無線LAN 無線LANの仕組み

有線LANと無線LANの対比

無線LANのインフラストラクチャモードの通信は、有線LANにおける共有ハブに
よる接続とよく似ています。

有線LANでの共有ハブの接続は、共有ハブを中心としたスター型の接続を行い
ます。共有ハブに接続されたコンピュータは、物理的な接続はスター型ですが、
実際には1本のケーブルを共有するバス型で接続されているのと同じです。1本
のケーブル(メディア)を共有して複数のコンピュータが通信を行うために、
CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)による
媒体アクセス制御方式を利用します。

インフラストラクチャモードの無線LANアクセスポイントは、有線LANでの共有
ハブに相当します。無線LANクライアントは、LANケーブルの代わりに電波で無
線LANアクセスポイントに接続します。複数の無線LANクライアントは、伝送メ
ディアである電波を共有する形になります。
複数の無線LANクライアントが電波を共有して通信を行うための媒体アクセス
制御方式がCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)
です。

共有ハブに複数クライアントを接続すると、接続したクライアントでネットワ
ークの帯域幅を共有します。無線LANでも同様に、複数のクライアントを無線LAN
アクセスポイントに接続すると、接続したクライアントでネットワークの帯域
幅を共有します。たとえば、54MbpsのIEEE802.11gアクセスポイントに5台の無
線LANクライアントが接続すると、平均して各無線LANクライアントは10Mbps程
度の帯域幅を利用することができます。
そのため、無線LANアクセスポイントにたくさんのクライアントを接続すると、
データを転送する際のスループットが低下するので注意が必要です。

※実際には、CSMA/CAによるアクセス制御や確認応答、無線LANの制御信号など
のオーバーヘッドのため、各クライアントで利用可能な帯域幅はさらに低下し
ます。