日経NETWORK 2004.5 『トラブルからの脱出 P100~P104』 by Gene

毎号、日経NETWORK読者が経験したトラブルについて、その状況、原因、対策をまとめているのが『トラブルからの脱出』です。いろんなトラブルの状況や原因を知ることができるので、いつも楽しみにしている記事です。

この『トラブルからの脱出』に「ネットワークのおべんきょしませんか?」の読者の方が出ていらっしゃるそうです!!ちょっとびっくりしました。もともと「ネットワークのおべんきょしませんか?」で日経NETWORKを紹介しているのをご覧になって、日経NETWORKを購読するようになったそうです。それがきっかけで、日経NETWORKの記事になるなんて、なんかスゴイですね。

今回のトラブル事例は、滋賀県大津市にある綾羽(あやは)さんです。

綾羽株式会社

※大津市といえば、新卒で入った会社で一時期、滋賀の草津まで通っていたことがあったなぁ、毎日、電車で大津を通っていたなぁと遠い目をしてしまいました(笑)。

綾羽のネットワークは、本社と事業所のLANを64kbpsのISDNで接続している構成でした。本社および事業所のISDN回線は2回線あり、1つを一般事務として本社のノーツサーバにアクセスしたり、Webアクセスをするために使っています。もう1つのISDN回線が経理処理のデータを転送するために使っています。

綾羽では、本社と事業所間のISDNをIP-VPNに移行して、本社の帯域幅を増加させるとともに、セキュリティの向上、経理データ、メール、Webアクセスの統合を目指しました。

ここ数年でWAN回線をISDNやフレームリレーから、IP-VPNや広域イーサネットに移行するというのは、非常に多く見られるようになっています。ただ、今回の綾羽のIP-VPNへの移行には大きな落とし穴がありました。

その落とし穴とは、Webアクセスやメールなどのバーストによって、経理データの通信が圧迫されてしまったことです。以前のISDNでは、事務用と経理用でISDN回線をわけていたので、Webアクセスやメールのバーストトラフィックが発生しても、経理データに影響を及ぼすことがなかったのです。
でも、IP-VPNに移行してWebアクセス、メール、経理データを1つの回線に統合しました。これによって、Webアクセスやメールのバーストトラフィックのために経理サーバへアクセスできないことが起こってしまったようです。

※「バースト」とは、突発的にトラフィックが増えることをさしています。HTTPやFTPでサイズの大きいファイルをダウンロードしたり、メールに大きな添付ファイルが付加されていると、バーストトラフィックとなり、ネットワークの帯域幅を使い切ってしまうことがあります。

これに関連したこととして、つい、こないだ日経コミュニケーションのレビューで、このバーストトラフィックを考えた上でのWANの帯域設計をどうすればいいのかという記事を取り上げたところでした。

「日経コミュニケーション 2004.3.8」
『特集2 予測困難なWAN回線 帯域はこう設計せよ P56~66』

WANの帯域幅を10Mbpsや100MbpsなどLANと同等レベルにしていたとしてもバーストトラフィックのために、VoIPやメインフレームの通信などが切れてしまう可能性はあります。

アプリケーションのトラフィックを統合するときには、各アプリケーションごとに「どれぐらいの帯域幅が必要か」、「遅延はどの程度に抑えなくてはいけないのか」などを検討して、QoSを設定してあげないと、アプリケーションの通信を適切に行うことができなくなる可能性があります。
IP-VPNや広域イーサネットに移行したばかりのときは、帯域幅がかなり増加させているケースが多いので、気がつきにくいのですが、帯域幅が増えたら増えた分だけ、トラフィックも増えてきます。そうすると、移行当初は気がつかなかった特定のアプリケーションの通信が切れてしまうといったことが頻発するようになることがあります。

結局、綾羽では利用しているルータに十分なQoS機能が備わっていなかったので、帯域制御装置「PacketShaper」を導入し、トラブルを解決しています。

PacketShaper -Paketeer-

PacketShaperは、帯域制御装置としてはデファクトスタンダードですね。よく導入されています。ただ、お値段が高いのが・・・

あと、1つ気になったのが、トラブルが発生したときのNTTコミュニケーションズの担当者の原因の推測ですね。「経理サーバとの間のデータのオーバーヘッドが大きいのかも」って、かなり的外れ・・・
ここで、すぐにバーストトラフィックの影響だとわかっていれば、もっと早く解決していたと思うんですが。ま、NTTコムは、たぶんIP-VPNサービスの提供のみで、インテグレーションを担当していないと思うので、そこまで求めるのは酷かもしれませんが・・・

ま、とにかくトラブルが解決して、無事にISDNからIP-VPNへの切り替えが完了してよかったですね。CCNAもがんばってください、山崎さん!

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