はじめのてLAN構築講座 その8
無線LANのローミング
無線LANのアクセスポイントに接続するクライアントはできるだけ最高速度で
通信できるようにした方がいいです。低速なクライアントが混在してしまうと、
それに引っ張られて全体のスループットが落ちます。
よっぽど広い家じゃなければ、家の中のどこに配置しても最高速度で接続でき
るとは思います。ですが、ノイズの影響などで低速な接続になってしまうこと
があります。
そこで、常に安定して無線LANクライアントが最高速度で通信できるように無
線LANアクセスポイントを複数設置することを考えます。その場合、ローミン
グが必要です。無線LANのローミングは、クライアントが自動的に接続する無
線LANアクセスポイントを切り替える機能です。
ローミングするためには、無線LANアクセスポイントで次のように設定を行い
ます。
- 同じSSIDを設定する
- SSIDに対して同じセキュリティ設定を行う
- チャネルは干渉しないように設定する
SSIDとは、無線LANで通信を行うグループと考えてください。無線LANクライア
ントとアクセスポイントで同じSSIDを指定することで、無線LANの通信ができ
るようになります。一般的な家庭向けの無線LANアクセスポイントは、設定で
きるSSIDはひとつだけです。デフォルトでは、アクセスポイントのMACアドレ
スから自動的にSSIDを決めている製品が多いようです。
ひとつしかSSIDを設定できない家庭向け製品では、あまり意識しないのですが、
認証や暗号化などはSSIDごとに設定します。
※最近の製品では、NINTENDO DSのようなWEPしかサポートしていないクライア
ントと他のクライアントを1台のアクセスポイントで収容するために、複数
のSSIDを設定できるものがあります。
SSIDやセキュリティの設定は同じでも、チャネルは違います。干渉しないよう
にチャネルの設定をしなければいけません。とはいっても、基本的に家庭向け
製品はチャネルは自動設定なので、ほとんど意識しなくてもよいです。
このようにアクセスポイントでローミングできるように設定しておけば、無線
LANクライアントは、最も電波の状況がよいアクセスポイントに自動的に接続
できるようになります。その結果、すべてのクライアントが最大の通信速度で
無線LANの通信ができ、全体のスループットの低下を防ぐことができます。