仮想環境でのネットワーク&サーバ構築 その2
VMware Playerの仮想ネットワークアダプタの概要
【ゲストOSのネットワークアダプタ】
VMware PlayerでゲストOSを稼働させると、ゲストOSは仮想ネットワークアダプタを介してネットワークに接続されるようになります。仮想ネットワークアダプタの種類として、以下の4つがあります。
- ブリッジ
- ホストオンリー
- NAT
- LANセグメント
VMware Playerをインストールすると、ホストOSからNATまたはホストオンリーの仮想ネットワークアダプタを確認することもできます。ホストオンリーの仮想ネットワークアダプタは「VMnet1」でNATのネットワークアダプタは「VMnet8」です。ホストOSとしてWindows 7を利用している場合、「コントロールパネル」→「ネットワークと共有」→「アダプターの設定の変更」でネットワークアダ
プタを見ると、仮想ネットワークアダプタのVMnet1、VMnet8を確認できます。
ホストOSからは確認できませんが、ブリッジの仮想ネットワークアダプタは「VMnet0」です。また、カスタムの仮想ネットワークアダプタとして「VMnet2」~「VMnet7」、「VMnet9」を追加することができます。Dynamipsで動作させているCiscoルータとゲストOSを相互接続するために、カスタムの仮想ネットワークアダプタを追加します。
※VMwareの仮想ネットワークアダプタが存在していると、DTCP-IPでホームネットワーク上のメディアサーバへアクセスができなくなってしまうことがあります。その場合は、仮想ネットワークアダプタを無効化してください。
以降で、仮想ネットワークアダプタのそれぞれの特徴について、もう少し詳しく見て行きましょう。
【ブリッジ】
ブリッジの仮想ネットワークアダプタでは、ゲストOSはホストOSと同じ外部のLANに接続されることになります。ゲストOSのネットワークトラフィックは、ホストOSのネットワークアダプタへブリッジされます。LAN上にDHCPサーバが存在すれば、ブリッジの仮想ネットワークアダプタはDHCPクライアントとして、TCP/IPの設定情報を取得することもできます。
【ホストオンリー】
ホストオンリーの仮想ネットワークアダプタ(VMnet1)は、その名前の通り、ゲストOSはホストOSとのみ通信できます。ゲストOSのパケットはホストOSが接続されている外部のLANへは転送されません。VMware PlayerはローカルDHCPサーバの機能を持っていて、ゲストOSおよびホストOSのVMnet1に対してIPアドレスなどを自動的に割り当てることができます。割り当てるIPアドレスの範囲は、「192.168.x.0/24」の範囲です。xの値は自動的に決められます。
※複数のゲストOSでVMnet1を共用することもできます。その場合は、ゲストOS間での通信も可能です。
※あとで解説するvmnetcfg.exeによって、ローカルDHCPサーバが割り当てるアドレス範囲を設定で決めることもできます。
【NAT】
NATの仮想ネットワークアダプタ(VMnet8)はホストオンリーの仮想ネットワークアダプタとよく似ています。VMnet8のネットワークアダプタでホストOSとゲストOS間の通信が可能です。ホストオンリーの仮想ネットワークアダプタと異なるのは、ゲストOSからホストOSが接続されている外部のLANへと通信できることです。
ゲストOSから外部のLANへ通信するときには、自動的にNATによって送信元IPアドレスがホストOSのIPアドレスに変換されます。そのため、外部のLANからはゲストOSの存在はわかりません。この点がブリッジの仮想ネットワークアダプタを利用しているときと異なります。
※当然ながら、外部LANからゲストOSあてのパケットは送信先IPアドレスが変換されることになります。
また、NATの仮想ネットワークアダプタでもVMware PlayerのローカルDHCPサーバでIPアドレスなどを自動的に取得できます。
【LANセグメント】
LANセグメントの仮想ネットワークアダプタは、ゲストOSだけの独立したネットワークを構成するために利用します。ホストOSとの通信やホストOSの外部LANとの通信もできません。LANセグメントは任意の名前をつけて複数追加することができます。
※LANセグメントの仮想ネットワークアダプタは、ホストOSから認識できないため、DynamipsでエミュレートしたCiscoルータと接続することができません。