平成15年度テクニカルエンジニア(ネットワーク)午後Ⅰ 問3設問1解答と解説

目次

解答

(1)
【a】 キ
【b】 エ

(2)
【c】 (y)

(3)
【d】 SMTP
【e】 POP3
【f】 固定

解説

(1)
ADSLで利用する周波数帯域についての問題です。ADSLは、既存の電話線
(メタルケーブル)を利用した高速なデータ通信を実現します。メタル
ケーブル上で電話音声で利用する周波数帯域よりも高い周波数帯域をデータ
通信に利用することで、高速なデータ通信を実現しています。
ADSLの方式の一つであるDMTの周波数帯域の利用がこの問題で問われている
内容です。DMTは、利用する周波数帯域を4KHz単位の細かなサブチャネルに
分割することにより、ノイズに対する耐性を向上させています。
以下、DMTの周波数帯域の図です。

H15A1-3-1pic1.JPG

DMTでは、26KHz~138KHzを上り信号に、138KHz~1104KHzを下り信号に利用
します。

(2)
問題文に解答のヒントが隠されています。

問題文 P11
W氏:この遠隔監視装置は、電話回線に接続され、電話と同じ周波数帯域を
使用して送受信を行います。~略~ 一部の遠隔監視装置が、このADSL信号
に対して、ノイズを発生させることがあるようです。

とあります。
この問題文の記述より、遠隔監視装置が

  • 電話と同じ周波数を利用すること
  • ADSL信号にノイズを発生させる可能性があること

がわかります。
問題では、保安機に遠隔監視装置が接続されています。ここの部分に流れる
信号は、ADSLの信号と電話の信号が多重化されています。そのため、遠隔監
視装置がADSLの信号に対してノイズを発生させている可能性が考えられます。
ADSLの信号に対するノイズを発生させずに、遠隔監視装置を利用するには、
電話の信号のみに分離されているポイントに遠隔監視装置を接続すればよい
です。つまり、スプリッタによって、電話の信号とADSLの信号の分離と統合
が行われているので、スプリッタと電話機の間の(y)に接続すればよいことに
なります。

(3)

【d】 インターネットでメールを転送する標準的なプロトコルとあるので、
SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)です。

【e】 メールボックスからパソコンにメールを取り出すプロトコルの代表的
なものは、POP3(Post Office Protocol version3)とIMAP(Internet Message
Access Protocol)です。

【f】 自社にサーバを設置してインターネット上に公開するためには、公開
サーバ用の固定のグローバルIPアドレスが必要になります。固定のグローバ
ルアドレスでなければ、DNSによる名前解決を行うことが難しくなります。

通常ISPが提供するサービス名称に「固定IPアドレス」という表現をとること
が多いので、グローバルアドレスであることは特に解答にいれなくてもよい
でしょう。