインターネットの新サービスを知る』 by BOSE

DNSって分かりにくいんですよね。たまに雑誌の解説記事なんかを読むんだけど、どうも理解できない。DNSサーバはツリー状に構成されていて、基本的にはドメイン名からIPアドレスを解決するために使用されている、くらいは知ってましたよ。でもそこからもう一歩のレベルアップに時間がかかりました。ネットワークエンジニアをやっていながら、ずいぶんの間、DNSのことはよく分からないままにしていたんです。

今回の記事のタイトルは「インターネットの新サービスを知る」ですが、むしろDNSの仕組みがよく分からない初心者が、DNSを理解するのに最適な分かりやすい記事だと思います。DNSを理解するにはAレコードやNSレコードの資源レコード、TTL値などがサーバでどのように設定されているかのイメージが持てな
いと、結局よくわからないままになってしまうと思うんですが、今回の記事はそのイメージを持てるものだと思います。

part.2:根本 の説明が、初心者がDNSの基本動作の説明を理解するのにおすすめです。たった3ページにもかかわらず、実際に各DNSサーバでどういった資源レコードが書かれているかのイメージがわかるからです。

例えばwww.nikkeibp.co.jpのIPアドレスを調べる場合が図で示されています。PCから最寄のDNSサーバに対し問い合わせを行い、そのDNSサーバが情報を持っていなければ、ルートDNSに問い合わせることになります。
ルートDNSサーバは、jpドメインを管理するDNSサーバはa.dns.jpだと知っており、a.dns.jpのIPアドレスはxxxである、と言うことも知っているから、「nikkeibp.co.jpのことはa.dns.jpに聞いてくれ」と言えます。これはつまりルートDNSに、jpドメインを管理するのはa.dns.jpであるということを示すNSレコード、あとa.nds.jpのIPアドレスはxxxですよ、と言うことを示すAレコードが登録されているということです。
僕はこのイメージがなかなかつかめずに、DNSに関して、ずっとなんとなくの理解しかできてませんでした。日ごろから実際に設定をやっている人はすぐ分かることなんでしょうけど、僕みたいに机上でしか見たことない人は意外とイメージをつかむのに苦労したりします。

part3:新サービス のダイナミックDNSの仕組みも参考になりました。これまでサーバ公開のためには、固定グローバルIPを割り当ててもらうのが常識でした。でも固定的にグローバルIPを割り当ててもらうサービスは、個人ユーザにとっては高額です。ところがTTL値を短くするという単純な仕組みだけで、動的IPアドレスで公開サーバをたてることができちゃうんですもんね。

part4:先端技術 で気になったのは、ENUMという技術です。IP電話などの記事でENUMという用語をよく見かけるので、電話用の技術だと思われがちだそうですが・・僕もそう思ってました。

ENUMとはDNSのしくみを使って、電話番号から、IP電話/FAX/メールなど、さまざまなアドレス情報を引き出す技術です。IP電話では、電話番号からENUMを使用しSIPのURIを検索します。そしてURIからIPアドレスを解決すると言う方法で相手を特定します。

電話番号だけをキーにして、IP電話/FAX/メール/webなどいろんなアプリケーションのアドレスが取得できれば、なんだか便利そうですね。今後相手に電話番号を教えるだけで、メールアドレスや携帯やWEBのURLを別々に教える必要が無くなったりして。

たとえば03-1234-5678という電話番号をENUMで検索する場合、8.7.6.5.4.3.2.1.3.1.8.e164.arpaというドメイン名として扱います。最初の数字の部分は電話番号をひっくり返しただけなのですが、E.164という国際標準の形式にいったん直します。03-1234-5678に海外から電話をかける場合は、国番号などをつけて、81-3-1234-5678になりますよね。それと同じです。

やっぱりDNSって奥が深いですね。15年以上前の技術がいまだにインターネットの根幹で動いていると言うもすごいです。DNSはどうも苦手意識があったのですが、そういった技術でも日経NETWORKの記事は相変わらず分かりやすくて助かります。

by BOSE
 
☆自己投資のための読書

※BOSEさん、ありがとうございます。DNSはインターネットの基盤のシステムですよね。ぼくはまだこの記事を読んでいないのですが、ぜひDNSについての理解を深めるために読みたいと思います。(Gene)

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