日経NETWORK 2004.3 『特集2 写真でわかるケーブル大図鑑 P52~67』

インターネットなどのデータ通信だけでなく、電話などの音声通信にも必ず必要なのがケーブルです。一口にケーブルといっても、LANで使うUTPケーブル、電話線、テレビのアンテナ線に使う同軸ケーブル、海底ケーブルなどさまざまな種類があります。
こうしたさまざまな種類のケーブルを材質と用途に分類して、写真入りで解説しているのが今回レビューで取り上げた記事です。

材質として、

・銅線
・光ファイバ
・同軸

の3種類に分類し、用途として

・LAN用
・WAN用
・周辺機器/家電用
・電源用

の4種類に分類しています。

材質の3種類、用途の4種類をマトリクスにして、全部で25種類ものケーブルを紹介しています。

LANで使うUTPケーブルはお馴染みなんですが、海底ケーブルやオーディオ用の光ケーブルなどの写真があって、思わず「へぇ~」と85へぇ~ぐらい感心しました(笑)。

新しい「ホーリー・ファイバ」というケーブルも紹介されています。現在の光ファイバを越える大容量転送が可能になるそうです。光ファイバといえば、コアとクラッドの屈折率の違いを利用して、光を全反射させる仕組みです。ホーリー・ファイバはコアの周辺に空気が入った穴を多数あけて、空気穴との境界で光を反射させる仕組みだそうです。この仕組みだと伝送できる光信号の周波数が広くなるので、より高速なデータ転送ができるようになるようです。そのうち、テラビット級のネットワークになっていくときに活躍しそうなケーブルだなぁと思いました。

あと気になったのが、カテゴリ7のUTPケーブルです。UTPケーブルでは現在のギガビットイーサネットが限界ということをどこかで目にしたことがあるのですが、カテゴリ7は10ギガビットイーサネットに対応し、10Gbpsで100Mの伝送を目的としているようです。ギガビットイーサネットでもかなり無理しているように思ったのですが、10ギガビットイーサネットできるのかなぁってちょっと心配です。
もちろん、カテゴリ7はまだ標準化されていませんが、概要を見ると4つのより対線を1対ごとにシールドして、さらに4対全体をシールドするという構造になるようです。ケーブルの取り回しできるのかなぁというのが一番気になるところですね。でも、それを何とかしてしまうところがエンジニアのすごいところです。カテゴリ7がどんなケーブルになるのか、将来が楽しみです。

ぼくは普段、ケーブルはあんまり気にしたことがなかったのですが、物理層のケーブルがなければ、ネットワークは成り立たないことを改めて再確認しました。レイヤが上の方ばかりを見てしまいがちですが、物理層もよくよく勉強してみるとすごく面白いですね。

タイトルにもあるとおり、こういう図鑑的な記事があるのが、日経NETWORKの面白いところですね。

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