CCNP BSCI 旧バージョン(640-901J)の模擬問題 No.86~No.90
目次
問題
No.86
ルートマップについて正しいものを選択してください。
1)条件を設定し、その条件に一致したときにさまざまなアクションを行うことができる
2)アクセスリストと同じく番号で管理を行う
3)シーケンス番号の大きい条件から比較される
4)条件やアクションの修正・変更が難しい
No.87
特定のインタフェースでルーティングプロトコルのアップデートを送信しないようにする方法として正しいものはどれですか。
1)no-update interface
2)passive-interface
3)default network
4)access-list
No.88
リディストリビューション時のシードメトリックを設定するためのコマンドはどれですか。
1)metric weight
2)default-cost
3)default-metric
4)seed-metric
No.89
ルータA、BでIGRP(AS100)を動作させています。ルータAにおいてBから受け取ったルートのうち、172.16.1.0のアドミニストレイティブディスタンスを120に変更するための設定を記述してください。
No.90
RIPからOSPFへのリディストリビューションの設定を行います。RIPのルートは、シードメトリックを100、タグを10、メトリックタイプをE1としてOSPFに流します。そのための設定を記述してください。
解答と解説
No.86
【解答】1
【解説】
ルートマップは、BGPでのポリシーベースルーティングによく使われます。matchキーワードに一致した場合、setキーワードで指定したアクションを行うことができます。
ルートマップを使うことによって、あるルートのネクストホップを変えたり、メトリックを変えたり、ローカルプレファレンスを変えたりといったことができます。
ルートマップの構文の例として、次の例をみましょう。
route-map demo permit 10 match x y z match a set b set c route-map demo permit 20 match q set r route-map demo permit 30
「demo」というのは、ルートマップの名前です。そのあとの10や20というのは、シーケンス番号で、この番号の小さい条件から考慮されていきます。
そのあとの「match」キーワードは一致する条件を記述します。x、y、zというように並べて書いたときは、この中のひとつが真であればよいです。複数のmatchを書いた場合は、それがすべて真であることが必要です。
match x y z match a
の場合は、( x or y or z ) and a という条件を満たしたときに、setキーワードで指定されたアクションを行うことができます。
No.87
【解答】2
【解説】
特定のインタフェースでルーティングアップデートを送信したくないというときには、ルーティングプロトコルの設定モード(config-router)の中で、「passive-interface」を設定します。
passive-interfaceで指定したインタフェースからは、ルーティングアップデートは流されなくなります。ルーティングアップデートだけでなく、OSPFやEIGRPのHelloパケットも流れなくなるので、ネイバーをはることもできなくなります。
No.88
【解答】3
【解説】
リディストリビューションを行うとき、メトリックを指定しないと流れないときがあります。
OSPFやBGPにリディストリビューションを行うときは、メトリックを指定しなくても大丈夫なのですが、他のルーティングプロトコルへリディストリビューションを行うときは、メトリックの指定をしないと流れません。
redistributeコマンドの中でメトリックを指定することもできるのですが、複数のルーティングプロトコルとリディストリビューションを行うときは、めんどうになってきます。
そこで、「default-metric」コマンドを使うことによって、リディストリビューションするときのデフォルトのメトリックを指定することができます。リディストリビューションを行うときは、必ず「default-metric」を指定するようにしておけば、メトリックを指定しなかったためにルートが流れないといったトラブルを防ぐことができます。
No.89
【解答】
(config)#router igrp 100 (config-router)#distance 120 0.0.0.0 255.255.255.255 1 (config-router)#exit (config)#access-list 1 permit 172.16.1.0 0.0.0.255
【解説】
アドミニストレイティブディスタンスを変更する「distance」コマンドの応用例です。この問題にあるように、特定のルートのAD値だけを変更することができます。CCIEを目指している方は、確実に設定ができるようにしておきましょう。
(config-router)#distance 120 0.0.0.0 255.255.255.255 1
の中の「0.0.0.0 255.255.255.255」はルーティングアップデートを交換するネイバールータを指定します。アクセスリスと同じように、アドレスとワイルドカードマスクで指定します。「0.0.0.0 255.255.255.255」とすると、すべてのネイバールータを意味しています。
そのあとの「1」はアクセスリスト番号です。これは、
(config)#access-list 1 permit 172.16.1.0 0.0.0.255
と関連付けて、「172.16.1.0/24」というネットワークをあらわしています。つまり、この設定によって、すべてのネイバールータから受け取った172.16.1.0/24というネットワークのアドミニストレイティブディスタンスを120に変更するという設定になります。
No.90
【解答】
(config)#router ospf 100 (config-router)#redistribute rip subnets metric-type e1 tag 10 (config-router)#default-metric 100
【解説】
リディストリビューションを行うコマンドを詳細に見てみましょう。
(config-router)#redistribute rip subnets metric-type e1 tag 10
これは、OSPFプロセスの中で「redistribute rip」としているので、RIPからOSPFのリディストリビュートであることがわかります。
「subnets」はOSPFにリディストリビュートを行うときは、ほぼ必須のコマンドです。「subnets」が入っていないと、クラスフルなネットワークしかリディストリビュートされなくなってしまいます。
そのあとの、「metric-type」もOSPFに特有のコマンドです。OSPFでは外部ルートつまりリディストリビュートしたときのルートのタイプはE1とE2の2つにわかれます。デフォルトは、E2です。
このE1とE2の違いは何かというと、メトリック計算の違いです。E2であれば、OSPFにリディストリビュートしたときのメトリックが変更されません。E1であれば、OSPFにリディストリビュートしたときのメトリック+OSPFドメイン内でメトリックが加算されていくことになります。
最後の「tag」はルーティングループを防止する目的で使われます。リディストリビュートしたルートがまたリディストリビュートされて戻ってくると、ルーティングループが発生します。そういったことを起こさないために、ルートに目印をつけることが可能です。