平成18年 テクニカルエンジニア(ネットワーク) 午後Ⅱ 問2 ネットワークの再構築 設問2
平成18年 テクニカルエンジニア(ネットワーク) 午後Ⅱ問題
目次
解答
(1) L3-SW1とL3-SW2で設定したVRRPの仮想IPアドレス
(2) L2-SW1と業務サーバ間の経路が④①から⑤③①に切り替わる
解説
(1)
VRRPによってクライアントPCに対するデフォルトゲートウェイを冗長化することができます。そのとき、クライアントPCに設定するべきデフォルトゲートウェイのIPアドレスは、VRRPで設定している仮想IPアドレスです。
(2)
問題文の図1のネットワーク構成がわかりにくすぎます・・・
各部署のLAN内でスパニングツリーによって冗長化しつつ、VRRPでデフォルトゲートウェイも冗長化している構成です。図1のVLAN(サブネット)の区切りが激しくわかりにくいのですが、スパニングツリーとVRRPを組み合わせたネットワーク構成を考えてみます。
スパニングツリーで冗長化しているので、④⑤は同じVLANのはずです。③は他の部署のVLANも束ねるトランク接続になっているだろうと考えられます。
また、VRRPでデフォルトゲートウェイを冗長化していて、L3-SW1がマスタなのでスパニングツリーのルートブリッジも合わせてL3-SW1がルートブリッジになっているでしょう。スパニングツリーとVRRPを考慮したPCから業務サーバの経路は次の図のようになります。
ここで、経路④に障害が発生した場合を考えます。経路④に障害が発生すると、L2-SW1のルートポートが変わります。新しいルートポートはこれまで非指定ポートでブロックされていた経路⑤のポートです。そして、ここがポイントです。経路④に障害が発生しても、VRRPのマスタルータには影響しないことに注意してください。VRRP Advertisementは経路③を通じてL3-SW1とL3-SW2間で交換しているので、VRRPマスタルータは変更されずにL3-SW1のままです。
PCから業務サーバあてのパケットはVRRPマスタルータ、すなわちL3-SW1に向かって送信されます。その経路はPC→L2-SW1→(⑤)→L3-SW2→(③)→L3-SW1です。L3-SW1が業務サーバあてのパケットをルーティングして、業務サーバへパケットを転送します。
※ 経路④がダウンしたときにVRRPマスタがL3-SW2になるような設定を行うことも可能です。
参考URL
特になし