平成16年度テクニカルエンジニア(ネットワーク)午後Ⅰ 問4設問2解答と解説
目次
解答
(1)予備FW機が仮想IPアドレスを自動的に引き継ぐため(25字)
(2)フェイルオーバー時に取引処理途中であったデータ(23字)
解説
(1)
問題ではFW1とFW2を1台の仮想FWとして動作させており、仮想IPアドレスはZです。そして問題文にもあるように、DMZ宛のパケットは転送先として「仮想FWのIPアドレスであるZを設定」しています。つまり、ルータは仮想FWのIPアドレスしか知らないため、実際にパケット転送をしている機器がFW1かFW2かということは全く意識していません。だからFWがフェイルオーバーした場合でもルータの設定を変更する必要がありません。
これを25字以内にまとめると、
予備FW機が仮想IPアドレスを自動的に引き継ぐため(25字)
となります。問題文にある、「VRRPによって制御される情報」とは仮想IPアドレスのことであると思われます。採点する側が望むキーワードを推測し、確実に回答に含めることもポイントですね。VRRPについては設問1の解説も読み返しておさらいしてください。
(2)
Webサーバのウォームスタンバイによるフェイルオーバー時のサービス再開についての問題です。現用機の障害時は自動的に予備機で販売システムが立ち上がりますが、取引の整合性を確認するまでは、販売システムをすぐに再開できるわけではありません。それでは取引の整合性とはいったい何のことでしょうか?これは実際にオンラインショッピング等を経験したことある人ならそのイメージが持ちやすいと思います。F社ではインターネットでのチケット販売を実施していますが、Webでのオンラインショッピングでは、一般的に以下のようなステップを踏みます。
- 商品の選択
- 選択した商品と金額の確認
- 決済方法の選択や、配送先など個人情報の入力
- 入力内容確認画面
ユーザがこのステップを踏んでいる途中にフェイルオーバーが走ってしまったらどうなるのでしょうか?確認画面でボタンを押そうと思っていたユーザが、フェイルオーバー後に商品選択画面まで戻ってしまったら大変なことですよね。そういったことがないように、フェイルオーバーの前後でユーザの取引状況の整合性を確認する必要があるのです。よって整合性を確認する必要がある状態のデータを25字以内でまとめると
フェイルオーバー時に取引処理途中であったデータ(23字)
となります。
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